レーナ -3-
お父さん!
今日王子様に会ったの!
私の王子様よ!
キラキラしててとてもステキだったわ!
ドアを騒々しく開けたレーナは騒々しく王子様がどれだけ素敵かを丁寧に教えてくれている。
運命と一つ出会ったようだ。
ついに話す時が来てしまったのか。
もう少し親子でいたかったんだが、、、
「レーナ、お前はケガをした動物を癒した事があるな。
隠さなくていいよ。
レーナが力を持っている意味を教えよう。
今のレーナには難しいかもしれないが、いつか全て分かる日がくる。」
女神の娘が生まれた日。
私は旅の魔術師として女神の娘のところへ赴き、力を溢れさせないために太陽と月の娘をそれぞれ生み出した。
太陽は破壊を象徴する力。
月は癒しを象徴する力。
元は1人の人間である事、女神の娘から癒しを象徴する力を有してレーナが生まれた事。
太陽を象徴する娘が成長し力を制御できるようになった暁には月の娘の力が太陽の娘へ融合し、再び女神の娘となる事。
今日出会った少年は女神の娘と一生を共にしていくと言われている相手で龍の血を引く一族の嫡男である事。
太陽の娘と出会った時にお前の運命が動き出すだろう。
突然話し始めた父をレーナは凝視している。
「おとうさん、何言ってるか分かんないよ」
「私はお前の父ではないという事だ」
大きな銀の瞳から大粒の真珠のような涙が零れ落ちる。
「何言ってるか分かんないってば!」
膝立ちし、目線を合わせている父親に思いきり抱きつくレーナ。
「私がどんなだっておとうさんの娘には変わりないよ。それとも私の事キライになったの?」
そんな訳ないだろうと答える私に真っ赤になった瞳をこちらに向けニッコリと笑顔になる。
「よかった」
「それにしても、何も疑問に思わず受け入れているようだが、何か言いたい事はないのか?」
んーと、少し言いづらそうにしていたレーナはやがて意を決するように、
「女神さまの夢を見た事あるの。何度も。女神さまはその時にもう1人の私の娘って言って私を抱きしめるのよ。
お前は太陽の娘を守らなくてはならない。太陽の娘の裡には破壊の力を秘めているが今は封印されている。
憂いが封印の効力を弱めるだろう。
お前はその憂いを取り除かなくてはならない。
代わりに私がお前の心の支えになろう。って」
女神め、、、
肝心な事は何一つ話していないのか。
思わず眉間に皺を寄せた私の顔を見ながら
「でも何すればいいか分かんないよ」
「大丈夫だ。
何も深い事を考える必要はない。
今までのお前でいればいいんだよ。」
レーナは私の娘。
たとえこの先、太陽に取り込まれ女神に利用される運命であろうとも、サフィアレーナは私が守る。
女神と袂を分かつ事になろうとも。
リアルで萌チャージを始めたので文字数少な目になりました。
萌チャージしたり文章書いたりともう少し時間がほしいです。
予約投稿してますが、何時くらいのアップがいいんでしょうか。
ちょっと悩み中。