アンナ=ハイランドの語り
「ねえ、ノーラ。風呂に入るわよ」
夕飯も食べ終えたので一日の疲れを風呂に入ってとろうとした。
「うん!」とノーラは可愛い笑顔で言った。
「ノーラ。パパと一緒に入ろう」
「嫌だ!パパはお兄ちゃんと入って」
「でも、お兄ちゃん1人で入ったから」
「じゃあ…パパも入ろう」
嫌そうにしながらも一緒に入ってくれるのは、ノーラの優しさでもある。
私は今、幸せな日常生活を送っている。
ハイランド家になって十二年の月日が経った。
最初はサイモンと2人だったのが、リオンが生まれて、その数年後にノーラが生まれて、今では4人家族になった。
そんな幸せな家庭について話したい。
「ねぇママ!何か考えごとしてるの?」
「家族のことを考えていたの」
「ふぅーん。じゃあパパの身体洗うね」
「ありがとうノーラ」
ノーラは力強くサイモンの背中を洗っていた。
サイモンが泣きそうになっていたのは言わない。
何故なら今日、喧嘩したから。少しぐらい痛い目にあって欲しい。
それよりも私が驚いていることがある。
それは、長男のリオンだ。
私が産んだとは、思えないほどの天才を発揮し続けている。
私自身、リオンに対してしっかりと子育てしてあげた記憶があまりない。
何故そう感じるのか、ノーラが生まれたから。
ノーラは、村で見てきた子供達のように無邪気で楽しそうに遊んでいる。
ただリオンは違った。
幼い頃から魔法について学び、一人で本を読めるぐらいの言語能力を身につけたこと。
それでも凄いことなのに、リオンはエラさんに家庭教師を付けてもらいエリーちゃんと一緒に学びながら剣術も学んだ。
はっきり言って子供が学ぶ量というか質を超えている気がする。
私の経験上リオンほど努力が出来て継続出来ている子供は見かけたことない。
タリアさんとは偶にお茶会をしているけど、その時にリオンとエリーちゃんについて話し合いが行われている。
「まあこのまま二人が結婚して欲しいわ」
「あの二人キスとかしているのかしら」
私たちはお互いの子供が結ばれる事に期待している。
そして私がリオンのことを心配になったのはグリフィン襲撃事件。
あの日、サイモンが急いで私の元へ駆けつけて「リオンが倒れた!」という報告があったので、急いでエラさんの元まで駆けつけた。
するとベットの上で横になっていたリオンと顔を俯いて泣きそうになっているエリーちゃんがいた。
「リオンのお母さん!ごめんなさい」と泣くのを我慢しているのが目元などを視ればわかった。
「大丈夫よ!エリーちゃんが泣くようなことは何もないわ」
私はエリーちゃんに抱き着いた。
すると彼女は私の胸の中で泣いた。
エリーちゃんは私から怒られるのを覚悟していたと思う。
だから私が許したことにより緊張感がなくなって泣いてしまった。
暫くの間、私に泣き続けていた時にリオンの将来について考えていた。
きっと私たちの息子は将来とんでもないことをやり遂げる。
だから私は、この子の力がエリーちゃんを守ったように人々を救うために間違った力の使い方をしないように日々願っている。
「次はママの背中を洗ってあげる」
そう言ったノーラはサイモンの背中を洗ったことが喜んでいた。
サイモンの背中は真っ赤になっていた。
鏡に映っている顔を見ると、涙が出ていた。
さすがにかわいそうね。
私とサイモンがこの後ベットで寝る時、背中に治癒魔法をかけようと思った。
風呂から上がってリビングに行くと、リオンが暖炉の前で剣を大事そうに抱えて寝ていた。
「リオン!自分の部屋で寝なさい」
私の声を聞いたリオンは起き上がろうとすると「今日はお兄ちゃんと一緒に寝る~」
ノーラはリオンに抱き着いた。
最近、ノーラはリオンと一緒に寝ることが増えて来た気がする。
「いいよ」とリオンは優しい笑みで応えていた。
その時、昔の事を思い出していた。
ノーラが夜泣きした時、一番落ち着けせて寝かしつけていたのはリオンだった。




