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インディゴの夏

作者: Chuya

 夏の匂いを吸い込んで吐き出す。

いつの間にか夏の匂いを楽しめなくなった。花火は火薬臭いし、潮風は目に染みる。祭りなんて人間と汗の匂いで鼻が曲がりそうになる。


 弱いまま大人になった僕でも今日は少し強くなった気がしてはしゃぐ君の顔を思い浮かべた。

どこへ行こうと、どんな曲を聴こうと、ただつまらない記事を見てるだけでもあの人を思い出す。思い出すというよりもそれは寄生虫のように僕の脳内に住み着いているんだ。

離れることはない。ずっと記憶の隅に居て欲しい。

歌詞にも出来ないほど恥ずかしい思い出も妄想も夢も忘れられない。忘れたくない。

僕にとって夏はそれしか残されていないから。


 今日だけは夏の夜のマジックで今夜だけのマジックで歌わせて。今なら君のことがわかるような気がする。

暑いところは嫌だって言ってた。久しぶりだから楽しみって言ってた。ような気がした。何も分からない。何が正しかったのか、何をすれば未来が変わったのか、変わらなかったのか。いくら魔法をかけたところで君のことは分からない。温くなった水道の水はもう冷えないんだ。


 夏が終わる前にこの歌が始まってこぼれる2人を見守るから。

たった31日、744時間の記憶なんてちっぽけかもしれない。けれどそれが青春になって、大人になった時にふと思い返すんだ。

あぁあの人に恋してたんだって。

夏はきっと終わらない。僕の頭の中に居る限り終わるはずがない。

この歌が僕の夏を波のように見守るから。

最後まで読んでくださってありがとうございます!

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