幼き日のサンドウィッチ
私は今、緋色の魔法石のお返しのため、家で一人サンドイッチ作っている。
私が、リオンのために料理を作ることは滅多にない。
というよりもリオンは、私が料理をして食べても基本的に「美味しい」と言ってくれる。
言ってくれるんだけど…ただ返事をしてくれるだけで声色が変化しない。表情もどこかおぼつかない様子だ。
ママの料理を手伝ってリオンの家に持って来た時も、昔エラ先生とクッキーを作ってくれた時も、リオンのお母さんと一緒に料理をして出した時も「美味しい」という言葉だけで、顔色が変わらない。
ただそんなリオンでも、私の作った料理で特別に美味しそうに食べてくれる食べ物がある。
その食べ物こそサンドウィッチだったりしている。
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リオンと出会って数日、私の家族とリオンの家族で近くの綺麗な川が流れている場所でピクニックをしていた。
私は、その日に初めてリオンが魔力を使っている所をみた。
リオンは、ピクニックで皆が座って食べようとしていた時に、急に何処かへ行ってしまった。私は気になぅつてしまったので隠れてついてきた。リオンは辺りを見渡したと思ったら、木に実っていた赤い果実を風の魔力を発動させて人数分採っていた。
その光景を見た私はもしかしたらリオンのことを好きになってしまったかもしれない。
でも決定的に好きになった瞬間はこの後…。
皆でサンドウィッチを食べ始めた時だった。私はママと一緒にサンドウィッチをピクニックに行くため作っていた。
けれど当時、五歳ぐらい。手も小さく何も出来ない子供だったので、私一人が作ったサンドウィッチの形は、ママが作ったものとは歪な形をしていたと思う。
私が当時作ったサンドウィッチはハムサンド一個だけ、だから枚数は少なかった。
そのサンドウィッチを見たリオンのお母さんとお父さんとパパは褒めてくれた。
ただリオンだけは何も言わずに私が作ったサンドウィッチを手に取り食べた。
私はリオンの顔を見るのが怖かった。
「美味しくない」「マズい」と言われると思った。
だから私は下を向いていると、「美味しい!」と言い私が作ったサンドウィッチを食べてくれた。
リオンの喜んでいる姿に惚れた。というより嬉しかった。
私の頑張りが褒められたから。
「リオンくん。そのサンドウィッチはエリーちゃんが作ってくれたのよ」とリオンのお母さんが言った。
「美味しいよ!このサンドウィッチまた作って欲しい!」
その時の彼の笑顔は今でも忘れてない。
「……うん!!」
その日からリオンのことをよく知ろうと思い遊びに行った。
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このような出来事もあり、リオンにサンドウィッチを渡すのは私の中で思い出になっている。
「ぼーっとしてどうしたの?早く食べよう!お腹すいた」
「うん!そうだね」
私たちは草原でダミンさんに作ってもらった杖と剣を試していた。
「それにしてもこの剣切れ味が良すぎるだろ。父さんに貰った剣よりも切れ味が良い気がする。」
「それで言ったら私の杖もリオンの緋色の魔法石のおかげで私の魔法に威力がついたわ。ありがとうリオン」
「そんなことより、サンドウィッチ食べていい?」
「うん!」
そういうとリオンはハムサンドを一口食べた。
その時のリオンの顔は昔と同じだった。
「それよりもハムサンドや卵サンド以外にもフルーツサンドも作ったんだね」
「うん!好き嫌い駄目だよー」
「……」
その時のリオンの顔色は悪かった。




