4、女神様からの恩恵
現実は厳しい。
俺は今頭がいちゃてるとしか思えない7人を前にしている。そいつらは全員モヒカンでそれぞれ違う髪色をしている。右から赤、朱、黄、黄緑、緑、青、紫と丁寧にも虹と同じ配色だ。いや別に虹にしたからって奇麗じゃないよ?格好も筋肉モリモリの半裸を晒しながらサスペンダーとかつけちゃって、オシャンティー(笑) 。そんな奴が7人。一応格好とか雰囲気で多分盗賊かサーカス団員のどちらかだう。うん、絶対そうだ。
「ヒャッハー!おい聞いてんのか!?ア”!?さっさと消えろって言ってんだろう」
「ヒャッハー!兄貴この女かなりの上玉ですぜ」
「ヒャッハー!そうだな、こんな良い女は久しぶりだぜへへへへ」
そう言って男は下賎な笑いを浮かべた。1000年経ってもこういう奴らはいるんだなーと哀れむような、安心するようなそんなことを思った。
「まぁまぁ、ヒャッハー兄貴よ今回は俺に免じて見流すわけにはいかないかい?」
「ヒャッハー!誰がヒャッハー兄貴だ、おら!ぶっ殺すぞクソチビ!」
「じゃ、見逃してくれないんだな?」
「ヒャッハー!当り前だろう?兄ちゃんどうしたービビって動けないんか?なら俺達が三途の川に送り届けてやるよ!」
そう言い放つと男たちの5人はこっちに来てのこりの2人はエルシアに襲いかかった。
「人と言うものは変わらないものだな。逆に感心するよ」
そう言い残すと俺はとりあえずいちばん強そうな赤やろうの前に移動する。まぁ、強く蹴りすぎると地面が壊れるからかなり弱めだけどね、それでも並みの奴にはまるで瞬間移動したように見えるだろうけどね。
「う”!?」
うん、ビビったね。そのままがらあきのボディに右ストレートを叩きこんだ。
「うああああああああああ……アレ?痛くねぇ」
はぁ?え?え?ええええええなんでまじで?うそーん結構強く打ったよ!ううん…女神様にもう殺しは出来ないようにしてもらったから試してみたんだがな、鑑定のスキルで見てもまさかのノーダメージ。いったいどうなってんだ?
「ヒャッハー!こいつ驚かせやがって、ぜんぜんたいしたことねぇぞこいつ、おまえら一斉にたたみかけるぞ!」
「ヒャッハー!兄貴わかりやしたで!」
そう赤い奴が言うとそれぞれ武器を俺に振りかざしてくる、俺はそれを上に飛びかわす。そして考える。
何故ダメージが無かったのか。
考えうる事はアイテム、加護、そしてなんらかのユニークスキル。たぶんこの三つだと思う。でもこいつら、上半身は裸だし手持ちの武器も見る限り特別そうには見えない。試しに鑑定と、ううん〜やっぱり普通のものだ、じゃ加護があるのかな、ほいっと、次は盗賊たちを鑑定で見てみるが、加護は見えない。まじか!俺のスキルは孤高の補正で絶対成功で100%以上の効力が出る。だから加護ないのは間違いない。
そしてユニークスキルだが、これは俺の鑑定スキルでは見き分ける事が出来ない。でも、ユニークスキルを持つ者には共通点がある。それは強いこと。それはもう群を抜いて強いから戦えば分る。前戦ったユニークスキル保持者は相当強かった。でも勝ったけどね!そいつも今では友達…でもそっか今は1000年後だからもう会えないのか……今は気にしない気にしない!とりあえずは戦えば分る。なら!
