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一球入魂 -日東高校女子野球部-  作者: 照山
第1章 ベストナイン大会編
19/46

第19話 The ベストナイン大会 -9戦目 名東戦-

5日目、日東高校は9戦目に名東高校と対戦する。10戦目には彩夏の高校の栄京と対戦する。


「みんなよく眠れましたでしょうか。この大会も残り6戦。気を抜かずしっかり戦っていきましょう!それでは9戦目のスターティングメンバーを発表します」


日東高校 スターティングメンバー

1,与那国樹里(中堅手)

2,生方赤穂(遊撃手)

3,小越舞香(右翼手)

4,乃木咲希(DH)

5,中島雪峯(一塁手)

6,大野彩也(捕手)

7,大野琴葉(三塁手)

8,山崎七緒(二塁手)

9,松井埜々香(左翼手)

P,高橋碧(先発)


前回1回6失点を喫した碧がリベンジのマウンドに上がる他、琴葉と彩也の姉妹打線が誕生した。そして一方の名東のスターティングメンバーは以下の通りである。


名東高校 スターティングメンバー

1,栃山結香(左翼手)

2,大熊芽愛(一塁手)

3,宮崎花鈴(三塁手)

4,鈴木かな(右翼手)

5,菊地彩葉(二塁手)

6,蒼龍美智瑠(遊撃手)

7,福岡夕夏梨(中堅手)

8,堀田美羽(捕手)

9,大和友理奈(DH)

P,茂木絢菜(投手)


となった。先攻が名東高校、後攻が日東高校となった。試合がスタートし碧が緊張しながらマウンドに上がった。


先頭の栃山に対して碧はファールで粘られるもセンター前にヒットを打たれた。しかし、続く大熊をサードゴロとしダブルプレーで2アウトとした。ランナー無しとなり宮崎に対して四球目のストレートを見極めて四球とした。2アウト一塁とし、4番・鈴木に対して五球目を打たれて右中間へのツーベースヒットを打たれて2アウト一三塁のピンチを作るが後続の菊地を三球三振に打ち取ってピンチを凌いだ。


「ナイスだ碧。二回も頼んだよ」


「はい!」


一回裏、先頭の樹里が右中間方向への二塁打を放つも右翼手・鈴木の強肩(レーザービーム)によって二塁アウトとなった。続く赤穂は茂木から頭部から肩付近にデッドボールを受けた。デッドボールを受けた赤穂は痛そうな表情をしていたが投手・茂木はただ見つけているだけであった。


「ほーちゃん!大丈夫!?ちょっと!一言も言わないとかどういうつもり!?」


「は?あれぐらいで痛がってるとかお子さまだね!」


琴葉と彩也は茂木の発言に怒りを覚え胸ぐらを掴んだ。


「二人とも落ち着いて!茂木さん!あんたもそういう態度は芳しくないよ!」


しかし、茂木は謝ることをしなかった。高原先生や日東のベンチメンバー、名東の先生や守備についていたメンバーが間に入って止めに入った。今大会初の乱闘であった。


「謝りなよ!ねぇ!じゃああんたが死球(同じようなこと)受けても平気な訳?!」


「知らないよ~そんなの~」


「茂木さん!謝罪しなさい」


するとベンチから出てきた名東の監督の沖本先生が茂木のところに詰め寄った。


「生方さんに謝りなさい。絢菜?」


「無理っす」


「謝れ!」


沖本先生は茂木に激怒した。


「あなたはスポーツマンシップの欠片もない人です!そんな人をうちの部に置いとくのは恥です!出ていきなさい!」


そうこう言いながら審判がマイクを持って走ってきた。


『球審の白石です。ただいまの茂木投手の生方選手に対する投球を危険球とし茂木投手を退場いたします。そして日東の大野琴葉選手・大野彩也選手と名東の鈴木かな選手と菊地彩葉選手と福岡夕夏梨選手を不適切な行動をしたとして出場選手交代を命じます。また、この試合を警告試合として再開いたします』


審判の結果茂木が退場処分となり、琴葉や彩也ら5人がこの試合の出場禁止が命じられベンチ待機メンバーと交代した。


日東高校 選手交代

大野彩也(捕手)→阿部加奈子(捕手2)


大野琴葉(三塁手)→村上心愛(三塁手2)


