ライン領
アルカディア国のライン領に来ている。
数年前まで国境紛争が続いていたらしいが、それを感じさせない街並みだった。確かに少し砂漠に近く、隣町の街並みとは少し違った風景ではある。
元々ハイランド領だったが、下級貴族に位が下がってしまったため現在はライン家が領主として築いている。ライン家は、国境紛争の時、経済面で支えていた。ハイランド家は力、ライン家は頭脳と言った関係性だ。
それでも建物が隣町よりも高い所と低い住居で区画が別れている。最近、道などのインフラ整備が終わった街のように感じる。
「この人工的に区画している街はライン家の支持の元で作られているんだ。簡単にいうと貧富の差で見分けるようにしている」とサイモンが僕だけ伝わるように言った。
「何で?」
「さあ、子供の頃から貧富の差が分かるようにしていたからな。理由まではわからないよ」
「それで、何で僕に話しかけるの?」
「キョロキョロと周りを見渡していて気になっていそうだったからな」
「確かに気になっていたよ」
こうして雑談しながら僕らは、ハイランド家までの道のりで観光をした。
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ウィローグレン村から馬車の移動で丸三日。その道中で休憩してたら魔物ゴブリンや盗賊に襲われたが、全てサイモンと僕の手で返り討ちにした。
そこでサイモンから一人の冒険者として学びを得た。
「低レベルの魔物相手の場合は集団で襲いかかってくることはないからパーティを組めば楽勝に倒せる。だが盗賊や人が絡んでくると、敵の武器をみて備える。攻撃も単調じゃないから臨機応変に対応しないといけない。今回は、おそらく三人だったから太刀打ち出来たけど、人数不利な時は、逃げることも視野だ」
思ったよりも勉強になった。
確かに今の僕に足りないものは多数同士の模擬戦だ。
もしかしたらその辺も学校で学ぶかもしれない。
ただ今回の戦いで自分でも驚いていることがある。
魔物を殺しても人間を殺してもその瞬間は何も感じなかったことだ。ただ時間とともに自分が人を殺したことがジワジワと心に響く。
日本という平和な場所で過ごしていたことが原因だろう。ここは日本ではない。治安が悪い場所なんて沢山あるし、この先の人生で何回も盗賊なんて会うだろう。だから人を殺したぐらいでビビらないようにならないといけない。
この世界では警察がすぐ駆けつけてくれる訳ではない。親衛隊や軍などは動かしてくれるだろうがことが小さい事件には来てくれないだろう。だからこそより力をつけ守らないといけない。
襲撃があった時のノーラの様子は、盗賊に襲われた時は寝ていた為、盗賊もアンナやノーラが居ないと思い込んでいたので片づけやすかったが、ゴブリンを相手にした時は、気持ち悪い見た目で怖かったのか大泣きした。ゴブリンを倒し切ってもアンナの胸の中で数分の間泣き続いて寝た。
その話を聞いてノーラが生まれてきてくれてよかったと思った。
何故なら僕とは違い、子供のような考え方や行動をしてくれるからだ。
僕は、本当はこの中で一番精神年齢が高い。だから子供として家族に馴染めているのかどうか不安な時があった。ただノーラが居てくれることでお兄ちゃんとしての立場が確立された。だからこそノーラのお兄ちゃんとしての役割はしっかりと果たそうと思う。
「さて到着したぞ!」
サイモンが言った目の前の建物は、モノトーンで色 色彩が無く建物もこの世界で見た中でトップレベルの家の大きさだった。
「もしかして貴方様は、坊ちゃんではありませんか?」
話しかけてきたのはスーツ姿で白髪のおじさんだ。
「久しぶりだな」
「お久しぶりです。この方達は?」
「俺の家族だ」
「坊ちゃんに家族ですか!これはこれはどうぞどうぞ中に入って下さい」
そう言ってもらえたので男の後について行って中に入った。