そして俺は防御魔法を発動させてあいつらの攻撃を迎え撃つことにした。
「ヒャッハー!こいつよくもかわしやがったな!でもこれはかわせまい!死ね!」
5人が武器を大きく振りかぶり同時に振り下げる。それを仁王立ちでうける。ガキンっと金属と金属がぶつかり合ったような音がする。
「なぁ!?こいつ武器を折りやがった。!」
「こいつの体まるで鉄のようだぜ!?」
「おおお俺の、俺のキャサリン(剣)がーー!お前絶対許さん」
「てめぇ、一体どんな手品を使いやがった!」
「うふん~もうこんなにカチカチ(意味深)して。いいわよ?」
こいつら…弱くね?攻撃も軽すぎるし、防御魔法を使ったのも分ってないよだし、2人なんかおかしなやついるし…俺にはこいつらがユニークスキル保持者には見えない。なら何故こいつらにダメージが無かったのか訳が分からない。取り敢えず今度は魔法で攻撃してみる。
「シャイン」
そうすると俺の手から光の柱が無数に降り注ぐ。敵貫通して地面に当たるが光は地面に吸い込まれるように消えていく。
「ヒャッハー!うそだろ無演唱魔法だと」
「やられた…アレ?また痛くもかゆくねぇ…わかったぞお前幻術使いだな、ならさっきの事も説明がつく。ヒャッハー!これでお前の秘密は割れた。もうお前には勝ち目はないぞヒャッハー!」
「もう何やってんのよ!アンタ派手なわりには全然聞いてないじゃない!ほらいくよ"フレイム"!」
エルシアはとっくに2人を倒したようだ。なんか後ろで縄でグルグルにされてる…頼もしいな。そんな頼もしい彼女から援護射撃は5発中3発命中そして戦闘不能。
フレイム:手のひらから感圧式爆弾の火の玉を出す。
無演唱であの威力は流石だが、それでも俺の方が確実に高威力なんだがな、ダメージが入ったのは何故だ?訳がわからないよ。
「すまん!助かる。」
「ヒャッハー!あのあまよくも仲間を!絶対許さんぞ」
「うるさい!あんた達が先に攻めてきたんでしょう。」
そう言うと盗賊らしき男がエルシアに武器を振り攻撃を仕掛けるが、それを見事な身のこなしでかわし、体勢を崩した敵の首によく見る首にトンってやるやつで相手の意識を奪う。これは魔法師の動きじゃない。なにかの武道的な技術かもしれない。
「緑!!てめぇよくも、絶対ぇ許さねぇ!ヒャッハー!血祭りにあげてやる」
こいつら頭の色で呼び合ってんのかよ、マジかこいつら恰好だけじゃなく名前のセンスもないのか。それはそうと俺も何かしなきゃな
「魔力工作:ロープ」
「魔力工作」それは魔法の源である魔力だが、イメージした形にすることもできるのだ。ロープの場合なら細い糸を何本も作りそれを螺旋状に求めると、見事な太さのロープが出来上がる。色は等しく透明だがな。この技能はめちゃくちゃ高難易度だがそれはやっぱり孤高の力で出来ちゃうからね。しかも一瞬でな。しょうがないよね
「ヒャッハー!なんだこれ!ロープ?お前どこから持ってきやがった」
「じゃ、"スタン"」
スタン:状態以上系の魔法。効果は麻痺効果。普通は長くて10分ぐらい。
「ほへ!」
魔法をかけると男は気の抜けた声を漏らすと気を失った。良かった状態異常は効くみたいだ。
「大丈夫?アンタって、このロープ魔力工作スキル!?嘘!しかもこんなに高質なロープ…私だってまだ魔力工作なんて出来なのにそれをアンタはあーも簡単に…一体何者なの?」
「あーうん。それはその辺に置いといて、こいつらどうしようか?」
「そこ置いていい事じゃなと思うんですけど…け素情も知らない相手でもそこまで話せない?それでもさ名前ぐらいは教えてくれないかな?」
「いやそいうつもりじゃなかったんだけど、すまない。えーとそのー名前はだなグリム・クラエル…だ。よろしく頼む」
「はい、ありがとう。よろしく。えーとこいつらだっけ?近くに町があるからそこの詰め所にでも連れて行けばいいんじゃないかな。」
「わかった。なんて言う町なんだ?」
「竜の守る町バーミリオン」
「バーミリオン?知らないなどういう場所なんだ?」
「う~ん。昔竜を助けてそのお礼に町に竜の加護を受けたっていう伝説のある街よ」
「へっへぇ~そうなんだ~…」
その話、身に覚えしかないんですけど、どうしましょう?
テストなんてこの世から無くそうよ。