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雲丹ガチョウ
博士は興奮していた。三十年にも及ぶ研究の成果が、目の前に雲丹ガチョウとして表れていたのだ。雲丹ガチョウを博士は舐めていた。しかし、あっという間に一匹目は溶けて、砂になってしまった。博士はとても悲しくなったので、二匹目の雲丹ガチョウを作ることにしたのだが、材料を切らしてしまっていたので、助手をスーパーに行かせて、チョコレートと豆乳を買ってこさせた。
大きな鍋でそれらを煮詰め、透明人間の腎臓を電卓と一緒に炒めると、雲丹ガチョウが出来上がった。博士は大喜びで、雲丹ガチョウを舐めたのだが、今度は木星になって溶けてしまった。
博士はまた助手をスーパーに行かせることにした。




