誕生の日
今日は僕の誕生日。
鎌倉では僕の誕生日を祝うために大勢の人待ってくれている。江ノ島線で鎌倉についたころ僕の気持ちは高揚していた。ここの街はいつ見ても綺麗に整っている。昔鎌倉幕府が置かれていた名残がそうさせているのではないか?と思う。街を歩く人よりも1.5倍速で家に向かっているとズボンに入っていたはずの鍵が服の摩擦でポケットが上がり落としてしまった。丁度スーパーの前を通りかかった時だ。近くにいた身長170cmほどの女性(あとで分かったが佐々木さんと言うらしい)が鍵を拾い上げて僕に渡した。危ない、危ない。今日は僕の誕生日なのに危うく鍵をなくすところだった。家は駅から10分ほど歩いたところで、マンションだ。僕はウキウキする気持ちを抑えきれずに階段を二段飛びしたりしながらついに家についた。家に入るときはいつも背筋がピンとなる。ゆっくり鍵を開けると、そこにはまだ誰もいなかった。「なんだ、いないのか・・・」ゆっくり部屋を見渡すと棚には家族の写真が飾ってある。みんな笑顔でいい写真だ。祖父に、祖母、父に母、姉に僕だ。みんな買い出しに行っているのだろうか。冷蔵庫を開けるとケーキに名前プレートが刺さってあった。“さとる誕生日おめでとう”そう書かれている。
プルルルルプルルルル
不意に電話がなった。こんな日に誰だと見るとバイト先の店長だった。
「はい」
「あーさとし君、明日シフト代わってもらえないかな?」
「明日ですか?いいですよ。ちょっと今取り込んでいるので詳しい話はあとでお願いします。」
「ほんと!ありがとう。分かった分かった。じゃああとでね」
電話を切って暫くすると和気藹々と男女6人がこちらに向かっているのが聞こえた。
僕はにっこり笑うと驚かそうと思いドアの後ろに隠れた。




