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プロローグ ~サフィアレーナ~
金と銀が交わる時、神と同等の力を持つ存在が生まれると言われている。
その何かについては誰も分からない。
この言葉を紡いだ本人にさえ真意は見えていなかったのでは、と言われている。
しかし、それは誤りであり、本人には分かっているんだよ。
この私にはね。
と、養父は言っていた。
それでも人々はこの言葉を常に胸に刻んでいる。
いつか分かる日がくると知っているから。
私は彼が好き。
彼女も彼が好き。
彼は彼女が好き。
彼女はただの村娘として生まれ育った、どんな憂いからも守られるべき存在。
私は至高の存在と呼ばれるもう一人の彼女。
彼は彼女を守り愛す存在。
私は知っている。
彼女と彼には結ばれる未来が存在する事を。
けれど私の想いはあそこで終わる
彼女の想いはまだ続いている
彼の想いもまだ続いている
この想いは私のモノ?
彼女の想いは彼女のモノ?
ねぇ、時々でいいから私を見て?
アイを少し分けて