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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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役立たずと見做されてパーティーから追放された聖女に元仲間が助けを求めに来た件

作者: 神通百力
掲載日:2026/10/28

「お前は突っ立っているだけで役に立たないし、パーティーから追放する!」

 パーティーの最後列にいた聖女エディラ・リメスに勇者はいきなりそう告げた。場所はダンジョンの第三層辺りだった。

「は? 役立たず? 私が?」

 聖女エディラは思わず勇者を見つめる。剣士や武道家もそうだと言わんばかりに頷いている。

「前線でモンスターと戦うのは俺たちだけで、お前は何もしてないじゃないか」

「私は後方でサポートを……」

「言い訳なんて聞きたくない。お前がいても足手まといにしかならん。ここから先は俺たちだけで行く。お前はもう帰れ」

 勇者は先ほどまで歩いていたルートを指差し、聖女エディラに向かって追い払う仕草をする。

 呆然とする聖女エディラを尻目に、勇者たちはダンジョンの奥深くへと進んでいった。

 聖女エディラは何もダンジョン内でパーティー追放しなくてもいいのに、と内心で呆れた。

「……ただ突っ立っているだけのはずがないでしょうが。ちゃんとサポートしていたのに」

 聖女エディラは目尻を拭い、ため息をついた。聖女の加護でモンスターの攻撃から守っていたし、勇者たちの潜在能力を引き出して攻撃力も上げていた。 

 そんなことにも気付かないなんて、勇者たちがここまで馬鹿だとは思わなかった。

 聖女エディラは軽く首を振ると、踵を返し、ダンジョンの出口へと向かい始めた。ダンジョン内の薄暗さが今の心境を表しているかのようだった。

『ぎゃあああ!』

 背後から勇者たちの悲鳴が聞こえ、聖女エディラは思わず足を止めた。

 後ろを振り返ると、血相を変えた勇者たちがこちらに走ってくるのが見えた。モンスターの攻撃を食らったらしく、勇者は右肘から先を失っていた。剣士は左肩を抉り取られ、武道家は左腕がなかった。三人とも重症だった。

「た、助けてくれ!」

 勇者は左腕を伸ばし、聖女エディラに救いを求める目を向けた。

 その後ろから、緑色の鱗に覆われ、鋭い爪を持ち、尻尾の先が刃と化したモンスターが追いかけてきていた。

「……私は役立たずなんでしょ? 助けることなんてできないわ」

 聖女エディラは首を横に振り、勇者に救いの手を差し伸べるのを拒否した。あれだけ出血していれば、どうせ助からない。

 そもそもサポートに特化しているだけで、戦闘に向いてはいないのだ。

『は、薄情な奴め!』

 勇者たちは聖女エディラを睨み付けてきた。パーティーから追放した奴らに言われたくない。

『く、来るな!』

 追いついたモンスターは鋭い爪と尻尾の刃で、勇者たちを無惨に引き裂いていく。その光景を聖女エディラは無言で見つめていた。

「ざまぁみろ」

 聖女エディラはポツリと呟くと、こちらに向かってくるモンスターを光の結界で閉じ込めた。

「グルルル!」

 唸り声をあげるモンスターを圧縮した光の結界で押し潰す。結界はモンスターの血と肉片で汚れる。

 ついでに勇者たちの死体も押し潰し、聖女エディラは再びダンジョンの奥深くへと向かった。勇者たちが亡くなったことで、ダンジョンの出口に戻る必要はなくなった。

 ほんの数時間で最下層に到達し、聖女エディラはダンジョンを制覇した。


「……私ってソロの方が向いていたんだ」

 聖女エディラは最下層のボスモンスターの亡骸を前に、感慨深く呟いた。

感想頂けると幸いです。

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― 新着の感想 ―
この聖女様の「二つ名」が気になります。 「歩く最終兵器」「笑顔で地獄を歩く聖女」「ダンジョン潰し」 候補として一応用意しました。どれか気に入りましたか♪
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