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瞳孔

 目を覚ますと、見慣れない天井だった。


 ただ何か違和感があった。


 右目を触ろうとすると布のような物で覆いかぶさっていたし、耳にもマスクを付けたような違和感を関した。


 つまり眼帯を付けていることが理解できた。


 前世だったら「中二病かよ!」と弄られることがあったが、この世界では弄られることはないだろう。


 身体を起こすと頭が痛かった。ベットの上で寝ているし、辺りを見渡すとエリ―が近くの椅子に座ってテーブルに伏せて寝ていた。


 時計もついてないし、窓もついてないので、どれぐらいの時間帯なのかもわからない。


 何しようと考えていると部屋に看護師の見た目をした女性が入ってきた。


 僕が、起きていることに気が付くと、「お体の方は大丈夫ですか?」と丁寧に聞かれたので、「少しだけ頭痛がします」と答えた。


「それでは、担当医の方を呼ぶので少々お待ちください」


 そう言葉を残し部屋から出ていった。


 僕と看護師のやり取りで、エリ―は眠りから覚めた。


 エリーが僕に気が付くと、椅子から立ち上がり僕のことを抱きしめた。


 僕もエリーを抱きしめた。


「何で!いつも無理をするの……!」と心配させたのか顔が見えないけど泣いているような声色だ。


「泣かないで」


「泣いてないもん!」


 これ以上エリーをからかうと怒りそうなので何も言わなかった。


 エリーを落ち着かせているとダミンとダン、見たことない人だけど担当医らしい人が部屋に入ってきた。


「大丈夫だったか!」


「声が大きい」


「俺は親友の息子が目を開けたから嬉しいんだ」


 二人の様子を見ながらエリーの方を見ると、さっきまで僕のことを抱きしめていたのに椅子に座っている。それでも目が少し腫れているので多分泣いていたことが僕にはバレている。


「リオン君、少し聞きたい事があるんだけどいいかな?」と美人の担当医の方が話しかけた。


「はい」


「右目に関することで話しておきたいことがあって…」と担当医の方の様子がおかしい。


 まるで何か言いずらい事が起こったような…。


「単刀直入に話しますね。リオン君の右目の瞳に関してなんだけど…自分で見てもらった方が早いね」


 そう言って担当医の方が取り出したのは、手鏡だった。


「眼帯を取り外してもいいんですか?」


「はい…」と間のあいた返事をした。


 僕は眼帯を取り外し右目の瞳を見た。


 すると、瞳の形というか瞳孔の形が左目は何も変わった事のない物なのに、右目はグルグルというか吸い込まれるような模様になっていた。


「これは…治ったんですか?」


「最善を尽くしたんだけど…」


「リオン!大丈夫なの?」


「うん。視力に関しては問題ないんだけど…」


「治ってないじゃない!」


「回復魔法で私たちも頑張ったのですが…」


 すると、エリーが治癒魔法を僕の右目にかけてくれたが瞳孔は治らなかった。


「初めて見るな。ダン何か知ってるか」


「俺も初めて見るな。もしかしたら都市の方にいけば病症を知ってる人がいるかも知れないけど…」


「少なくとも我々教会にある医学書には何も書かれていませんでした」


 担当医は申し訳なさそうに頭を下げた。


「頭をあげてください。僕は視力に異変がないので大丈夫です」


「本当に?」


「確かに、鏡を見た時は驚いたけど…視力に問題はないからね」


「リオンが言うのなら大丈夫だろうけど…」


 エリーが、何か言いたそうだったけど言葉をのみこんだ。


「そうですか…それじゃあ私はこの辺で」と担当医は胸をなでおろして部屋を出ていった。


「リオン。質問いいか」


「僕も貴方に話したい事がある」


「何だ?」


「この医療のお金は誰が払ってくれたんですか?」


「お金のことは心配するな!こう見えて俺はこの街では顔が広いんだ」


 ダミンはグットポーズをとった。


「う~ん。これ以上は聞きません」


「それでいいんだよ。それじゃあ俺から単刀直入に聞きたいんだが、一階の部屋の痕跡からして何者かと戦っていたと思うが、お前の風刀で傷つけられた床やテーブル椅子が斬られていた痕跡しかなかったんだ。それで犯人が誰だったか話を聞かせてくれ!」と案の定聞かれたな。


「俺からも詳しく聞きたい」


「私も聞きたい」


 ダンやエリーも何が会ったのか聞きたいらしい。


 僕は悩んだ末「それじゃあ話そうと思うけど、信じなくてもいいから」


 そう最初に言い、僕が吸血鬼と戦ったことを話した。


 それを聞いたダミンは「まさか存在しているとは」


「信じられない」


「私は吸血鬼の存在を信じていたわ」とエリ―は目を輝かせていた。


「でも、吸血鬼だったら血液がないのは納得がいく」


「確かにな」


「まぁリオンの話を聞いたうえでこれから住民にはニンニクとか吸血鬼が苦手な物を置かせよう」


「よし分かった!俺は皆に話しに行く!」


 そう言い残したダンは部屋から出て行った。


「それじゃあ俺たちも鍛冶屋に戻るか!リオンも身体回復したよな」


「うん」


「お嬢ちゃんはリオンと手をつなぎな」


「私を子供扱いしないで!」と言い腕を組んでブツブツと唱えていた。


「わかったから。エリーも行くぞ」


 ダミンが言い直すとエリーは少し顔が緩んでいた気がする。


 僕らは【シュミット鍛冶屋】へ戻った。


 ーーーーー


【シュミット鍛冶屋】に着くとダミンに剣を生成してもらった。


 その間、特別に僕らは工房に入ってエラ師匠の事や学校に行くことの話を楽しく話した。


 全てが終わり、エリーも完成した杖を持って僕らは帰ろうとしていた。


 今回は、正規の値段で払わなかった。


 いろいろな出来事があったので、安くしてくれた。


「おいリオン」と扉を開けると話しかけられた。


「何ですか?ポル払いますよ」


「お金はいい!それよりもサイモンの奴にたまには遊びに来いと言ってくれ!」


「わかりました」


「それじゃあな。お前らの学園生活応援してるぜ!」


 僕らは【シュミット鍛冶屋】を出て馬車に乗ってティーズ街を後にした。


 ちょうど日の入りの時間だった。


 馬車の中ではエリーと一緒にティーズ街で購入したりんご飴を食べながら帰った。


ーーーーー


家に帰った後、僕の右瞳が変わった事にいち早く気づいたノーラが心配してくれた。


そこからアンナやサイモンまで「何があったの?」と心配してくれたので、ディース街で起こった出来事を話した。


するとサイモンが「吸血鬼とか実在したんだ…」


「ママ吸血鬼って何?」


「とても強くてアブナイ異種族よ」


「その戦いで瞳が変になったということが…」


「そうだね」


家族には未来眼(フォノレジ)の事は話してない為、吸血鬼が息子に何かしたと勘違いしてくれた。


夕食の時、ダミンの話をサイモンに話したり、事件のことを詳しく話したり、エリーが魔法石を喜んでくれたことを話した。


家族団欒の時間を楽しく過ごした。


























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