夢たち
こんにちは。「現実を疑うと面白い」をテーマに短くて考える話を書いていこうと思います。
この小説は作者の夢で起きたことを中心に書いた短編集である。
1、夢落ち
彼の夢は「良い大学へ行き、良い職業に就くこと」であった。彼は実際にその夢を叶えるためにいろいろなことをしていた。学校では生徒会長を勤め、部活動ではテニスで全国を制覇していた。彼の高校は都会から離れており、通学こそ不便だが県が誇る優秀な学校。その学校をまとめる彼は学校の顔であり誇りだった。
ある日の通学、彼は何もないところで転んだ。傾く視線。次の瞬間すべてが「点」の世界に変わった。見えるもの全てが点なのである。もしかしたら「見える」という表現すらおかしいかもしれない。しかしながら彼の経験上それを「見える」以外の表現の仕方を知らなかった。次の瞬間驚くことに彼は驚くことに彼自身の名前を忘れていた。しかし彼は忘れたことすら気が付かなかった。
彼は自分の名前すら憶えていなかったが、この感覚は知っていた。「夢。」 そう、この感覚は夢から起きた時のあの夢の内容を覚えだしそうで覚えだせない時の感覚である。
彼の人生は「ナニカ」の夢の一つでしかなかった。