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チートスキルで異世界無双  作者: 幸 日月
11/11

11話 宿の珍味

「ここが『銀の夕暮れ』か。」


  俺の中の異世界宿のイメージが粉砕された。なんかこう、もっと小汚いイメージがあったけど、この宿は外観からも綺麗さがオーラのように滲み出ている。そもそも汚かったら客も寄り付かないか......

  とりあえず入って見て、良かったらここにしよう。いまは金銭的に困ってないし少し高いくらいなら決めようと、俺は決めていた。





「いらっしゃいませ。何日お泊まりですか?」


  入るや早々元気な声が耳に入ってきた。よく、挨拶だけでその店の善し悪しがわかるって言うけど、この元気な声でなんとなくわかった気がした。


「取り敢えず3週間頼めるか?」

「はい、3週間のお泊まりですね。朝、夕食付きで一泊2000デニ、合計銀貨3枚と銅貨60枚です。先払いでお願いします」


  俺はお金を渡した。

  朝、昼食付きなのは嬉しい。でもなんで銀貨3枚と銅貨60枚なんだ。地球と違うシステムがあるとか?

  やっぱり単純に日数の違いだろうか久しぶりにマップに聞いて見るか。


 Q 1年は何日

 A 360日の12ヶ月、1ヶ月は5週間の火、水、風、土、光、闇の6日です


  そうだったのか……だから銀貨3枚と銅貨60枚だったのか。よく考えると、異世界だから地球と違うのは当たり前なのか。それにしても宿はきれいだし、値段は安いし、とにかくこの宿はいいとこばかりだな。ラミに聞いておいて良かった。


「お待たせしました。部屋は2階の5号室です。食事をするときはあちらでご注文してください。お支払いの際はこのカードをお見せしてください。」

「ああ」


 受付からの説明が終わり、俺は真っ先に部屋に向かった。


 着いた部屋にはソファーと机、一人用のベットが配置されてあり、埃一つないくらい綺麗にされていた。いくら異世界だとはいえ、日本円にして2000円で一泊。もう働かなくてもいいくらいの資金と売れば大金になる素材が亜空間にあるわけだし、正直言って目的がなくなったな。これから先どうしよう、やりたい事が思いつかない……と言うわけではなかった。


 まず思いついた事は

 ・地球に帰還

 ・旅をする

 ・とにかくテンプレを楽しむ

 ・他の異世界人に会う

 ・内政           


 こんなところかな……まあ、上の4つはいいとして、内政は正直言って出来るかどうかはわからない。

 そもそも内政するための資金も土地もない。というか人いないじゃん!俺、今ぼっちだよ!重大な問題だよ。地球でもそう変わらなかったけどね……それでもやっぱりぼっちを解消しないとな、結構心にくるものがある。

 これからの目標をまとめるとテンプレを楽しみながらこの世界を旅する。そしてぼっちを卒業する。これくらいだな。

 することがなくなった俺はベットで横になり、そのまま深い眠りに落ちていった。







 この街では朝の時間を告げる鐘がなる。その鐘の音で街の人たちは起き、そして街の宿でも一人鐘の音で起きる青年がいた。もちろん俺だよヒカリだよ。昨日は疲れていたようでぐっすり眠れた。久しぶりのベットだからね。今日はギルドで依頼を受けようと思っている。

 とにかく俺は朝食をとるために下に降りる。食堂に近くなるにつれて他の客が食べていた朝食の匂いが鼻に入ってきた。

  席に座りメニューを眺める。カワウのグリル......まず目に入ったのがこの料理の名前。何だこれ?カワウって何、牛の英語と似ているけど牛なのか?取り敢えずこの料理に挑戦してみるか。


「すみませ〜ん」

「はい」


 同い年くらいの子がこちらに向かってくる。受付嬢も同い年くらいだったしこの国は何歳から働いていいとかの決まりはあるのだろうか?まあ、大体わかっているけど多分ないんだろうな。

 まあ先にグリルを頼もう。


「え〜っと、このカワウのグリルを頼む」

「はい、カワウのグリルですね」


 そう言って店員が奥に行ってしまった。


 数分後

 さっきの店員がグリルをこちらに運んできた。おお、美味しそうだ。ステーキみたいな簡易的な料理だが地球には存在しない動物(マモノ)を食べるという好奇心が俺の食欲を増加させている。では、実食!!





 結論から言うと、めちゃくちゃ美味かった。秘密の調理法でもあるのか?と言うくらい柔らかくて深い味で、もう何日でも食べられそうだ。料理した人にはとんでもスキルでもあるのかな〜。そうだ、いつか俺もこれを超えるくらいの料理を作ってやろう。でも、今はまだ他にしたい事があるから先にそれを済ませないとな。楽しみがいっぱい過ぎる。

 よし、ご飯も食べて元気が出たし今日も楽しんでいきますか。


 食事が済み、席を立った俺はギルドに向かうための準備をするために、一度自分の部屋に戻った。

準備するものは、


「あ、なんもねえや......」


道具の準備が何もない俺は、心の準備だけしてギルドに向かった。

早くヒロインを登場させたい……

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