9話 ギルマスとの対面
今回も短いです。
鍛冶屋を出て冒険者ギルドに向かったときには、暖かい光を出している太陽が真上にあった。俺は亜空間からパワーラビットの串焼きを取り出した。亜空間は時間が止まっているから、出来立ての状態のままだった。だから美味しく食べることが出来た。ちなみにマップのスキルを使ったら創造魔法で作る空間は亜空間だとわかった。
「お、あったあった」
串焼きを食べ終わった頃には冒険者ギルドの看板が見えてきた。3本しかない串焼きでは腹は満たされなかったが、今はお金に余裕がないのでそれで我慢することにした。
ギルドの前に立ち扉を開けるとき妙な緊張感が俺を襲った。数日後に来るとかっこつけて言いながらお金がなかったとか恥ずかしすぎるだろ……
そんなことを思いながら俺はひっそりと扉を押し、カウンターまで行った。
「御用件はなんですか……ってヒカリ君じゃない……そうだ、ヒカリ君が来たら部屋まで呼んでってギルドマスターがいってたんだった。ということで連れていくわよ!!」
「あっ、ちょっ……」
俺は話す暇もなくラミに連行された。
時は遡りヒカリがギルドを出ていった頃…
「ハア…」
「どうしたの?溜め息なんかついちゃって」
「ああ先輩…今さっき私が対応していた子がいたじゃないですか、あの子カッコよかったですよね」
「まあ、確かにそうだけど……あなた狙っているの?……ダメとは言わないけどやめておいた方がいいわよ。あの子結構モテそうだから……」
「そうですかね……」
受付嬢たちが雑談をしていたとき受付嬢たちの後ろから迫り来る影があった。
「おい!お前ら何を話している。業務中は静かにしろ!」
「「…!?ギルマス」」
「だから静かにしろって言っているだろ!」
「「スミマセン…」」
2人はしょんぼりした様子で謝った。
「反省しているから許す。ところで普段静かなラミが何を話していたんだ?」
「さっき来た男の子の話を…」
「男の子?」
「はい…カッコいい男の子で冒険者登録をしに来たんですけど、まだ若いのに物凄いステータスで…」
「物凄いステータスか…で、どれくらいだったんだ?」
「えっと…まず職業が|魔神(..)で、そして…「ちょっと待てーい!」何ですか?」
「魔神ってお前…魔法職最強のジョブだぞ!」
「まあ最初は驚きましたけど、あんな若い子だから他にももっといるのかな~って思って…」
「いねぇーよ!!魔神は今まで1人しかいない。それも勇者でこの国の初代国王ケンジ様のジョブだ。今度来たとき俺の部屋に連れてこい」
「は、はい!」
「ギルマス、連れてきました」
「入れ」
「失礼します」
俺がラミから連れてこられた場所はどうやら2階のギルドマスターの部屋のようだった。連れてこられる途中に触れていた手は柔らかかった……………おい、そんな世界記録を越えるくらいの速さで石を投げるなって。
気を取り直して、何で俺がギルドマスターに呼ばれないといけないんだ?俺が思考モードに入っている時ギルドマスターが口を開いた。
「取り敢えず座ってくれ」
俺はギルドマスター言われて高そうなソファーみたいな椅子に腰かけた。
「キミがヒカル君か?」
「ああ、そうだが」
「突然呼び出してすまない。今日はキミと話がしたくて呼ばせてもらった」
俺は呼び出しではなく連行だろと言いたかったがそこはこらえた。
「では、まずキミに質問をしたい……キミは何者なんだ?」
ラミはヒロインではありません。と言っても結構出ます。