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帝国再興記~Gartschlands Gloria~  作者: 陸海 空
第6章:死にゆく者に花束を
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第4幕-6

趣味で書いているので温かい目で見てね。

 魔族はヒトやエルフ、ドワーフなどといった亜人と共に世界各地にいてその生命を謳歌していた。彼等は争いを好まず、お互いに助け合い、豊かな世界を築こうと努力していた。魔族は、知的生命体という点では同じであった。

 だが、ヒトは魔族の使えない魔法を行使できるにも関わらず、彼等の生物としての強靭さと生命力、おおいに異なる異形の姿に恐怖と嫌悪を募らせていた。それでも、各地の魔族はヒト族や亜人との共存のために奔走し、必死に辛い時代を生きていこうとしていた。

 そんな魔族にとって過酷な時代の中、とあるヒト族国家の人種差別と激化した他国民排斥運動に端を発した紛争が、世界各国の民族主義や排他主義を刺激し、各国はお互いに無数の国と交戦状態となる大戦争へと突入した。

 戦争は魔導や魔術、魔法の強大な火力と魔道具、そして"神の遺産"と呼ばれる失われた技術の産物である強力な武器や装置、膨大な力の投入によって戦火は急速に広がった。さらには、魔族の強靭な兵士としての戦力によって戦場の凄惨さは激化の一途を辿っていった。

 だが、あるヒト族の軍は戦争の原因を魔族の存在そのものに挿げ替えると、交戦する各国に協調を要請した。すると、戦争は誰もが驚くほど唐突に終結すると、人々は戦争によって狂った心の歪みを魔族への民族浄化によって発散し始めた。これに対して魔族は各国から逃亡し、ヒト族や亜人に見つからないように密かに生活をするようになった。そんな魔族の中で一部の者達は、大戦争の投入された攻撃魔法の戦火で不毛の大地となった場所に極秘に小さな村を作った。

 その村はプロイシアと名付けられ、十数人が暮らしていた。彼等は不毛な土地を必死に開墾し、自然を蘇らせようと努力を惜しまなかった。その結果、村には実りが増え森が蘇り、プロイシアの住民の生活は格段に良くなった。すると、各地から逃げ延びた魔族がその噂を聞きつけ合流し、プロイシアはいつしか村を築いた男であるフリードリヒを中心としたプロイシア王国となった。十数人だったが人口はいつしか万を超え、大規模な密林にまで復活した自然の中で身を隠しながら、魔族は再び訪れた安寧秩序にその文明を発展させていった。

 だが、戦争で発生した戦災の傷や、資金投入のために発行した戦争国債の返済を行えなくなった各国は、国民の政府や王へ対するフラストレーションへの対処がしきれなくなった。そんな彼らにとっては、戦火による不毛な大地を復興し、平和と繁栄を得るプロイシアは戦争負債返済と国民感情解決の策、何より魔族という労働力確保のための格好の獲物であった。

 かつて、戦争があった。

 プロイシア王国の建国宣言に端を発した紛争が、全世界を巻き込む全面戦争となった。

 ヒト族の各国は王国連合を形成すると、プロイシア王国対して侵攻を開始した。だが、ヒト族侵攻を予見していたフリードリヒは森林や山河などの自然環境を利用した綿密な戦争計画の元に、奇襲攻撃やゲリラ戦で抵抗を続けた。圧倒的に優勢となる筈だった王国連合は、戦争初期においてプロイシア王国軍に翻弄され、彼等は国境まで後退を余儀なくされた。

 戦争が膠着状態となって八ヶ月。王国連合軍は土地や生命に甚大な被害を及ぼす超位魔法を切り札に、プロイシア政府に降伏を迫った。これに対してプロイシア王国軍は、極秘に多数発掘していた数多くの"神の遺産"、"方舟"を投入、徹底抗戦の構えを取った。

 だが、それが人類史上最大の悲劇の引き金となった。

 勝利を焦った王国連合軍が同胞の被害さえも無視して作戦を強行。プロイシア王国軍も一歩も退くことなくこれに応戦。戦いは泥沼となり、ついには人類すべての故郷である父なる大地に甚大なダメージを与えてしまった。百億を誇った人口のほとんどは失われ、もはや戦争に勝ちも負けもなかった。

 いつ始まったかもわからない戦争によって、プロイシア国土は村だった頃以上に荒廃が進み、戦争継続は即ち国民一億総玉砕に等しいものとなっていた。そんな不幸の中、さらにフリードリヒが戦争による病に倒れると、プロイシア王国は一気に衰退の一途をたどり始めた。もはや魔族の威厳や未来のためではなく、軍人達は皆がヒト族への恨みと復讐のためだけで戦争を継続しようとしていた。

