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1-10 ロルフとカレンの会話

ロルフ視点です。

 「……これは……?」


 カレンはまさに、生き返る寸前の彼を見て、驚いていた。


 「【無限復活リスポーン】。無限に生き返る、死ぬことがなくなる特殊技能ユニークスキルだ」

 「不死族アンデッドとは違うの?」

 「【解析】持ってただろう。それで、種族を見ればいい」


 彼女は一端、息を整えてから、技能を発動する。


 「???ですって? なによ、それ? 人間ですらないの?」

 「いや、彼自身は人間だろう。ただ、称号【異界の民】。これが原因だ。恐らくだが、この世界の人間とは根本的に仕組みが違うのだろう。彼は魔術が絶対に使えない。無属性ですらも」

 「えっ」

 「そもそも、該当する魔力がないに等しいんだ。だから、この世界でいうと生命ですら無くなる」


 カレンはまた、驚いた顔をした。そして、彼女は魔術を使い、理解が出来ないかのような顔でいた。


 「本当に魔力がない。いや、少しだけあるわ。ただ、零にほぼ等しいぐらいの本当に少しの」


 もうカレンは驚くのをやめたのか、冷静な顔付きになり、俺に尋ねた。


 「本当に彼は強くなるの?」


 彼女の疑問は最もだ。魔術が使えず、技能もそこまで優秀ではなく、唯一の力は【無限復活リスポーン】のみ。強くなる要素が見当たらない。


 「後、三年しか残ってないのよ」


 そうだ。彼女は正しい。


 「三年で、彼は強くなるの?」


 彼女は正しいのだ。だけど、俺はそう思わない。


 「あぁ。絶対に強くなる」

 「ヒビキ。そう。ならいいわ。ただ、後、半年以内には迷宮をクリアさせて。そうでないと、王があなたに……」

 「大丈夫さ。【王の権利】なんて、所詮、ただの言葉だ。いざとなったら、お前も連れて、逃げ出してやるよ」

 「ありがとう」


 カレンは俺に礼を言った。


 「はぁ。一先ず、留まるか。行くか。どっちだ」

 「そうね。ひとまずは仕事を片付けてからかしらね。冒険者組合長ギルドマスターがこんなことしてると知ったら、あいつ、副冒険者組合長サブ・ギルドマスターが許してくれるはずがないわ」

「あいつ、生真面目だからな」

「一週間で帰ってくるようにはするわ。多分」

「わかった」


俺はそう言って、術式を編み始めた。


「【転送】」


術式が空間に作用し、空間が歪んだ。そして、カレンが消えた。


「もっと、厳しくしてくか。仕方ない」


呟いた声は、迷宮に響き、三年後の世界を思い浮かべた。

多分、今の彼はとても憔悴している。


この後、どんどん魔獣の数は増えると思われる。

一部の人間しか知らない情報だ。

ただ、信憑性が高いだけに無視できない。


これからの世界で彼は生きていけるだろうか。かの古代人魔大戦に匹敵する争いが起こるという予想もある。


まぁ、仮にそうなったら、完全に世界の終わりだが、世界は地獄と化すだろう。


俺はヒビキが完全に復活したのを見たのを見た。


異界の少年。彼は伝承の勇者なのか、魔王なのか。


「強くなれ」


俺はまだ眠る彼に向かって声をかけた。

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