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地下へ

良かったらブックマークなど宜しくお願い致します。

「どこまで続くんだ、この道は!」


傍の川から飛沫が上がるほどのスピードで探しているのに一向にそれらしきものも見つからない。

アイリスやアメルのためにも進展を急く気持ちが苛立ちに繋がり始める


息が荒くなるまで走って行くとようやく行き止まりらしい鉄格子で封鎖されて、

先が真っ暗な道が見えて来た。


あそこの近くに地下への道が無かったら......



徒労で終える訳にはいかないと祈るように行き着くと、

案の定まるで怪しい部分は無かった。


鉄格子で立ち入りを禁止している中も調べたが

到底、人が入ったり歩いて行くような場所ではない。


「......クソッ!」


思わず高ぶる気持ちが壁を殴らせた。

大きな音を立ててガラガラと壊してしまった


なんでそんな簡単に壊れちまうんだ!


自分の力加減より壁の脆さに怒って目線を向けると、


「......あれ?」


崩壊した内部から見えたのは土砂が詰まっている街の土台などではなく、

ポッカリと暗闇に満ちた穴が広がっていた。


不可解に思って中を覗いてみると中にはランプのようなものがあって、

地下に人が通れる道があるようだ。


とりあえず辺りを見回して

自分が開けてしまった穴以外に異常が無いか確認すると、

その中に入って行った。



そこそこの高さから降り立って周りを見てみると、

水路のトンネルのようになっていた。


村出身から言わせれば画期的な空間に思えるが

都会では当然なのか


このような場所が街の地下に通っていることを新鮮に思いながら

枝分かれしていく道をズンズンと進んでいくと、

暗がりの道の先からぼんやりとした光と声が近付いて来た。


俺は咄嗟に天井の壁に握力で張り付いた


「ん? 今、何か聞こえなかったか?」


「どうせネズミだろ? それより聴けよ、あのチビ魔女帰ってきたらしいぜ?」


巡回している誰かだろうが話の内容は明らかに心当たりがある。


「あぁ? あの......なんつったかなぁ、アメリだかアメラだか......」


「名前なんかどうでもいい、

 問題なのは抜け出した奴が堂々とうちに戻ってきてるってことだぜ?」


どうやら、身なりからしてもこのトンネルの作業員というわけでは無さそうだ。

くっきりと相手がこちらから見えるということは逆も然り、

下を通る奴らが上を向いて歩こう

とする前向きな性格でないことを祈るばかりだ


「なんだと? ボスが許したってのか? そんなこと」


「そうなんだよ! 俺もノコノコと帰ってきたもんだから、

 無事じゃ済まねぇとは思ってたんだが

 あの女ピンピンしてボスの部屋から出てきてやがったぜ?」


女で小柄で魔女......どう考えてもアメルのことだ。


元々アイリスに弟子入りする前に、あいつはどこかの団体に属していたのだろうか?

感じからして柄の良さそうなグループには思えないが......


もう少し情報が欲しい


そう思った矢先、天井に張り付く限界が訪れてしまった。

俺の握力の方ではなく

掴んでいた部分がそこだけ引っこ抜けた


ドスッと重々しい音を立てて着地をしてしまったのを不意で防げるはずもなく


「なんだぁ?」


ランプを持ってる方がこっちを思いっきり照らしてしまった。


「ど、どうも......」


「「し、侵入者だぁ!!」」



初めての潜入捜査は敢え無く失敗に終わった

閲覧ありがとうございました。

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