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それでも、生きていた  作者: sinnemina
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第4−11話

夜が明け、朝になった。朝ご飯を食べ、買い出しに行く事になった。昨日の件もあるので仕入れの量を普段の7~8割程度に抑えてみる。もし、いつも通りの来店者数だったら、お客さんには申し訳無いが、早めの閉店となるので、こちらとしては悪くない。また、明日から普段通りの営業を開始すればいいのだから。

だが、この7~8割というボーダーを下回るとかなりマズい! ルーガさん曰く、このボーダーが儲けが出るギリギリのラインというのもあるが、二日連続で普段の売上を大幅に割れば、偶然ではなく原因があるはずだ。そしてその原因は十中八九、僕のせいだろう。更に言えば今後の売上にも影響してくる。


買い出しの際に、サイさんに相談しようとも一瞬考えたが、杞憂に終わる可能性もまだあるので止めといた。

そして、買い出しが終わり仕込みをしたが、いつもより仕込む量が少ないので早めに終わった。少し時間が余ったので今後の相談をした。

相談して決まった事は(今日も売上が芳しくなかったら、明日は休みにする。休みにする代わりに何か対策を考えよう。)となった。

何事も無いのが一番だが、一応、今日から空いてる時間は僕なりに対策を考えておこう。


昼の営業が始まった。

予想通りといっては何だが、お客さんの入りが悪い。いつもだったら満席になってもいいお昼時に、席がまばらに空いてる。何かのイベントや事故といった声をルーガさんは聞いてないので、ここまでくると偶然じゃない! お客さんが避けているんだ、僕が働いている、この店を! 


早いとこ何とかしないと! このままじゃ、ルーガさんの店が潰れてしまう。とにかく打開策を考えるんだ。

考えるといっても、どうしようか。やっぱり新メニューか? 新しい料理なんて、そう簡単に思い浮かばないぞ。ましてや、この世界だと食材も限られるので、あまり選択肢が無く、メニューの幅が限られてしまう。


とりあえず、パッと思い付いたのとはフライドポテトやポテトチップスといったところか。これなら僕でも作れそうだし、材料も用意出来る。他に出来そうなのはマリネとか漬物ぐらいかな? 漬物って塩だけで作れそうなイメージだが。マリネも、レモンとか柚子みたいな柑橘類があればドレッシング作れるんじゃないのかな? まあ、後で試作してみればいいか。


その他にはスイーツやマヨネーズも考えてみた。だが、冷蔵庫が無い世界で、こんなもの出したら、ヘタすると食中毒になりそうだ。


それにスイーツはともかく、僕、マヨネーズ嫌いなんだよな。この世界の人達にはウケるかもしれないけど、あの味もグチャグチャした舌触りも好きになれない。マヨラーの人とか信じられないよ。まあ、実は言うと作り方わからないから、作りたくても作れないんだよね。

ケチャップだったら好きだから作ってみたいな。でも、作り方がわからないし、トマトも季節物だから難しいなあ。同じ理由でピザもダメだな。


ああ、そういえば思念体に宣言してしまったんだよな。[現代知識を使わない]って。


…………まあ、いっか。思念体にはプライドが無いとか揶揄されるかもしれないが、今は、なりふり構っていられない。僕のちっぽけなプライドよりルーガさんの店の方が大事に決まってる。


よし! 営業が終了したら僕の持てる現代知識をルーガさんに披露しよう。そして、ルーガさんのピンチを救うんだ!




ルーガ「うん、却下。」

閉店した店内にはルーガさんの声がよく通った。意気揚々とアイデアを出してみたが、ことごとく不採用となってしまった。


フライドポテトやポテトチップスは自信があったのだが…。理由を聞いてみると、調理方法と材料が問題だった。ポテトがいくら美味くても、お手軽な材料と簡単な調理方法では誰も頼まない。最初は物珍しさで注文するかもしれないが、ここは少しお高い店だ。だから調理方法さえ知ってしまえば家庭でも作れるし、真似をして販売する者だって出てくる。ここより安い値段でだ。

一過性の利益は出るかもしれないが、後に軋轢を生むかもしれない。ボッタクリと言われ常連がいなくなる事態もあり得る、との事だ。

確かにその通りだ。それに安易にメニューを増やすと仕入れや仕込みといった作業時間も増える。それに定番メニューが、その分、出なくなる、といったデメリットもある。メニューを増やす方向性は無しだな、ルーガさんの力になりたかったのに…。

もし、ピザを出したら利益も出そうだし、人気になりそうだな。まあ竈や、季節物の材料のトマトといった問題があるから難しいか。このアイデアもダメだな。


とりあえず、今日のとこはここまでにして、明日また考える事になった。明日を臨時休業にし、試行錯誤するとの事。

なので、今度こそ汚名返上してみせる!



~翌日~

朝ご飯と身支度を済ませた僕達は早速、対策を練る事にした。ルーガさんは兼ねてより、女性客、高齢層といった新規の客層を開拓したい、といった意見が出た。言われてみると、来店客はほとんどが男性ばかりだ。女性の立場からすると同性のお客が恋しくなっても無理はないか…。


僕も新規層の開拓には賛成だった。新しいアイデアが一晩で思い付かなかったのもあるが、今まで常連だったお客は僕の素性を知ったから来なくなった。なので、僕の事を知らない人達を呼び込んだ方がてっとり早いので、良いと思う。

まあ、新規のお客の立場にしてみれば騙し討ちみたいな形なので、少し罪悪感はあるが目を瞑ってもらおう。


そこからは二人で話し合い、具体的な案を詰めていった。店内のレイアウト面では殺風景だった空間に花を活けたり等、華やかにする。テーブル席はテーブルを女性や年配の方の背丈に合わせたワンサイズ低い物に変更する。小物を入れられる籠とベビーベッド、子供用の椅子の設置、ひざ掛けの貸出し、といった具合に決まった。サービスの手間が少々かかるが、一度設備投資してしまえば、お金がかかる事は無いので思い切って買う事になった。


メニュー面では、サイズの増減を見直す事にした。今までは普通盛りと大盛りの2種類のみだった。(大盛りは普通盛りの1.5倍で価格も1.5倍)

今度からはハーフサイズも実装する。これにより、従来の普通盛り1品の価格で2種類のハーフサイズの料理が来るので、料理のシェアも出来て客の満足度も上がる。

ハーフサイズは先述したように0.5倍の値段にした。(本当は作業効率や利益率を考えると、ハーフサイズは0.6~0.7倍の値段にしたかったが、この世界の貨幣価値の都合で0.5倍の設定しか出来なかった。量を減らす案もあったが、それだと食べ応えが無いので、止めといた。)

そして、大盛りは値段は据え置きで量を1.6~1.7倍に変更する事で、少しお得感を出した。



ルーガさんに補足してもらった部分もあるが、ほとんどは現代知識から出したものだ。現代知識といっても素人の考えだから成功するかどうかわからない。いや、成功する! 成功しなければいけないんだ! 


これで、ルーガさんの役に立てたかな?

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