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1-4 迷宮探索Ⅰ

 「よし、今日は迷宮探索でもしてこい」


 うん。師匠は頭が随分と悪くなったようだ。


 「遂に、ボケ始めましたか?」

 「どうやったら、そう思うのかが、聞きたいな? この天才なる俺様にボケ始めただと……殺されたいのか?」

 「いやいや、今、何階層にいるか分かっています?」

 「はぁ、たかが、九十八・・・階層だろう」


 俺はその言葉に対し、本当に師匠がボケてきたのかが、心配になった。


 そもそもだ。この大迷宮。【迷宮王の試練】は百階層から成る迷宮だ。この迷宮はその名の通り、迷宮王ダンジョンマスターが設定した【試練】の数が異常なまでに多い。各階層ごとにある。だから、冒険者の間では、【腕試しの迷宮】とも言われている。

 そんなこの迷宮ダンジョン内、特に現在いる九十八階層はSランクの魔獣モンスターがうようよいる。多分、五分もしないうちにやられるだろう。


 「この階層の魔獣モンスターの平均ランクはA+ですよ。俺のランクは現在、E+。攻撃が一回、二回当たっただけで、死んじゃいますよ」

 「うーん。そうか。俺様はSSだから、そんな恐怖全くなかったからな」


 くそ。天才が!


 「まぁ、俺もそこまでの鬼じゃないし……」


 嘘つき野郎か。おまえなんか、ただの鬼畜野郎じゃないか。毎回、細剣レイピアで刺される痛みがわからんのか?


 「これとこれをやろう」


 師匠はそう偉そうに言った。そして、【虚空庫アイテムボックス】に手を入れて、なにかの魔道具を出して、手渡してきた。


 「これは?」

 「一つ目の指輪は、俺が創ったやつだ。銘でも付けたら……【転移の環】ってとこだな。俺が得意な空間魔術の一種、転移系統の術式を刻んでおいた。緊急時に転移すれば、ここ、つまり、安全区域セーフティエリアに帰ってこれる」

 「じゃあ、そっちのいかにも禍々しい呪符は?」


 俺はいかにも呪われていますと言わんばかりの禍々しい、紫色の気を発している札を指した。あれ、絶対に呪いの品だろう。


 「これは、【封印呪符】と呼ばれる、そこら辺の市場で買ったやつを強化したものだ。これは、対象に付けることで、封印と弱化させてくれる。まぁ、超強力な魔獣モンスターでもいたら、これを使え」


 ふむ。聞いた限りでは、どっちも有用そうだ。見た目を気にしなければ。


 「ありがとうございます」


 俺は礼を言って、二つの魔道具を鞄にしまった。


 そして、俺は安全区域セーフティエリアから出て、迷宮内を探索を始めた。

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