第50話 冒険は続く
「ミーナ、行くよ」
「はい」
ミーナは眺めていた本を閉じて、荷物を担ぐ。
眺めていたのは結婚式の様子を収めた魔道具だ。
俺とミーナの結婚式は、盛大に行われた。
学友や冒険者仲間、村の皆、そして、なんと師匠や先生も駆けつけてくれた。
たくさんの人々に祝われ、素晴らしい式になった。
師匠と先生は今大型ダンジョンに挑んでいたんだけど、先生が子供が出来たために、一時休暇をもらっている。
大型ダンジョンに挑むとなると、有力なパーティが幾つも集まって構成される。
もし挑み始めたら数年はかかることを考えて、ここを家族を作る時間と考えての決断だったそうだ。
いずれは俺たちも考えていかなければいけない。
子供ができればやはりしばらくは本格的な冒険は難しくなる。
特に夫婦が共に冒険者の場合は余計にだ。
冒険者に戻るかどうかは、この子が育ってから改めて考える。
そう大きなお腹に向けて話していた先生の顔は、すっかり母親の顔になっていた。
師匠はまだ生まれてもいないのに既に親ばかになっていて、もし女の子だったら、どっかの義理の父みたいになりそうで苦笑いが出た。
学友たちはすでに頭角を表してそれぞれの場所で頑張っている。
その話を聞くだけで、世界は広いなと感じる。
冒険者仲間も最近は新大陸の噂で持ちきりだった。
外海から帰った冒険者が、未知の鳥型モンスターと戦い、どうやら新たな大陸がある可能性が示唆された。
未だ人が踏み入れない未開の地にどんな冒険が待っているか……
想像するだけで胸が高鳴った。
今度大規模な開拓隊が編成されるらしい。
俺とミーナ、ノア、全員一致でその隊に志願しようということになった。
危険な旅なので、回復系魔法が使える俺達は重宝されるだろう。
愛する人と、ノアと共に、俺の冒険の旅はまた新たな1ページを捲っていく。
どんな冒険が待っているのか、考えるだけで鼓動が早まる。
ノアと、ミーナ、俺は、自分の人生を精一杯冒険して生きていくんだ!!
まだ見ぬ冒険を目指して……
すみません……これ以上引っ張っても、良いものが生まれる気がしませんでした……
すこし、不本意な終わらせ方になってしまいました。
これからももっと努力していい作品を生んでいきたいと思います。
もしよろしかったらこれからも他作品を含めよろしくお願いいたします。