1-3 ステータス
「で、結局、技能は幾つ獲得できたんだ?」
師匠に聞かれて、俺を困る。
俺が獲得出来たのは、たったの三つだ。
【無限復活】が発動したということは、死んでしまったということだ。死ぬまで頑張って、素振りや試し打ちしたのに、三つだけじゃ格好がつかない。
「……そうか、どうせ数個しか、獲得できんかったか」
「……」
「まぁ、おいおい練習すれば、技能まではいかんでも、ちっとは扱えるようになるからな」
俺は慰められていること、以上に自分のステータスが気に入らなかった。師匠と特訓を初めてから、もう二ヶ月は経つ。それなのに、進歩が見られない。
「今日の練習は終了だ。後は地上に戻るなり、迷宮を歩くなり、好きにしな」
「わかりました」
俺は歩きながら、自分の拠点のような場所に来た。
迷宮内にいくつかある、安全区域。俺の拠点は、俺が第三区と呼んでいるところにある。師匠との訓練は、第二区で、師匠の区域は第二区の奥の方にある。
「我を示せ、【ステータス】」
俺は自分のデータを開く。
=====
【個体名】【異界の民】田中響
【ジョブ】見習い剣士
【ランク】E+
【種族】???
【特殊技能】
【無限復活 Lv1】
【理系技能】
【言葉の理】
【技能】
【長剣術 Lv1】
【短剣術 Lv1】
【魔銃術 Lv1】
【投擲 Lv2】
【刺突耐性 Lv1】
【疲労耐性 Lv2】
=====
よくあるゲームのように自分の能力が数値化されたりはしていない。
ただ、技能には、Levelという概念がある。
これは、一つ一つの技能をどれだけ使い慣れているかという指標だと、師匠は言っていた。ただ、使えば、使うほど、技能のLVは上がるが、どんどん上がらなくなっていくらしい。
ちなみに、Lvの指標はこんな感じとなっている。
Lv1:獲得したての技能で、素人とより、優れている程度。
Lv2:技能に慣れてきたところ。練習すれば、直ぐに辿り着ける。
Lv3:Lv2から練習すれば、遅くても一年以内には辿り着ける。
Lv4:結構なトレーニングが必要。というか、一般人の限界に近い。
Lv5:普通の技能はここらへんで、進化して、Lv1に戻る。
Lv6:天才と呼ばれる。本当に才能のある人だけ。
Lv7:剣だったら【剣聖】と、魔術だったら【大魔導師】と呼ばれる。
Lv8:勇者とか魔王とかが持っているレベル。
Lv9:神に近いレベル。
Lv10:神様の王が持っているレベル。
Lv9が高位種族の限界だったらしい。因みにそいつは、【悪魔王】という異名も持った悪魔だったらしい。逆に、人間の限界はLv7だったらしい。
一や二ばかりな俺の技能がいかにしょぼいかわかるだろう。
「はぁ」
俺はため息をついて、明日の練習に身を傾けた。