第38話 第3週 オールスター戦 第1試合
第2週のオールスター戦が終了し、後半戦へ突入した。第3週の東陣営は上東館の岡本監督が指揮を取る。一方の西陣営の監督は法央の石井杏奈が監督を勤める。両校ともに強豪チームであるためメンバーも豪華になるに違いない。第3週第1試合・第2試合が始まる48時間前に岡本監督は東陣営のメンバーを発表した。
【オールスター戦 第3週目 第1試合・第2試合 東陣営 選出メンバー】
●監督 岡本紫音(上東館) ●副監督 明石茶織(駒修学園)
●投手 岸美奈(上東館)←第1試合先発
小笠原志帆(日東高校)←第2試合先発
高梨絵茉(日東高校)
祖父江美奈(駒修学園)
滝口亜香里(上東館)
江利川優(大東国学院)
黒木香奈(拓明高校)
河野一花(重城大付属高)
●捕手 大城羽菜(上東館)
周木栞(四奈川学院)
●内野手 川越風花(大東国学院)
乃木咲希(拓明高校)
藍川七美(桐原学院)
島内歩夢(澁谷学院)
大野琴葉(日東高校)
赤松和佳奈(栄京高校)
京田比奈(日東高校)
今宮琴梨(上野学院)
●外野手 竹田川海(秀麗学館)
宮原翼(愛東学院)
清水日向(中央東高校)
柳田恵令奈(上東館)
山口日和(二十六木学院)
伊志嶺優香里(新庄中央高校)
DH 坂倉千夏(甲陽学園)
というメンバーが選出された。彩也は選ばれなかったが琴葉が三塁手として選出された。また琴葉以外に3人が日東高校から選ばれた。第2試合先発となった志帆は気合十分である。監督の岡本監督は試合前に全員を集めてミーティングを行った。
「皆さん、第3週が始まりました。今回東陣営を担当する上東館の岡本です。初めての方もいれば初めてじゃない方もいると思います。協力が大事ですので頑張っていきましょう。それではスタメンを発表します」
ミーティング終了後、岡本監督は第1試合のスタメンを掲示した。
東陣営 スターティングメンバー
1,伊志嶺優香里(中) 新庄中央高校
2,京田比奈(遊) 日東高校
3,柳田恵令奈(右) 上東館
4,乃木咲希(一) 拓明高校
5,藍川七美(二) 桐原学院
6,竹田川海(左) 秀麗学館
7,大野琴葉(三) 日東高校
8,周木栞(捕) 四奈川学院
9,岸美奈(先) 上東館
一方の西陣営のスターティングメンバーは以下の通りである。
西陣営 スターティングメンバー
1,南雲瑠奈(遊) 八百井学園
2,森下凉羽(左) 竜北学館
3,近藤星夏(右) 法央高校
4,筒香青羽(一) 法央高校
5,甲斐海(捕) 法央高校
6,大松黒子(二) 明生学院
7,相生麗奈(三) 福栄高校
8,松本千景(捕) 兵吾大付属高校
9,池村穂香(先) 法央高校
と法央メンバーが多いスタメンとなっている。先攻に西陣営、後攻に東陣営となった。試合開始の合図があり、岸美奈がマウンドに上がった。
一回表、美奈は先頭の南雲を三球連続フォークで打たせるピッチングを披露しサードゴロに仕留めた。しかし、後続の森下には右中間を突き破るツーベースヒットを放たれるが危なげなく近藤を空振り三振を奪い、筒香に対してはセンターフライに打ち取り三塁ベースを踏ませることはなかった。
一回裏、一番打者の優香里は相手先発投手の池村のチェンジアップ、スローカーブ、フォークに惑わされて空振り三振、続く比奈は詰まった打球を放ってしまいライトフライ、恵令奈がセンターへのヒットを放つが咲希のショートゴロで両陣営ともに点を奪うことは出来なかった。
二回表、美奈は甲斐と大松にセンター前ヒットとツーベースでノーアウト二三塁というピンチを作ってしまうが相生のピッチャーゴロ、松本のファーストフライ、池村のレフトフライに仕留められ得点チャンスを生かすことが出来なかった。しかし、美奈の打球を西陣営打線がかなり捕らえられてきたため三回表は警戒しなければならない。
