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ダンジョン(1)

 ダンジョンの中に入ると目の前に二手の分かれ道があった。他のグループ達は意見が分かれていたので手前で止まっている。僕らも左右のどちらかに行かないといけない。正直、僕はどちらの道でも問題ない。前世で遊んでいたゲームの中でも隅々まで探索したい勢だったため、こういう場所は出来るだけ楽しみたい。


「ねぇ、私たちはどっちの道に行くの?」


「どっちでもいいよ。私とリオンがいれば困難な敵でも勝てるわ!」


「それはわからないけど、僕は左の方から行きたい」


「それじゃあ左から攻めましょう!」


 こうして僕たちは左の道から攻めた。左の道を歩いて行くと見覚えのある男と二人の女と見覚えのない女の計四人で目の前にいるゴブリンと戦っていた。


 ゴブリンに関しては本で読んだ事ある。集団行動で攻撃するが、知能が低いため仲間と協力して敵を倒すことが出来ない。ただゴブリンにも階級がありゴブリンジェネラルやゴブリンキングのような上位の階級だったら頭脳も高くゴブリン達を使って指揮して戦わせることも出来ると本に記していた。


「よし!僕の仲間にゴブリン相手に手こずる奴はいないだろ」


「あ、アルン様の幼馴染がいるわ」


「三人だけでダンジョンに向かっているわ。仲間が作れなかったのね可哀想に…」


「あれれ?下級貴族に成り下がった僕の幼馴染ではないか!」


 アルンと呼ばれていた男がこっち来た。


「ようメラニー。君には友達がいないと思っていたが…どうやら二人だけ集めることが出来たようだな」


 そう言われたメラニーは黙ったまま「行きましょう!」とアルンを無視して先頭を歩いた。


 僕も歩こうとした時、エリーの片腕をアルンが掴んだ。


「何よ!」


「君、僕と一緒のグループに来ない?」


「何で?」


「君のような可愛い子と一緒のグループだったらダンジョンの攻略が簡単に進みそうだ」


「まずは自己紹介をしなさい!」


「あれ?僕のこと知らないのか?」


「私は平民なんで貴族について知識が何もないの」


「それは、それは失礼した。僕はアルン・フォン・ラインハード。ラインハード家の長男で次期当主だ」


「貴方のことはよくわかりました。私はエリーです。それでは!」エリーはアルンから離れてリオンの右腕を掴んだ。


「君は誰かな?僕と同じくらい顔立ちはいいけど何処の上級貴族かな?上級貴族が集まるパーティーに出席したことある?」


 どうやら僕のことが気に食わないらしい。


 自分が上級貴族だから親の権力に縋っている子供だ。こういう人間は成長しない。落ちぶれるか、何も無いまま人生を終えるかだ。


「無いよ。そもそも上級貴族じゃない」


「ハッハッハッハ!!!!」


 アルンは大きな声を出して笑った。


「だから出会ったこと無いのか。可哀想な人だ。生まれながらにして勝者の僕は何しても赦される。君とそこにいる幼馴染は僕の家門によっていつか滅ぼしてあげよう。ただ君だけは僕が助けてあげよう」とエリ―に触れた。


「僕の所有物になれば君はお金に困ることもないし、何不自由ない人生を送ることができるよ!」と演説のように大げさなジェスチャーで話していた。


「それで?私の一番大切な物は奪えないようであれば君はそれまでの人間よ」


「面白い!じゃあ教えてもらおうか。君が大切にしている物を」


「教えるわけないでしょ!」と言いリオンの手を握ってダンジョンの奥へと進んだ。


「なるほどねー」と後方でアルンは小声で何かを理解したかのように小声でブツブツ言っていた。



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