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サボテンとマンボウ
サボテンの花に水をやっていると、夢の中の男が目の前に現れた。
「なにをしている」
「サボテンの花に水をやっているのよ」
私は毅然とした態度で答えたのだが、彼は納得しない様子で、「意味が分からない」とひたすらに呟いていた。
「あなたは偽物の花しか見たことがないのよ」
「そんなことはないに違いない」
彼は四次元方向へと飛んで行ってしまった。私は何もすることがなかったので、サボテンを抱きしめたのだが、腕に棘が刺さってひどく痛かった。
その様子を見ていたマンボウがひそひそと笑っていた。




