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勇者と魔法使いと神秘の者たち・3

同時刻にてアイリス達は組織の拠点に近付きつつあった。

しかし、停滞を余儀なくされていた


「あっちがこっちに勘づいたっての!?」


「いや、目的地にセンサーを集中させていましたが

 出入りする反応は無かった......

 しかし、我々がこの森に立ち入ったばかりの時も

 魔族の残党はいた!

 マシック族の方々の力を借りることのできる今に一掃しましょう!」


順調に進む彼女達と民族たちに立ち塞がったのは、

広い森の中でひっそりと生き永らえていた魔物達だった。

自分達を討伐しに来たと勘違いして、

迎え撃とうと現れた集団であった


しかし、今やマシックの戦士達と手を組んだ

勢力の彼女たちの前に敵は次々とねじ伏せられていく。


「ここは私たちに任せなさい!

 こんなやつら皆でさっさと片付けて追い付くから、

 長を連れて彼の所へ!!」


「ノエラ、ここは頼みます! アメル!」


「はい! 三人程度であれば......」


アメルが念じるとアイリスと遠くで戦況を見守っていた長を

宙に浮かし、最後には彼女自身も高く舞い上がった


「おお、これは便利じゃのぉ」


「こうなってしまった以上、全員で目的地に着くまでは時間が掛かります。

 とりあえず先遣隊として我々が先に!」


「うむ、では方向はワシが示そう。

 飛ばしてくれ」


「老体に優しい速度にはしてあげないから、覚悟しなさい!」


風を切り、小高い木々の葉を散らして

三人は高速で向かう。

十分と掛からず、到着した


「この距離ならば皆もすぐ着くじゃろう、さて......」


長は準備に取り掛かった。

地に座し、胡坐をかいて目を閉じて両腕を突き出して

集中する


「アタシは何も見えないし、感じませんが......

 姉さまはどうです?

 目の前に結界とかあるのかどうか」


「視覚からは私も完全に異常を感知できません。

 しかし、違和感がある。

 やはり自然に根付く力による結界と、

 強引に魔法で包み隠すような結界では

 差があると確信しました。

 感覚では掴み切れないカモフラージュを作り出せる、

 マシック族の結界に対し、

 目の前のものは大気に微弱な波を生んでいるように感じます」


長は破界に着手した。

彼の身体中の紋様が光り、力が注がれ始め

薄っすらと見えなかった景色が現れていく


「おおっ」


感嘆の声を上げるアメルの横でアイリスも驚きに

目を見開いた。

見るからに組まれていく魔法陣が解かれていく


このまま進めば道は開かれる、という期待が

胸に膨らんだ時、

問題が起きた


「ヌアッ!」


鋭い破裂音と共に長が小さく悲鳴を上げて弾かれた。

まさかの事態に呆気に取られながらも二人は駆け寄る


「大丈夫ですか!?」


アイリスが助け起こした時に意識は回復しているようだった。

外傷も特にはない


「大したことは無い......

 しかし、難儀なことに気付いてしまった。

 此れには、どうやら反動の性質がある。

 要は反発式の押し戸じゃ。

 穴は開けられそうじゃが力を抜いた瞬間、

 弾かれてしもうたわ」


「では、抑え続ける者がいなくてはならないと?」


「うむ、しかし相当負荷が掛かるものじゃ......

 命を懸けねばならんかもしれん」


「ああっ、目的地はすぐそこだってのに......!」


焦りを見せるアメル、

無理は強いれないアイリス、

決断を迫られる長。


状況は大詰めまで来て足止めを喰らった。

どうすべきか悩む三人。



そんな彼女等の背後に足音がした

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