二回裏、先制点が欲しい東陣営は七美のレフト前ヒットを放つが海の痛恨の併殺によってすぐに2アウトとなった。ダブルプレーでランナーなしの場面で三塁出場の琴葉は池村のストレートを完璧に捉えてレフト方向へ放つが西陣営の左翼手・森下にダイビングキャッチされてしまい本塁打による先制点を取ることが出来なかった。
三回表、美奈の内角高めのストレートを南雲はライト方向へ放つが右翼手・恵令奈の好守備によりライトフライとなるが落球してしまいライトのエラーで進塁した。しかし、後続の森下に四球、近藤にセンター前ヒットを放たれてノーアウト満塁にされてしまうが後続の筒香の犠牲フライのみで甲斐と大松を二者連続三振に仕留めて1失点に抑えた。
三回裏、栞による初球ツーベースヒットでチャンスを作ると美奈の得意のバントで三塁に進塁し最低限の役割を果たした。一打出れば逆転の場面で優香里は当り損ないのセカンドゴロを放ってしまうがゴロの間の本塁生還で1点を入れ1-1の同点とした。しかし後続の比奈がセンター前ヒットを放つが恵令奈のキャッチャーフライで勝ち越し点を取ることが出来なかった。
四回表、相生による内野安打で出塁すると松本の打席にて相生が盗塁を試みるが栞の肩に負けてしまい盗塁失敗となるが松本がツーベースを放つが穂香の送りバントで三塁へ、南雲の見逃し三振で美奈は点を奪うことは許さなかった。
四回裏、西陣営相手投手の池村の球威がここに来て上昇し咲希、七美、海の3名は池村のチェンジアップやスプリットを粘っていくがストレートの速さに押されてしまい三者連続空振り三振という結果となってしまった。
東陣営 投手交代
岸美奈(先発)→江利川優(中継ぎ)
五回表、美奈に代わって登板した優は森下に対して四球で出塁させてしまうが近藤をサードフライ、筒香を空振り三振とするが甲斐に左中間方向への2ランホームランを放たれてしまい3-1と放されてしまったが大松をファーストフライに打ち取り2失点に抑えた。
五回裏、逆転の一打を放ちたい東陣営は琴葉のソロホームランで2-3の一点差に詰め寄るも後続の栞がピッチャーゴロ、優の代打で登場した坂倉千夏はセンターフライに打ち取られ、先頭の優香里の内野安打で出塁するが比奈の凡退で交代となった。
東陣営 投手交代
江利川優(中継ぎ1)→黒木香奈(中継ぎ2)
六回表、優に代わって香奈がマウンドに上がり、相生と松本を空振り三振に仕留め後続の穂香をピッチャーフライに抑えて無失点に抑えた。
最終回となる六回裏、サヨナラ勝ちを決めたい東陣営は比奈の四球と盗塁で一打サヨナラを狙う場面で恵令奈の四球、そして咲希の放った打球は奇跡的にライトスタンドギリギリに入り2ランホームランで4-3でサヨナラ勝ちを東陣営は収めた。
試合終了後、咲希は東陣営メンバーと抱き合い勝利を喜びあった。また、両陣営の選手とも握手を交わし明日の試合に向けて調整を行った。
「第1試合お疲れさまでした!中々点が取れない場面が続きましたが最後にサヨナラの一打で勝ったということは非常に大きな糧となるでしょう!明日もよろしくお願いします!今日はゆっくり休んで明日また会いましょう!」
「はい!」
1 2 3 4 5 6 計 H E
西 0 0 1 0 2 0 3 7 0
東 0 0 1 0 1 2 4 7 1
勝利投手 黒木香奈 1勝0敗
敗戦投手 池村穂香 0勝1敗
本塁打 甲斐海(5表) 1号
大野琴葉(5裏) 1号
乃木咲希(6裏) 1号
試合時間 3時間3分
第1試合の熱戦も終わり、両陣営のメンバーは第2試合の勝利に向けて軽めの調整を行い、早めに帰宅した。サヨナラホームランを放った咲希は興奮のあまり余韻に浸っていた。
次回10月30日投稿予定




