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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

小説家になろうラジオ大賞6

ルームメイトに食べられちゃいそうです!

作者: 夜狩仁志

なろうラジオ大賞6 参加作品。

テーマは「ルームメイト」です。

 私は高校進学を機に実家から離れたくて、県外の高校を探していた。

 でも一人暮らしする金銭的余裕は無い。

 そんな中、全寮制の女子校の募集を見つけた。

 人里離れた山中の、大自然に囲まれた学園。

 こんなところに何で女子校が?

 と疑問に思ったけど、私立の割には学費も生活費も破格の安さ。しかも試験も無く推薦面接だけ!


 ここに進学することに決めた!


 でも、よく募集要項を確認しておけばよかった。


 入学式で初めて同期の生徒たちと顔を合わせたのだけど……


「これから授業を始めます、

 ってそこ! 勝手に蜘蛛の巣はらない!

 お前! 抜け毛が酷い!

 そこ水浸し! ちゃんと体 拭け!

 羽根が落ちてる!

 粘液を垂らさない!」


 まさか人外(モンスター)が集まる学園だったなんて……

 ここは人間以外も受け入れる、とんでもない学園だった。


 私のクラスには女郎蜘蛛やら猫娘、人魚、鳥乙女、雪女等が集う。

 むしろ人間の方が珍しく、逆に私が注目される日々。


 さらに困ったことに、寮でのルームメイトが、


 蛇神様だったのだ!


 上半身は恐ろしいほど美しい女性で、下半身は蛇。


「人の女子(をなご)とは稀有よのぉ」

「珍しいのはそちらだと思いますよ」


 蛇女さん、普通に優しい女性なのだが、ちょっと怖い。


 妖艶な蛇女と生活を共にする日々。

 やはり爬虫類っぽくて、気温の変化に敏感らしく、この冬の時期は寒くてしょうがないらしい。


「今日もよいか?」

「どうぞ」


 寝る時は私のベッドに潜り込んで、一緒に寝るのだ。


「人肌は(ぬく)く、心地良いのぉ」


 私の体を、特に下半身を擦ってくる。そして長い尻尾をグルグルに絡めつけ、私の倍以上ある豊満な胸を押し付けてくるのだ。


 すごく変な気分。

 寒くなってから毎晩こうだけど、未だに慣れない。


 さらに、長い舌をチョロチョロ出しては、私を舐めてくるのだ。


「今日も甘い味がするのぉ」

「そ、そうですか?」


「人の女子とは、こうも甘いものなのか?」

「さ、さぁ?」


 毎晩、美女に抱きしめられ、全然寝付けない!


「本に、めんこいのぉ」

「どうも」


「食いとぅくらいや」

「え!?」


 ま、まさかね。本当に食べたりしないよね?


「知っておるか? 蛇は雌雄同体もおると?」

「え?」


「女のみで、子を孕むこともできるのじゃぞ?」

「へ、へぇ〜〜」


 なんでこんな状況で、そんな雑学を披露するの?


()い奴よのぉ〜」

「は、ははは」




 ……前略、父さん母さん。

 私は無事に学園生活を送っております。

 良い友達もできました。

 でも、

 いろんな意味で、

 食べられてしまうかもしれません。


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― 新着の感想 ―
ガールズラブ……なのか?(笑) この生活、胃が、ではなく下半身がキリキリしそう。締め付けられて。 面白かったです。
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