8話 鍛冶屋のドワーフ
短いです。
ギルドを出た俺はまず物資を調達をすることにした。
「お楽しみのモフモフは後に取っておきますか…
冒険者に必要なことと言えば、武器、食料で回復薬、入れ物、地図は魔法があるからいらないか。
それじゃあ、まずは道具を集めようかな。商業街だからすぐに集まるかな……」
俺はマップを開き、道具屋を目指して歩き始めた。
「ちょっと、そこのお兄さん!黒髪黒眼のお兄さん」
ん?俺の事かな?
と思い声の発信源の方を向いた。屋台で25歳くらいの人がこちらに手招きをしていた。俺はそこに行くことにした。別に急いでいるわけでもないしね。
「やっと気付いてくれた」
「なんですか?」
「黒髪黒眼って珍しいね。しかも珍しい服…どこの国の出身だい?それはおいといて、お兄さん男前だからこれ上げるよ」
俺は焼き鳥みたいな食べ物を受け取った。まともな料理を食べるのは久しぶりだ。あの森にいた時は採ったものを焼いて食べていたからな~。焼くだけだとスキルは手に入らなかった…
「これは私が作ったパワーラビットの串焼きだよ。捕まえて時間があまりたってないパワーラビットの肉と、特製のたれを使っているから他の店にはない味だよ」
パワーラビットて何だ?まあそれは後で分かるだろう。
「うん、いい匂い。匂いだけでも旨いことがわかるよ」
「でしょでしょ。今食べてみてよ」
俺は串焼きに噛り付いた。
こ、これは、肉の臭みがなく淡泊な味をさらに特製のたれが上手く引き立てている。
美味い。
「これはうまいな、あと三本買うよ」
「まいどあり。750デニだよ」
俺は銀貨を1枚渡した。
「えーっと…銅貨95枚と鉄貨50枚のおつりだよ。銀貨を出すから計算が大変だったよ」
「それはすまなかった」
どうやらこの世界では計算の技術はあまり進んでいないらしい。これは計算チートも夢ではないかもしれない!!
「また買いに来るよ」
「それはありがたいよ」
俺は別れを告げその場を離れた。その後串焼きがすぐになくなり後悔したのはまた別の話。
5分後…
「マップだけでは限界がある……これじゃあ、どこの店がいいか分からない。ラミにおすすめの店を聞いておくべきだったか、でも路地裏とかにある店とか良さそう。意外といい店は隠れていると言われれるから」
というわけで俺は近くの路地裏にある鍛冶屋を目指した。え?物資調達はどうしたかって?それは後回しにした…武器優先とか子供かよとか言うな!
「ここで良いよな…」
不安になるのも当然で、そこは表現しがたい感じの建物だった。
中を見た限り武器も並んでいたし、THE鍛冶屋みたいだな。後は外観がね…よし、まずは中に入ろう。
「すみませーん…誰も居ないのか?すみませーん!!」
「デカイ声出さんとも聞こえとるわい!」
奥から140cmくらいのゴツいおっさんが出てきた。
俗に言うドワーフだな。ゴツくて本当に小さいんだな…酒好きなのかな…。
「なんだ小僧。ここは初級冒険者のような奴が立ち入っていい場所じゃねえ。さっさと帰りな」
「剣を売ってくれないのか?」
「さっきも言ったろうがここには上級者のような奴の武器しかねえ。わしが認めん限り剣は売らん」
「どうやったら認めるんだ?」
「そうじゃ、素振り、素振りしてみろ」
なんだ、それだけか。ここはかっこよく木刀を振って…いや、やめておこう。この人はそんなこと評価しないと俺の勘が言っていた。
俺は木刀を正面に構え刀を振った。
「っ……!おい小僧その刀術誰に習った!今までで一番の剣筋だ。よし小僧お前に剣を売ってやる」
「でも俺が使うのは刀だよ。ここにあるのか?」
「何言ってやがる、ここは鍛冶屋だぜ。ないなら作ればいいじゃねえか。金貨2枚で打つ。2日後に取りに来い、それまでに仕上げておく。今から刀を打つからさっさと帰れ」
俺は物資調達は諦め、金を調達することにした。
2日後にできる刀に期待の気持ちを込めて、冒険者ギルドに向かうのであった。
「今思ったけど物資て魔法で作ればいいじゃん」
そんなことに気づき、先に鍛冶屋に行っておいて良かったと思った。