 崩壊するプロイシア王国の中でヒト族との絶対戦争が叫ばれる中、フリードリヒの名の元、プロイシア王国軍の一人の女が仲間の男と共に立ち上がった。その女は、自分をホーエンシュタウフェンと名乗り、フリードリヒの意思を引き継ぐものとして苛烈な徹底抗戦思想に進む者達を抑え込むと、"フリードリヒの望み"であった魔族の繁栄のために"方舟"を使った新天地への旅を立案したのだった。

 そのホーエンシュタウフェンの荒唐無稽な一億人もの魔族の大移動は軍人達からは批難の嵐となった。だが、瀕死の状態から命を出したプロイシア国王によって移民計画は実行された。

 その計画はプロイシア王国の無条件降伏を狙っていた王国連合には全力で避けなければならない事態だった。

 その方舟計画阻止のため、プロイシア王国同様に瀕死の状態であった王国連合最後の全面攻勢に、ホーエンシュタウフェンの友であり最愛の人であったリヒトホーフェンが部下達と共に決死の防衛戦を行った結果、彼等の死と引き換えに魔族は新たなる新天地への旅へ出たのだった。

 フリードリヒの死と共にプロイシア王国の名は消え、ジークフリート大陸へとたどり着いた魔族はホーエンシュタウフェンを皇帝とした新たな国"ガルツ帝国"を建国した。

 そして、数百年の時が流れた。極寒の地から砂漠まで様々な未開の土地での生活に苦難を続けた魔族達だったが、必死の開墾や開拓によってその生活圏を大陸全土再び広げた。そして、彼等は再びプロイシア王国にも劣らない繁栄を築いたのだった。

 だが、ヒト族の思想や文明は二度の大戦争を経ても何も変わらなかった。ヒト族は荒れ果てたファンダルニア大陸やリリアン大陸を必死に再建しようとしたが、結果的に独力のみの復興を断念すると再び再建された各国軍にて王国連合軍を再編成すると、海を越えてジークフリート大陸へと略奪のための侵攻を始めたのだった。

 ジークフリート大陸の安寧秩序を享受し過ぎた魔族には、突如として侵攻してきたヒト族には対抗しきれなかった。彼等は開拓と開墾のによって様々な技術を手に入れたが、戦争と闘争に明け暮れ、生き残るために手に入れた技術では大きく技術力や戦力に差が生まれ、ガルツ帝国の以降の歴史はヒト族の侵攻による虐殺と略奪、敗北の歴史だった。


「そんな…人との魔族の共存なんて…"聞いたことねぇなぁ、そんな話"だよ、んっ?聖剣は私より遥かに昔から国にいたんじゃ?"知らねぇもんは知らねぇよ"」


 ハルとカイムとの会食もある程度話が進みだすと、彼女は最も知りたかった魔族というものについて尋ねた。その疑問に無数のワインボトルやジョッキを空けていたカイムも、酔を覚ますように頬を叩いてピッチャーの水を飲み干すと、淡々と魔族の歴史を語ってみせた。

 その魔族の歴史は、ヒト族の歴史をある程度知っていたハルにとっては驚きのものだった。今まで聞いたこともなかったその内容に、彼女は目を丸くしながら思わず本音を呟いた。その本音に同調する聖剣の言葉にもハルは疑念を抱くと、怪しそうに見つめる彼女へ聖剣は呆れ半分で言い訳を言うのだった。


「そこからは、貴女がここに着くまでの道中で聞いたとおりですよ。ヒト族の五回の侵攻で帝国は崩壊の危機に瀕し、内戦まで勃発した」


「それを、5代皇帝アポロニア・フォン・ウント・ツー・ホーエンシュタウフェン殿下と総統カイム・リヒトホーフェンが指揮する帝国軍と親衛隊が鎮圧して、帝国は再建された。これが帝国の大雑把な歴史です」


 聖剣の言葉に眉をひそめるハルへと、アーデルハイトがまだ酔の覚めていないカイムの背中をさすりながら少し前の帝国の歴史を語った。それにカイムも付け足すと、二人は説明が終わったと主張するようにジョッキの中のビールを呷るのだった。

 その言葉にもまた驚くハルは、自分の知っている常識と異なるカイム達魔族の歴史に対して大いに困惑するのだった。彼女としては、魔族が今までの争いの原因としてそれを改善するためにジークフリート大陸へとやってきたのだった。それが、根本的な原因が自分達人間にあると言われたことで、ハルの思考は巡り巡って処理に困り始めるのだった。


「信じられない…だって、歴史では魔族はジークフリート大陸に代々いて、ファンダルニア大陸へと攻めてくるって…"ハルが聞いたのはそうだな。魔族はその強大な力と生命力で人を圧倒した。だから、人は魔法を得たってな"そう…そうだよね?"まぁ、間違いはないだろ"」


