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優風とキヒロの家・玄関

「いらっしゃい、せっちゃん。永遠とわちゃんも久しぶり」


 どうせつと妹の永遠を、優風とキヒロは笑顔で迎えてくれた。しかし、その笑顔は作り笑いではないが、どこか陰がある。


「仕事はどう?」


「優風さん、それって声優ですか? それともマネージャー?」


 刹那は叔母の経営する事務所で、マネージャー兼声優として働いている。


「あー、じゃあ拝み屋のほうで!」


 刹那はこれ見よがしに溜息を吐いた。


「お陰さまで繁盛しています」


 刹那は副業で拝み屋の真似事をしている。


「他は?」


「マネージャーはだいぶ慣れてきました。でも、声優はサッパリです……」


「専務に昇進したんでしょ? 大出世じゃない、給料も増えたんじゃないの?」


「増えてませんよ、声優と副業だけの時と一緒です」


 あるトラブルに巻き込まれ、刹那が所属している事務所のほとんどの社員と所属タレントが移籍した。刹那は叔母が社長のため移籍できず、成行なりゆきで専務になった。それが三ヶ月前のことだ、給与は下がることはあれ、上がることは決してないのだ。


「で、永遠ちゃんはどう?」


 今度はキヒロが尋ねた。


「わたしは相変わらずです、学業に支障が出ない範囲で活動しています」


 永遠はそう答えて微笑む。


「でも、かなり人気が出てきたよね」


「そりゃ、あたしの妹ですから!」


 刹那は自慢げに胸を張った。


「せっちゃんは、まったく売れなかったけどね」


「過去形で言わないでくださいッ、過去形で!」


「ま、立ち話もなんだし……」


 キヒロが気をつかい、中へ案内しようとした。


「あ、その前に問題の場所を視せてもらえますか?」


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