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猫好き冒険譚  作者: 穴の空いた靴下
第二章 王都学園編
27/50

第27話 入学テスト

15歳という年齢ミスが有りましたが、12歳です。

以前にもミスがあるかも知れません。申し訳ございません。

 とにかく学園は規模がものすごかった。

 想像以上にあの塀の内側は広かった。

 そして、生まれてはじめて王様というものや貴族と言われる人たちを見た。

 父さんと母さんはガーランドさんがいなければ緊張のあまり倒れていただろうな……


「……カイト……立派だったわ……」


「カイト、達者でな……」


 それだけ言い終わると気絶してガーランドさんに担がれて村へと帰っていった。

 学園長は王様と同格っていう話には驚いたけど、今はそれよりもこのあと控えているテストに向けてしっかりと身体を温めておかねばならない。


 王族や貴族、それと入学前から功績を上げている人間はクラス分けが済んでいる。

 入学に足る実力があると一定以上の人間からの推薦があった人々は、入学テストの結果でクラス分けがされる。


「ねぇねぇ、君テイマーなんでしょ?

 可愛いよねその子、入学式の格好も可愛かったけど、その格好も可愛いね」


 はい、味方。誰がなんと言おうとノアの可愛さが分かる人は味方だ。

 運動場で身体を動かしていると声をかけてきた女の子、と、言っても年齢は年上だろう。

 高校生……16~18くらいかな?


「はじめまして、この子はノア、お、僕はカイトです」


「ああ、ごめんごめん。私はフォッセ、フォッセ・ラスベリア。16歳、中等冒険者だ」


「凄い! 四つしか違わないのにもう中等冒険者!」


「ははは、まぁ師匠がスパルタで、それについて言ったらいつの間にか、な」


「師匠もいるんですね! 僕も素晴らしい師匠がいます!」


「す、素晴らしい……うん、ある意味素晴らしいんだが、まぁいいや」


 あらためてフォッセさんを見ると……なるほど素晴らしく鍛え上げられている。

 女性としては長身な身体としなやかな筋肉、多分とても優秀な斥候と……短剣や弓使い……

 師匠が厳しく鍛えていることが見て取れる。

 なんというか、気持ちのいい爽やかな印象を受ける。

 短い赤毛と少し吊り目、スッキリとした顔立ちと口調がとてもマッチしている。


「君が平民からの最年少中等冒険者フォッセさんか、噂は聞いているよ」


「ふふん、その体躯に巨大な盾……鉄壁のガイア……ほんとに2つしか違わないのかい?」


 二つ名持ち! フォッセさんの2つ上なら18歳か……


「ガイアさんはじめまして、キース=カイト、12歳で準冒険者です」


「ああ、はじめまして。いや、なに、その、頭の上の子は君の従魔かい?」


 ちらちらとノアを見ながら尋ねるガイアさんはなんだかバツが悪そうだ。


「はい、ノアといいます。こう見えて、すごく強いですよ」


「ほう、そんなにかわい、ゴホンゴホン、おおっ! 小さな勇者殿……」


 ノアが足元に降りて身体を擦り付けると、目尻が下がった事を見逃さない。

 この人もいい人だ。


「あーずるいー、ノアちゃんおいで」


 フォッセさんが両手を広げるとノアがすっとその腕に包まれる。

 ほうほう、引き締まっているが、豊かでもある。哲学だ。

 ノアも撫でられて気持ちよさそうだ。


 それからしばらく色んな人から挨拶されたけど、みんなノア目当てだった。

 わかる、わかるよー。


 それらが落ち着くと、よーく身体を解してその時を待つ。

 軽く周囲を見渡しても、皆が、只者ではない様子が感じられる。


「それでは、入学テストを開始する。

 それぞれ渡された色のマントをつけた試験管の前へと移動せよ」


 俺のカードは赤、フォッセさんは黄色、ガイアさんは青だ。

 別れ際にフォッセさんがノアを撫でると、ぎこちなくガイアさんも撫でていった。


「まずは場所を移動する」


 赤いマントを付けた試験管について歩くと少し広い部屋に出る。

 正面には人形のカカシが立っている。


「私の名前はゲート=コルツィ、君たちの実力を視させてもらう。

 まずは魔法からだ。自らの実力を示す魔法をあの人形に使ってもらう

 まずは一人目!」


 なるほど、どうやらあの人形は魔道具になっているようで、皆が得意な魔法を放つも傷一つつくことはない。コルツィ教師は何やら手もとの道具を見て記入している。

 回復魔法とかでも良いらしい。


「つぎはカイト」


「あの、ノアと一緒でいいんですか?」


「構わない、従魔と力を合わせて君の実力だ」


「わかりました! ノア! アレやるぞ!」


「ニャーン!」


 魔法に詠唱は必要ない、イメージして魔力を練って放つ。

 イメージングに言葉を口にする人も居る。その方が威力が上がることもあるみたいだ。

 俺とノアはお互いに相反する魔法を並行発動させる。

 火と水、風と土、陰と陽、燃え盛る炎が人形を包み、荒ぶる風が炎を勢いづかせ、凍りついた土の槍が地面から人形を貫いた。

 

「ほう……報告は偽り無いのか……威力もなかなか、これはこれは……」


 回りの人々も結構驚いていたんだけど、次の人のおかげで消し飛んだ……


「爆炎よおおおぉぉぉ、爆ぜろおおおおおぉぉぉぉぉ!」


 教室全体が揺れた。熱風は俺たちに迫る前にかき消えたが、俺達のコンビネーションでも傷一つつかなかった人形は跡形もなく消し飛んでいた。


「流石は炎神の生まれ変わりと呼ばれているローレウス=ヴェルウェル……」


 コレが、全属性と特化属性との越えられない壁だった……


 

読者の皆様に素敵なクリスマスが訪れますように。

私は朝一でドラクエウォークから何もらえるのかが一番楽しみです。

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