 そんな結論と判断に困ったハルが出した一言は、今までの知識を元にしてカイム達の言葉を否定するというものだった。それに過去の記憶や教わったことを尋ねる聖剣の説明口調に、ハルは若干早口になっていた口調や思考を冷静にさせた。

 その一言はカイムやアーデルハイトに困った表情を作らせたのだった。


「"魔族の歴史は、自己防衛と責任転嫁だらけの間違いだ"と?」


「そういうことは…"そうだろ?食い違いにも程がある"」


「確かに、食い違ってます。ですが…」


 困った表情のカイムが作ったようなキザな態度でハルへと尋ねかけると、彼女はその悪意のある言い方に返答と表情に困った。そんなハルに反して、聖剣は至って冷静に反論を述べた。

 その聖剣の反論を前にカイムは苦笑いを浮かべると、空になったジョッキの中身を見つめながら呟いた。


「貴女がその歴史を正しいとする根拠はなんです?」


 空のジョッキへとワインを波々と注ぐカイムは、ハルへ端的に尋ねた。その言葉は今までハルが聞かれたことのないものであり、彼女ほ大いに反応に困った。だが、カイムの視線は酔がまだ少し残るものの真剣さを感じると、ハルは今までの不真面目にして来た勉強の記憶をたどるのだった。


「歴史の教科書と…」


「その教科書は誰が何を見て作ったので?」


「マクルーハン教やテルヒ教、あとマルリース教の聖書とか…」


「宗教が歴史を作ってるんですか?」


 うろ覚えのハルの記憶は嘗て受けていた歴史の授業を思い出させた。その答えに更にカイムが詳細を尋ねかけると、ハルはその内容に困った。

 勉強するときには確かに教科書を使っていたハルだったが、その教科書の著者などは考えたこともなかった。そのため、ハルは大抵の歴史を教えた教師が元牧師だったことを思い出して宗教の名前を少し上げたのだった。

 そのハルの答えにカイムは驚きに一瞬だけ眉をひそめたが、その答えが嘘でないと理解すると深く息をつくのだった。


「何か、おかしいんですか?少なくとも宗教は長く世界を見てきていますよ?」


「"教典に従った偏見を持って"ですか?」


「なっ!"おっと、言うねぇ教皇さんよ"」


 自分達の歴史に関与する宗教を異物のように捉えるカイムの態度に、ハルは少しだけ不快感を持ちながらカイムへと尋ねかけた。

 だが、ハルの根拠の無い反論に尋ねかけたのは、テオバルト教の教皇であるアーデルハイトだった。宗教のトップが自己否定とも取られかけない言い方で尋ねかけた。その言葉にはハルも驚きで言葉を失い、聖剣も驚きの言葉を呟くのだった。


「確かに、宗教は世界や国に長く根付いて世界を見ているかもしれません。しかし、教えや教典、思想を挟んで見る世界は少なからず屈折しています。だからこそ、この国は全ての者から知ってる歴史をかき集め、詩集から雑多な覚書まですべて集めて調べたんです。これ以上、誤った認識や歪んだ意志が産まれないために…」


 そんな宗教家のアーデルハイトから真剣な表情で語られる持論を前にすると、ハルはなんと言えばいいのか解らなくなり、聖剣さえも黙ってしまったのだった。

 そんな困ってテーブルの上の料理へと視線を落とすことしかできないハルの気弱な姿に、やり過ぎたと反省するような表情のアーデルハイトはカイムへと助けを求めるように視線を向けたのだった。そんな彼女の態度に、カイムは肩を竦めるとジョッキの中のワインを呷った。


「"歴史とはあらゆる角度からあらゆる人間の側から調べなければ、ほんとのことはわからないものなの"って言葉もあります。だからこそ、私達は無闇にヒト族を怨み憎む思考からこの国を開放しようとした。まぁ、失敗しましたが、それでもこれだけの軍拡をしても大陸侵攻が叫ばれない程度には歴史や思想を理解したつもりです」


 できる限り明るい口調で場の空気を変えようとしたカイムの言葉は、宗教を主体とした並行論を繰り広げかけたハルに別な歴史観念の形を示そうとしたのだった。


「かなり昔ですけど、初代ホーエンシュタウフェンが女だって判って大騒ぎだったんです。聖書の内容さえも絶対なんて言えないんですよ?」


「あぁ、アポロニアが"女傑ホーエンシュタウフェン"って言ったのが気になって調べたやつですか?いやぁ、まさか瓦礫だらけの書庫の中に"魔族書紀"なんて貴重な本が埋まってるとは思いもしなったですよ」


