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猫好き冒険譚  作者: 穴の空いた靴下
第二章 王都学園編
34/50

第34話 再会と開花

「ミーナ? ダスおじさん!」


 なんと、在校生として入学式に出るために寮をでたところに、ミーナとダスおじさんが待っていた。

 正直ミーナは成長していてすぐには気がつけなかったけど、そんなミーナに興味津々な生徒たちにすごい顔で睨みつけているダスおじさんで確信できた。


「久しぶり、カイト……」


「ミーナ、やはりここは危険だ、俺の可愛いミーナに色目を使う男ばかりじゃないか!」


「お父さんは黙ってて」


「はい……」


 ダスおじさん、相変わらず……酷くなってる?


「カイト、げ、元気?」


「うん、手紙で書いた通り、必死にやってるよ!

 いやー、ミーナは見違えたね、一瞬わからなかったよすっごく綺麗になったね!」


「にゃーー!」


 ノアも同意みたいでミーナの足にすり寄っている……


「……カイト、本当にカイトなの?

 なんでそんなセリフがスラスラ出てくるの?

 ねぇ、もしかしてか、彼女とか出来て学園生活をめいいっぱいえんじょいしてたりするのかしら?だってカイトもすっかり男の子じゃなくて成長して、すごくかっこよくなってるもんね、そうよね、彼女の一人や二人ぐらい出来たっておかしくないわよね、ねぇそうなの? ねぇ? ねぇ?」


「ちょ、ちょっとまってよ、彼女なんていないよ「ほんと!?」……リカ「リカァ!!!?」……先生が「ああ、先生なのね、良かったわ。リカ、リカ先生ね……」……ミーナ?」


「何かしら?」


「ダスおじさんに似てきた?」


「え? どこどこどこらへんがうちのまなむすめそっくげふぅ!!」


 嬉しそうに間に入ってきたダスおじさんの下腹部に鋭い一撃が……み、見えなかった……


「ってことは、き、綺麗っていうのは、カイトの素直な感想ってことでいいのよね?」


「ああ、うん、リカ先生が褒められて嬉しくない人はいないから素直に伝えたほうが良いって言われてたから……ごめん、迷惑だったかな?」


「そんな! そんな事ないわ、とっても、ええ、とっても嬉しい。

 カイトがそんな事言うからびっくりしちゃった……」


「さすがに12歳のままじゃないよ! 酷いなぁミーナは……って、そういえばなんでミーナがここに?」


「実は……」


「ミーナはな、聖女になったんだ!!」


「聖女?」


 ダスおじさんはようやく回復したのに、寸分違わず同じ位置に打撃を食らって完全にダウンした。

 ノアが不憫に思って回復してくれている。


「……たぶん、ノアちゃんのおかげなんだけど、15歳の鑑定で、私もギフトが発現してたの。

 読めないんだけどね、それから回復系の魔法の使い手になったんだけど、学園で学んだほうが良いレベルだってベネス神父とガーランドさんが……」


「それって凄いことじゃないか! おめでとうミーナ!」


「ありがとうカイト!」


 始めてきちんと素直に微笑んだミーナの笑顔は3年前の面影が残っていた。

 本当に綺麗になった。

 腰ぐらいまで伸びた髪はこんなに美しい黄金色だっただろうか?

 大きな瞳に美しい青い瞳、肌は驚くほど白く、あの村で過ごしていたのに、なんていうか田舎じみていない、貴族の娘と言われれば納得してしまうだろう。

 入学式のための落ち着いたドレスがさらにその美しさを引き立てている。


 そういえば、この3年そういう浮いた話とは無縁だなと気がついた。

 まぁ、俺はこの学園では年が若い、ようやく3年目というのにまだ15歳、同期では少しそういう噂も聞いている。一方俺はノアとべったりで修行の日々を過ごしていた……

 随分とこの体には馴れてきて、心も身体に引っ張られ気味で、以前みたいにまわりが子供に見えたり、おっさんじみた考えはなりを潜めてきたが、そうなると、これくらいの年齢で3個位上の人達ってすっごいおねーさんおにーさんに見えるようになって、それはそれで恋愛対象になりづらい……

 それもあって、久しぶりにあって綺麗になったミーナは、ちょっとドキッとした。

 しかし、冷静になれば、ダスおじさんだ。そう、ダスおじさんなのだ……


 それから村の話を聞きながら一緒に入学式の会場へと向かった。

 ダスおじさんはブツブツ言っていたが、ミーナの一睨みで大人しくなった。

 強くなったなミーナ……

 ノアがとてもうれしそうにミーナに甘えていたので、少し嫉妬した。


「昔はカイトの話がよくわからなかったけど、自分で回復させる事になって、本当にカイトは凄いんだなって気がついたの……」


「そう言えば小さい頃色々請われて医学や解剖的な簡単な話を良くしてたね……」


「それに、カイトと似た謎のギフトももらえて、きっとノアちゃんのおかげね!」


「にゃあーん」


 なんか、甘え方が激しくて……嫉妬……

 どうやら自分と同じように日本語のギフトなんだろうなぁ……

 俺が森を徘徊している時にノアはミーナが世話してくれていたし、もしかしたらその時に何かが起きたのかもしれないなぁ……

 俺もノアと出会って全てが変わった……

 もしかしたら同じく幼かったミーナにも何かが起きたのかもしれない。


 入学式でもミーナは話題になっていた。

 確かにこの学校、きれいな人もたくさんいるけど、みなどちらかと言うと、かっこいいと言うか、強い女性が多い、その中でミーナみたいなタイプはちょっとめずらしい。

 そして、驚いたことに、ミーナはSクラスへと編入された。

 治癒能力の圧倒的な力が評価されたのだった。


 そして、自分の治癒魔法が忘れられていることも発覚した。





 



 



2019年もありがとうございました。

2020年が皆様にとって素晴らしい年になることを祈っております!

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