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ワタクシ本当にメデューサなんです  作者: しろくまくまこ
3/4

薄暗い森

暖かい。。

心地よい揺れ。。。


まるで母がおぶってくれているような。。。

ような。。。?


ワタクシの母はもうこの世にいなくってよ!


びっくりして、目が覚めたら薄暗い森。

ワタクシを先ほどの人間がおぶって歩いているじゃないの。


ダメよ。ワタクシ。母同様危険な女!

洞窟の外に出てしまったら、動物も人間も神でさえも石に変えてしまう。

早く帰らないと!

さっきこの人間が石にならなかったのも、たまたまよ。


今ならそう遠くまで来てないはず。

事情を話しする時間すら、惜しいわ。早く帰らないと!

きっぱりとワタクシの意思を伝えて下してもらおう。


「洞窟に・・帰る・・おろせ」


さあ、早く下ろしなさい。そして、振り返らず行きなさい!


「おお!お嬢ちゃん。気が付いたかい?大丈夫だよ。

洞窟からは遠く離れたから。恐ろしいことはもうないよ。安心しなさい」


えええっ!会話が嚙み合わないわ!そして意味不明。。

人間とはワタクシ、意思の疎通がうまくできないのかしら。。


「お嬢ちゃん。あの洞窟で監禁されて、ひどい目にあってたんだろ?

でももう大丈夫だから。メデューサもここまでは追ってこれないよ。

もし追ってきたとしても、おじさんが守ってあげるから安心しなさい」


私が下ろしてほしいと懇願しているのに、まったく聞く耳をもたないわ。

しかも、この人間。めちゃくちゃ勘違いしている。どうしましょ。。

とりあえず、悪い男ではなさそうね。背後から切り付けてくるような事もなさそう。

きっと、いい人間ね。そしたらなおさら迷惑はかけられないわ。


ふと母の言葉を思い出したの。

男にだけ効く最強の武器。


同じ相手に何度もは使えないって言ってたわ。

父にもすぐ効かなくなったって。

でも初回はどんな男も女の言いなりになる、すごい力があるっていってたわね。


この人間。。死ぬことはないだろうけど、卑怯な私を許して。。


「ぐず。。。帰る。。。すぐ帰る。。え~~ん。。」


ボロボロ泣きながら、懇願したわ。

男はどの種も女の涙には弱いって、母が言ってましたの。

一発逆転の女の武器の涙を流してやったわ。


「おおおぉ。。よしよし。大丈夫だよ。怖いのは終わったから。

お嬢ちゃんにひどい事する人はもう来ないから。」


そういうと、おぶっている手にさらに力が入りましたの。。

そして、この人間。。私以上に涙を流して鼻水まで垂らして泣いている。。。

私の涙の効力は??

もしかして、涙には涙で対抗するという回避方法があるのかしら!?

それとも、私の涙が見えてないから??見えないとダメなのかしら?


結局このまま、人間とワタクシは2人で号泣しながら森を移動し続けましたの。

そう。。ワタクシは誘拐され人間の家に無理やり連れていかれたの。







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