「確か…カイムさん、あれを枕代わりにしていたんでしたっけ?」


「いやぁ、丁度いい大きさだったんですよ」


 そんなカイムの無駄話を含めた宗教が主体とならない国全体で組み上げた歴史を前にすると、固定観念を砕かれたハルも己の柔軟と思っていた割に硬い観念を自覚したのだった。

 ハルの冷静に考える姿を前にしたカイムは、話が水掛け論になるのを回避できたと安堵するとジョッキの中のワインをまとめて胃の中に納めた。


「そう…ですね…そもそも、私も魔族というものを知るためにここに来たんです。"おいおい、納得するのかよ?こんな適当な正論で丸め込まれてるだけだぞ?"でも、やっと知れたことを端から嘘だというのはおかしい話だよ聖剣」


「嘘だと思う気持ちは解りますよ。人は知りたいことだけを知り、聞きたいことだけを聞こうとする」


 冷静に考えをまとめたハルは、カイムに面と向かうとジークフリート大陸へ来た己の主たる目的を今一度思い出して説明した。そのカイムの意見を納得したハルに聖剣が反論するも、彼女の意思は固くなっていた。

 そんなハルへ不安の言葉を述べる聖剣にカイムが皮肉を述べると、ハルの顔を借りた聖剣はふてくされたように顔を背けるのだった。


「"ちっ…偉そうに"そうですね。でも、私は本当のことを知りたいんです。どうして、私の国の海軍の人達が貴方達と戦わなければならなかったのか。そして、私達はなんで戦っているのか」


 聖剣が一人呟く中、ハルはカイムに自身の意志とその理由を語った。その内容自体は第二艦隊からの報告でカイムも既に知っていた。だが、ハルという人物が帝国の利となるか怪しかったことで彼は彼女と腹を割って話す機会を設けたのだった。

 そして、ハルのその表情にカイムは納得したように頷くと、ズボンのポケットから小さなメモ帳のような物を取り出した。それをテーブルの上を滑らせて、カイムはハルへと渡した。


「これは?"旅券か?"旅券って?」


「帝国の旅券、つまりこの国の人間だと証明するようなものです。この国を見て回り、魔族を知るには貴女の身分は大きすぎですから、ハル・エア」


「凄い、この写し絵…写真でしたか?この…偽名まで用意してるなんて"面倒くさいあれこれも、最初からこれのためだったのか"」


 そのメモは精巧に作られた赤い表紙をもつパスポートだった。金の字でガルツ帝国の名を刻印されたそれを貴重そうかつ不思議そうに見つめるハルはカイムへと尋ねかけた。その答えを聖剣が先に述べると、そのパスポートという存在が解らないハルは不思議そうに中身を捲って調べ始めた。

 そんなハルの好奇心旺盛な子供のような姿に、カイムは微笑ましく思いながらも帝国総統としての口調を取りながら説明した。そんな彼の態度の変化に外交特使として話をしようとするも、ハルはそのパスポートの中身のほうが気になっていた。そんな彼女の代わりに聖剣がカイムの意図を察して尋ねかけると、彼は黙って頷いて窓の外へと視線を向けるのだった。


「帝国とて、ヒト族と戦争以外の外交手段が欲しいんです。話し合いでわかり会えればそれでいい。戦争は最後の手段ですよ」


 窓の外の街へと視線を向けて語るカイムの瞳には、戦場を駆けたことのある者が放つ独特な雰囲気をハルに感じさせた。そして、カイムが戦争というものを避けようとしている意思を感じたハルは、黙って頷きながらそのパスポートを懐のポケットへとしまったのだった。


「貴方には、帝国とヒト族との架け橋になってもらいたい。ヒト族の"剣聖"と呼ばれた貴方ならそれが出来るはずだ」


 そのハルの態度から、カイムは安心した笑みと共に彼女へ励ますような言葉を述べた。そして、いつの間にか空になっていたハルのグラスへワインボトルを傾けると、自分のジョッキへ傾けかけたそれをワイングラスへ改めて注ぎ直した。


「直ぐには架け橋になれると言いません。あなた達のことを私は、何も解ってないですから」


「なら、この国を旅して…全てを見るといい。きっと、もっと違う未来の見方が出来るはずだ」


 カイムの乾杯の意図を察した剣聖ハルがワイングラスを片手にいたずらっぽく微笑むと、総統カイムは彼女に勇ましく自信あふれる笑みで語りかけつつ返してグラスを合わせたのだった。


「ありがとうございます。"まぁ、好きにさせてもらうぜ。総統さんよ?"」


「旅行気分で構いませんよ。最大限、助力しますから」


 一気にワインを飲み干したハルがカイムに礼を言うと、全てを諦めた聖剣もカイムにも曲がった言い方ではあれども礼を言うのだった。そんな二人の態度と再び酒が回りだしたカイムは気分の良い笑みを浮かべると、ボトルの中の残り少ないワインをラッパ飲みして空にした。

 こうして、剣聖ハルのガルツ帝国巡りが始まったのだった。

読んでいただきありがとうございます。

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