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二人目のお供

目を覚ますとそこは木造の天井が見えた。

身体を起こして周りを見ると、

どうやら宿屋に連れてきて貰ったらしい。


それにしても広々としていて内装も少し豪華な感じだ

動物の剥製に、素人目でも凄いと分かる背景画が飾られているのを見ると、

俺のような村人は一生泊まる事の無いようなお高めの所と見受ける。


そうして貴重な経験をしていることを再確認すると、

人は単純なもので

急に自分が寝ていたベッドも上質な物のように思えてくる。

それもあって今一度寝ようと思ったが、


「ん~......」


視界に入っていなかった左横から人の声がして跳ね起きた。


見るとやはりもう一つベッドがあった

この広さは二人部屋であったからだと、今に気付いた。

まさかと思って寝返りをうつ人物を起こさぬようにゆっくりと近付いてみると、

やはり女の人だった。


つまりアイリス......かと思ったが、

髪色が違う。

彼女は水色の透き通るような髪だったが、

目の前の人は桜色の髪だ。


それによく見ると綺麗な人だが

顔つきも髪型も違う。


周りの私物を見てみるが

勇者の装備は見当たらない......


ではこの人は誰なのか

皆目見当がつかない。


もしかしたら夢遊病のようにまた、

身体が勝手に変な所に迷い込んだのではないかと

あたふたしていると

その人が起きそうになった。


そしてさっきまでのベッドにすぐさま入って狸寝入りをすると共に、

彼女が起きた。

今の身体能力なくしてはアウトだったことだろう


「くぅ~......! よく寝たぁ~」


顔の方向までは如何ともし難く、

完全に彼女の方に向いてしまっているが

そこは懸命に目をギュッと瞑ってこの時をやり過ごす作戦に出た。


ゴソゴソと音がすること数分、

そろそろ出て行った頃合いかと

ほんの少し目を開けると

やけに目の前が真っ暗なことに気が付くと


「何してんの?」


すぐ目の前で声がして反射で身体を引くとベッドから転がり落ちた。

思い切り床からの高さも高めのベットから腰を打った


「イテテ......」


「ふ~ん......姉さまが連れて来たお供2号が、まさか寝たふりをして

 覗きの趣味があったとは

 後で報告しなくちゃ」


とんでもない誤解をされていることにすぐ立ち上がって異議を唱える。


「ち、違う! というかき、君は誰なんだ!?」


彼女は済ました顔で髪を払うと答えた。


「アタシはアメル、勇者・アイリス様の一番弟子よ!」


自信満々に、

それも周知の事実を田舎者に語っているような辺り、有名な人なのだろうか


「は、はあ」


俺の気の抜けた返事を聞くと手で追い返されるようなジェスチャーを取られた。


「ほら、あっち向いててよ

 着替えられないじゃない」


「あ、ご、ごめん!」


そう言って後ろを振り返ると服が用意してあった。

ボロボロの自分が今まで着ていた物と新しい物がある。


「そこのテーブルにアンタが着てた汚いのと、新品のがあるでしょ?

 新しい方着たらさっさと汚い方は捨てるか

 せめて洗濯しといてよね」


後ろで衣服が擦れる音を聞きながら何だか恥ずかしい気分になって

自分も着替え始めた。


知らない女の子との背中合わせの着替えは、

自分がいつの間に寝間着に着替えさせられていたことを忘れさせた。

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