第26話 The ベストナイン大会 -最終戦 新庄中央高校戦--
The ベストナイン大会もGW最終日の最終戦を迎え、日東高校は10勝4敗の勝ち越しを決め最終戦となる新庄中央高校と対戦する。新庄中央高校は14試合で5勝9敗と負け越しているが油断をすると打ち込まれる可能性があるため注意が必要である。そして試合開始30分前に高原先生はミーティングを行った。
「おはようございます。本日で今大会も最後の試合となりました。今日で咲希や凜、礼子、彩夏と共に試合するのは最後になります。悔いのないよう試合に臨みましょう!それではスタメンを発表します」
最終戦であるため指名会議で獲得した咲希、凜、礼子、彩夏とはこの試合でお別れとなる。だがしかし、日東高校の成績がここまで良かったのは彼女らのお陰かもしれないと実感しながら高原先生はスタメンを発表した。以下が最終戦のスタメンである。
日東高校 スターティングメンバー
1,与那国樹里(中堅手)
2,相馬葵(遊撃手)
3,乃木咲希(一塁手)
4,秋山凜(右翼手)
5,大野彩也(捕手)
6,中島雪峯(DH)
7,山崎七緒(二塁手)
8,松井埜々香(左翼手)
9,村上心愛(三塁手)
P,大野琴葉(先発)
休養メンバーの樹里と葵が復帰、5勝目をかけて琴葉が登板する。一方の新庄中央高校のスタメンは以下の通りである。
新庄中央高校 スターティングメンバー
1,佐々木愛理(二塁手)
2,筒香侑李(左翼手)
3,藤池桜(右翼手)
4,和田梨子(三塁手)
5,坂本彰子(遊撃手)
6,秋田汐莉(捕手)
7,伊志嶺優香里(中堅手)
8,青木夕陽(一塁手)
9,髙野陽愛(DH)
P,濵口恵梨香(先発)
となっている。先攻が新庄中央高校、後攻が日東高校となった。
一回表、琴葉がマウンドに登板し佐々木と対戦した。琴葉は佐々木に対して彼女の苦手なインコースを中心に投げ分け、先頭バッターから空振り三振を奪った。続く筒香には3ボール1ストライクから四球で出塁させ、藤池にライトへのヒットを放たれ1アウト一三塁のピンチを作るが和田をサードフライに打ち取るが坂本にセンターへのタイムリーヒットで1点を失うが後続の秋田を見逃し三振に抑え3アウトでチェンジとなった。
「彩也、今日の私の球威どうかな?」
「前回より落ちているけど立て直せているから次の回も頑張って」
「分かった」
一点を失った場面で一回裏に入った。先頭の樹里はライトへのヒットを放ち、葵による素晴らしいバントで1アウト二塁にランナーを進め咲希による今大会2本目となる2ランホームランで1-2と逆転したが凜が空振り三振に取られるも彩也のレフト前へのヒットで出塁するが雪峯がライトフライに倒れて3アウトでチェンジとなった。
「ナイバッチ咲希!」
「琴葉~頼んだよ~?」
1-2で迎えた二回表、初球に伊志嶺による今大会4本目となる同点ホームランで2-2と試合を振り出しに戻すが青木、髙野を二者連続三振で2アウトとし佐々木を遊撃・葵の落球によりエラーで出塁するが筒香をファーストライナーで3アウトに仕留め二回裏に移った。
「お姉ちゃん、同点弾を打たれたのは仕方ないけどストレートが甘かったから気をつけて」
「了解~」
2-2の同点の場面での二回裏、七緒が三球三振で1アウトになるが埜々香による右中間を抜けるツーベースヒットで1アウト二塁のチャンスを作り、心愛が四球で出塁すると樹里の5本目となる2ランホームランで2-4と再度点差を放つが葵の空振り三振、咲希のレフトフライで3アウトとなった。
「琴葉、三回で交代だね。彩夏!最終回のために肩今のうちから作っておいて!」
「はい!」
そして三回表、何としてでも点が取りたい場面であるが藤池をチェンジアップを三球三振に仕留め、和田と坂本に連続でヒットを放たれるが秋田の併殺打でピンチを切り抜けた。そして琴葉はガッツポーズを見せ、三回五安打二失点の好投で5勝目の権利を得て降板した。
「ナイスピッチングだったよお姉ちゃん。お疲れ様、ゆっくり休んでね」
「分かった彩也、三回も頑張ってね?」
