8話 実技試験
俺とシロは学校の実技試験日になるまで食っては寝てといういわゆる(くっちゃね)していた。まぁ一番この生活で印象に残ったのは黒帝牛というお肉の焼肉かな。お口の中が肉の旨みで大自然を感じるという素晴らしい美味しさでした。寿司は残念ながら王国にはなかった。いやー本当に残念だ。
いよいよ、今日が12月24日の学校の実技試験の朝である。俺は早朝から起きていた。寝坊したらお父さんとお母さんに怒られるからな。俺は少し体をならす程度にラジオ体操をしてランニングに行ってきた。そして、宿に戻った俺はシロを起こす。シロはおはようと言いつつ魔法で体を浄化して服を着替えだす。そんな義妹の裸を一応みてみたのだが、やはり胸はたいらである。俺は妹のために、すくすく育つ飯を食べさせなくてはと心に誓うのであった。
シロと一緒にガリレオ学校に行くとさすがと言うべき広さがある。あとで知ったことだがこの学校は武道と魔法の名門エリート学校というやつらしい。実技試験は俺ら兄妹は魔法にした。どうも、俺の性格だと対人戦になると負けず嫌いな所がでてしまってボロがでてしまいそうだから武道はやめた。
魔法の試験を選んだ俺たち兄妹は番号札を渡されて広い校庭の隅に他の受験生達と一緒に木の椅子に座って自分の番を待っていた。
なんか思ってたよりみんなの魔法がショボい。なんか魔法が得意な人達はいわゆる下級魔法をできただけで満足気な感じだ。でも、それでも成功すればDランクの最低クラスには合格みたいだ。
今ふと思ったが 俺は魔術と魔法の区別がつかんがまぁ一緒だろ。
「番号札125来なさい」
おっ、俺の番か。下級魔法でDランクなら中級魔法のできそこないをうてばいいかな?
「ファイヤーランス」
「君は合格、Dランクだ。4月から学校に通うように、課題と教科書は1年D組に置いてあるから1冊ずつ教師から貰いなさい。では、次の番号札126来なさい」
「おっ、我が愛しい妹ちゃんの出番か。」
「・・・」
「126番どうした?」
緊張してたのかな?まぁシロなら大丈夫か。俺は校舎へと入った。
「黒雲の雷と炎の爆雷よ我が意思の前に具現せよ」
[カタストロフィー]
「なんだと!?その省略された呪文はかの英雄マーリン殿が、、」
シロが魔法を完成させた直後、すごい地響きがした。受験者や学校の審査員はすごい暴風の中でも目を手で覆いながら辛うじで見えるシロの魔法。それは、一部場所を限定した小さい嵐だった。嵐の中はかまいたちのように風が切り裂き、豪雨で地面が濡れ、雷が発生していた。この魔法は水属性と風属性と雷属性を合わせたトリプル複合魔法。上級魔法の更に上の絶界魔法である。絶界魔法とは上級魔法なんて比べものにならないほどの魔力量と同時に2つ以上の属性の魔法を1つの魔法で使うことである。普通の人だと1つの属性は必ずもっている。しかし、2つ以上の属性をもつものは10人に1人の割合である。3つ以上の属性をもってるのは1万人に1人だとも言われている。属性が多ければ良いのかと言われればそうとも限らない。なぜなら、いくら多く属性の適正があったとしても魔法として使えるか使えないかはまた別なのだ。魔法を使うには技術も必要かもしれないがそれよりも魔力量が少なければ魔法は使えないのだから。だから、2つ以上の属性に適正があっても使えないなら意味がない。例え1つの属性しか使えなくても上級魔法が使えれば重宝される。
「きゃーー、うわぁー、」
校庭の真ん中にはクレーターができていた。
みんな呆気にとられて言葉がでないようでしばし、無音がこの校庭を支配していた。だが、ある男の子がすげえと呟いたらそれに続くようにみんなが歓声をあげだした。
「君は文句なしの合格だ。そして、10名しか入れないこの学校のSランクにして特待生で更に主席になるだろう。それと君の名前は?」
「名前はシロ。私はDランクのクラスがいい。」
「そういうわけにはいかない、理由を聞かせてもらえないかい?君の頼みなら学校側はある程度我儘を許すよ」
「兄も同じクラスにしてくれる?」
「君のお兄さんか、いいだろう、さぞ兄妹揃って優秀なんだろ・・えっ、もしかしてお兄さんDランクなの?」
「そう、私の前の番号札125がお兄ちゃん」
「うーん、それは厳しいな」
「嫌なら私はこの学校通わない」
「分かった、君を学校側が失うリスクより君のお兄さんをSランクのクラスにした方が良さそうだ」
「では、君達、兄妹は1年Sクラスの課題と教科書を取りに行くように」