生方赤穂(遊撃手)→内田七海(遊撃手2)


名東高校 選手交代

鈴木かな(右翼手)→乙ケ林雪森(右翼手2)


菊地彩葉(二塁手)→馬場千郷(二塁手2)


福岡夕夏梨(中堅手)→二ノ宮加恵(中堅手2)


茂木絢菜(先発)→渡辺一花(中継)


交代後、琴葉と彩也はベンチに戻り怒りを露にした。ベンチにいた凜などは


「まぁまぁ怒る気持ちもわかるけど先生が何とかまとめてくれるから落ち着いて」


「分かったよ」


30分の試合中断後、試合が再開された。赤穂の代走として七海が一塁ランナーとなった。続く舞香はレフト前へのヒットを放つも咲希が空振り三振に打ち取られた。2アウトランナー一塁となるが雪峯の3号2ランホームランで2点を奪った。先制後、彩也の交代メンバーとして出場した加奈子がショートゴロに打ち取られた。


二回表、蒼龍の打席では碧は慎重に投げ分けてキャッチャーフライに打ち取った。福岡の交代メンバーとして出場した二ノ宮は空振り三振となった。続く堀田に対して碧は遊撃手・七海のエラーで出塁するが大和は碧のカーブを見逃して三振を喫した。


「(今日は調子が良いな・・・前日たくさん寝たからかな)」


二回裏、さらに得点を積み上げていこうとしていたが琴葉の交代メンバーとして出場した心愛がサードフライ、続く七緒がファールで粘っていくも渡辺の変化球に空振り2アウトとなった。しかし、埜々香の打席ではフォークを打ち損じてしまいセカンドゴロに倒れた。


「碧、今日はナイスピッチングだ。三回まで頼んだよ」


「了解です!」


2-0とここまで無失点の好投を見せている碧は三回のマウンドに上がった。先頭の栃山に対してセンターへヒットを打たれると続く大熊にも四球を出してしまうが宮崎をセンターフライに打ち取り、乙ケ林を空振り三振に仕留めるが馬場にも四球を出して満塁のピンチを作るが蒼龍をピッチャーフライに打ち取り二度目のピンチを凌いだ。


「よく頑張った碧。今日はゆっくり休んでね」


「了解です」


三回裏、樹里は相手投手・渡辺の失投を見逃さず特大ホームランを放った。3-0のスコアとなり七海もホームランを狙おうとしたが空振り三振に仕留められた。続く舞香はセンター前へのヒットを放ち得点のチャンスを作るが咲希が併殺崩れのゴロでランナーを二塁に送ることができたが雪峯がセンターフライとなり交代となった。


日東高校 投手交代

高橋碧(先発)→小林彩夏(抑え)


最終回の攻撃の名東は代打攻勢に出た。しかし、二ノ宮の代打として登場した佐々木がライトへのツーベースヒットを放つが堀田の代打で登場した松本がファーストゴロに打ち取られるも三塁にランナーを送ったが大和の代打で登場した椎名が空振りに仕留められた。2アウト三塁となり栃山に対して七球目をセカンドフライでアウトとなり試合が終了した。


試合終了となり日東高校は初完封を飾った。終了後、名東の沖本先生は先発の茂木を連れて琴葉や彩也、赤穂と高原先生に深く謝罪した。


「もう大丈夫です。良いですか茂木さん。あなたの行動はとても不愉快でスポーツマンシップを欠けていました。二度とこのようなことがないよう気をつけてください」


「すみませんでした!」


その後、彼女らは和解でこの話は終わった。トラブルがあったが日東高校は3-0で名東に完封勝利した。第10戦は17時30分から試合開始となる。(名東との試合開始は8時半)


   1 2 3 4 計 H E

名東 0 0 0 0 0 4 0

日東 2 0 1 × 3 4 1


勝利投手 高橋碧  1勝1敗

敗戦投手 渡辺一花 0勝2敗

セーブ  小林彩夏 0勝1敗5S


本塁打 中島雪峯(2裏)  3号

    与那国樹里(3裏) 2号


試合時間 2時間17分


また、試合後に琴葉と彩也は第10戦目の試合はベンチスタートとなることが伝えられた。第10戦目の相手も手強いため注意が必要である。

次回8月10日投稿予定

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