「彩也と琴葉は二人とも交代だよ?疲れを考慮して三回以降は主力を休ませることにするから」
高原先生は彩也、琴葉、樹里、心愛、埜々香を交代させた。
日東高校 選手交代
大野彩也(捕手)→阿部加奈子(捕手2)
与那国樹里(中堅手)→丸亀義美(中堅手2)
村上心愛(三塁手)→青山すみれ(三塁手2)
松井埜々香(左翼手)→小越舞香(左翼手2)
三回裏、凜の今大会7本目となるソロホームランで2-5と3点差とした。しかし、彩也の代打で出場した加奈子がサードゴロに打ち取られるが雪峯のレフト前ヒットで出塁し、七緒の四球で一二塁とチャンスを拡げるが埜々香の交代メンバーで出場した舞香のピッチャーフライで2アウト。後続の心愛の交代で出場したすみれが四球で満塁とするが樹里の交代で出場した義美が空振り三振に倒れて3アウトでチェンジとなった。
「彩夏、あとは頼んだ」
「任せて!」
日東高校 投手交代
大野琴葉(先発)→小林彩夏(抑え)
四回表、3点を追う場面で伊志嶺の代打で登場した三条琴音がいきなりライトへのヒットで出塁するが青木と髙野を二者連続で三球三振に仕留めるが佐々木に今大会6本目となる2ランホームランを放たれ1点差に迫られるが筒香の代打で登場した岡田陽向をレフトフライに打ち取って3アウトを取り、試合終了で日東高校は最終成績11勝4敗でベストナイン大会は終了した。
試合終了後、17時から始まる閉会式に向けてミーティングを行った。
「最後までお疲れ様でした。全15試合で11勝4敗は素晴らしいと思います。ここまで来れたのも全員のお陰だと思います。また、今日の試合で咲希、凜、礼子、彩夏と共にプレーするのは最後ですので4人から何か一言いただきたいと思います。ではまずは咲希、お願い」
「大会全試合お疲れ様でした!これで私たちは元のチームに戻ってしまいますがこれらからもお互い頑張っていきましょう!ありがとうございました!」
咲希の次に凜が話をする。
「この1週間、このメンバーで楽しくプレーできたこととても誇りに思います。これからはチームは違いますがまた機会があれば一緒に試合したいです。ありがとうございました」
続いて礼子が話を始めた。
「私自身ここで結果を残すことが出来ませんでしたがチームのみんなと仲良くできてとても嬉しかったです。ありがとうございました!」
最後に彩夏が話を始めた。
「この1週間、失敗することもありましたがチーム一丸となって試合できたことがとても楽しかったです。オフの日はみんなで遊びたいなと思っています!ありがとうございました!」
4人の一言に拍手が湧き、高原先生はしばらくした後、まとめの言葉を言った。
「試合はこれで終了ですがまだ閉会式があります。閉会式が終わるまではこのメンバーなので閉会式まで時間がたっぷりあります。是非ゆっくりしていってください。それと30分前には戻ってきてください。以上です!お疲れ様でした!」
このようにしてベストナイン大会全15試合の日程が終了した。閉会式にて成績発表やや大会表彰が行われる。閉会式後は、指名会議で獲得したまたは獲得された高校との間で選手帰校が行われる。つまり比奈や絵茉、志帆、朱夏が帰ってくるためどれくらい成長しているか楽しみである。
1 2 3 4 計 H E
新庄中央 1 1 0 2 4 7 0
日東 2 2 1 × 5 7 1
勝利投手 大野琴葉 5勝0敗
敗戦投手 濵口恵梨香 2勝3敗
セーブ 小林彩夏 0勝1敗9S
本塁打 乃木咲希(1裏) 2号2ラン
伊志嶺優香里(2表) 4号ソロ
与那国樹里(2裏) 5号2ラン
秋山凜(3裏) 7号ソロ
佐々木愛理(4表) 6号2ラン
試合時間 1時間20分
試合終了後、日東高校野球部のメンバーは咲希、凜、礼子、彩夏と共に遊んだりして楽しんだ。この大会も残すは閉会式となるが第二回の開催も楽しみにしている。
9月の今後の投稿予定 9月7日第27話(閉会式)、9月11日第28話(第2章開幕) 9月15日第29話 9月19日第30話 9月23日第31話 9月27日第32話 10月1日第33話




