1、始まるよ。
この世界は、日本とは違うがとても似た世界、所謂平行世界というやつだ。地形だけで言えばまったく変わらないので星だけ見たら見分けがつかないのだろう。それでもこの世界には決定的に違う点があった、それはこの世界には「魔法」という物が存在している。人々はその魔法を利用し、火を起こし、水を生み出し、重い物を運ぶ、争い事もありはするがそれでもいい感じの生活を暮らしている。
そんな中…この世界には魔物という凶悪な存在もいる。魔物は1つだけだがそれぞれ魔法を使うことが出来る生き物である、魔物は、魔法を使うのに必要な魔力が空気中に漂いそれが結晶に変化し、そこから更に魔力を浴びる事で結晶は魔石へと変化する。すると、魔石は貯めこんだ魔力で肉や血、臓器を作り出し魔物として活動ができる様になる。
それが魔物である。
魔物は魔石の形状や大きさ、溜め込んだ魔力の量、種類によって変化する、魔石が球体なら補助や防御の魔法、尖っていれば攻撃系の魔法、魔石が大きければそれだけ強力な魔法を撃てる様になるが消費する魔力が多く要求されるが、魔石に変化する間に溜めた魔力の量が魔物自体の最大魔力値になるため時間をかけ作られた魔物は多くの魔力を有する強力なものになる。他にも産まれる場所によっては過酷な環境を生き抜くためにそこに適した体になるため特殊な個体も産まれる。特殊な魔物の中には体が燃えたり、水だけで出来た固体もおり特定の対処が必要になりその分厄介になる。そんな魔物であるがその脅威は群れになると村や町に攻め込むようになるほど凶暴になることにある。魔物は群れになると必ずリーダ格である個体がおりリーダは基本的に能力、知性共に高く100程の群れを完全に把握しコントロールする。それはまるで軍隊のそれである。
そんな奴らが攻めてきては人たまれもないだろう。だが、人間だって馬鹿じゃない、魔物に対抗するためにある組織を作った。その組織は世界中で作られ次々に魔物たちを駆除していき、魔物による被害は劇的に減少していった。それらの組織は総じて「ギルド」と呼ばれ、そこで魔物を倒す人たちを世の中の人たちは「冒険者」と呼び、冒険者は村や町に収めら税金を貰い魔物を倒す。
冒険者は剣の使い手や武術の達人、そして、強力な魔法を使えるもの、そんな実力者が冒険者になるが、その中でもソロ最強と言われる者がいた。彼は剣術、武術、魔法、基本能力値全てにおいて常人では到底及ばない。彼はいつもたった一人で魔物の群れに突っ込み全滅させて帰ってくる。彼は何時も剣を持ち歩き、頭には帽子をかぶっている。そこから彼は「帽剣者」とか「ソード・オブ・ハット」とかアホみたいな名前が付いているが、彼を説明するのはすごく簡単な事だ。それは「世界最強の男」それだけ言えば皆が納得し、少し興奮気味に自分の知っている彼の逸話を話し出す。
そんな彼であるが今、生まれて何度目かの死の恐怖を感じ空を見上げていた。
白米っていいよね。