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1.公爵令嬢は騎士を目指してがんばる

よろしくお願いします。

ーーーっごめん・・・! ほんとにっ・・・! 俺のせーーうっ!

ーーー大丈夫ですから・・・。ハルの、レオハルト殿下のせいではーーッ!ゴボッゴホッ!


15歳くらいの少年が、地面に座り込んで私を腕に抱えて泣いている。声をかけようと思っても、血が口から溢れ出て言葉もままならない。


この目の前の少年も、足に怪我をしていて血が大量にドクドクと出ている。たぶん、出血多量で死んでしまうだろう。お互いに、残された時間は短い。




ああ、これは、私の人生ではない。別の、壮大な出来事を経験した人間の人生だ。



漠然と、そう理解する。




目の前にいるこの少年が、愛しい。


そして、相手も私のことを想ってくれている。


しかし、私は護衛騎士で相手は王子。身分差によって結ばれることはなかった。




ーーーもし二人とも生まれ変わったなら、今度こそ・・・・・・ーーー



それは、誰の願いだったのか。私にはもう、分からなかった。







ーーーーーーーーーー




「っ!! はあっはあっ」


体を勢いよく起こす。

今見てた夢のせいか、体中汗でびしょ濡れだ。


私はかつて、レオハルトという名の王子の護衛騎士だったらしい。私は彼をハル、と愛称で呼んでいた。

そして最後に願った通りに生まれ変わったらしい。

こんな偶然なんてあるのか?

でも、もしかしたら、レオハルト殿下も生まれ変わっているかもしれない。もし生まれ変わっているのなら、今度こそ身分差がないことを願う。



ここは前世と同じリンデール王国で、私はまだ5歳でアルシリアン公爵家の令嬢らしい。名前は、アリアだ。

今までは普通の女の子らしく人形遊びやおままごとが好きだったが、記憶が戻ってからの私は体を動かすのが好きだ。前世でも剣の道を選んだくらいだしね。


今世は、兄が二人いる。

一人は、5歳上のフェリクスお兄様。もう一人は、3歳年上のラングお兄様だ。

二人とも私を、可愛いがってくれている。というか、甘すぎる気がする。


私は今世でも、騎士を目指したい。前世では平民だったので魔力が少なく、魔法が使えなかったのでただの騎士になったが、今世なら貴族なので魔法も使えるだろう。しかし、貴族でも、魔力は持っているが魔法を使いこなせないという人が多い。もし使えこなせれば、騎士の中でもなるのが難しい、魔法騎士になれるかもしれない。


騎士になる人は皆、王立騎士団に所属している。その中でも、魔法騎士は一般の騎士に比べて数が少ない。


15歳からは王立リンデール学園に入学する。そこで騎士科を選んで、好成績を出せば卒業後の王立騎士団への推薦状が貰えるかもしれない。


まずは、お兄様たちとお父様にお願いをしてみる。お父様も、お兄様と同じで私に甘いので、私のお願いを叶えてくれることだろう。


早速、お兄様とお父様のところへ向かう。


しかし、どこに居るのかわからなかったので、私の専属メイドであるリリーに聞いてみる。


「ねえ、りりー。おにいさまとおとうさまがどこいるかしってるかしら?」

「あっ、お嬢様! 今日はわたしが起こしに行く前に起きられたのですね!・・・って、すごい汗じゃないですか!! 旦那様とお坊ちゃまのところに行く前にまずはお風呂に入りましょう!」

「えっ・・・」


あっ、と思う間もなく、お風呂場に連行されてしまった。





☆★☆★☆★☆★☆★




お風呂から出た後、リリーにお父様たちのところに連れて行ってもらった。

しかし、お父様もお兄様も貴族令嬢が騎士になるのは危ないと言い、それでも私がごねたので、渋々だったが許可はもらえた。

ただし、これから2年間、毎日剣の素振りを100回続けることができたら、という条件付きだったが。


まあ、前世では歴とした騎士だったので、筋肉を鍛えて、あの頃の体感が思い出せれば、100回以上はいけるだろう。





☆★☆★☆★☆★☆★




あれから、毎日体を鍛え、剣の素振り100回を続けること、早2年。私は7歳になった。

そして今日が、あの時に約束した、期限の日である。


鍛錬をしていると、



「アリアは、あの日の約束を律儀に守っていたようだな。正直、すぐにへたばると思っていたぞ」


やっぱり、そう思っていたらしい。


「はい。騎士になりたい、という気持ちは誰にも負けませんから!」

「そうか。私もその熱意に負けたということか・・・。ーーーよし。じゃあ、その心意気で騎士を目指しなさい。本当は私も、フェリクスとラングも、お前を騎士になんてさせたくないのだがね。ーーー専属の剣の先生をつけるから、頑張りなさい。でもくれぐれも、怪我は最小限にするよう気を配ること。騎士を目指していても、大怪我なんてしたら本末転倒だからな。」


「あ・・ありがとうございますっ!! がんばります!」


お父様たちも、やっと認めてくれたようだ。


2話目も頑張って書きますっ!

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