5話 アオ〇シラと遭遇?
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少し歩いていると兎が飛び跳ねてる所に出た。
「おお!兎!かわええ。」
そう、俺はケモナーだ。
週に5回は猫カフェ行ってるし、いや回数が大事なんじゃなくて猫とのコミュニケーションが大切なんだぞ!
閑話休題。
「さて、時間が無いので手っ取り早く探す方法を考えました。それで……」
「……。(1番の元凶はあなたですけどね。それにしても、か、可愛いものには興味あるんだ。へ、へぇ。いやいや!別にアーサーさんが好きというわけじゃないもん、でも嫌いでもない……うぅ。)」
『……。(むっ。アーサー様を狙うメスの匂いがする!)』
「……てなわけで、っておい!聞いてるのか?俺の話。」
「ひゃい!?」
完全に俺達は自分の世界に入り込んでいた。
反省反省。
「まぁ、いいや。ようは適当に暴れて誘き出す作戦で行こうと思う。大体の動物はテリトリーを作ってるから近くを良く見るとマーキングがあったりするんだぞ。ほら、そこの木とか、ありゃマーキングの仕方としては熊かな?」
木の幹に4本の傷が斜めに走っている。
「樹液がまだ出てないからそう時間はたっていないと思うぞ。」
「へぇ、詳しいのですね。」
「まぁ、熊は毛がゴワゴワしてて中は暖かくて気持ちいいぞ。」
前回動物園に行ったときに間違えて白熊の檻に入った時触ったから覚えている。
「へ、へぇそうなんですか。壮大な人生ですね。」
フウの解釈、この森の王者の毛を生きたまま触れるなんて凄い。
「そうだな、あんな経験は一度しかできないだろうな。」
会話が噛み合ってないチームである。
暫く歩いていると遠くで強い気配を感じた。
ソレを見た俺は凄く不愉快になった。
「フウ、しゃがめ。」
「え?は、はい。」
「いいか?俺が許可するまで頭を下げとけ。あと、絶対にこっちは見るな。」
あの熊さん、人を喰ってやがる。
一瞬だが棘のないアオ〇シラを想像してしまったから、どうしても蜂蜜をあげたくなる。
フウは一応ほふく前進の体制をとっているから了解したと解釈していいだろう。
「奪姫、形状は『刀』速度と切れ味重視。」
『了解。形状変化【刀】』
軽!アルミ缶よりも軽いだと!?
「当たる瞬間だけ重くすることって出来るか?」
『可能です。ただし、それには同期率を2割まで上げることになりますが……』
「同期率?何かデメリットが?」
『いえ、ただ。同期率を9割出してもアーサー様にならデメリットはありませんが多用するべきではありません。』
「使うことなんてあまり無いから安心しろ。行くぞ。」
『了解。』
ん?体が軽くなってさっきまでの気だるさが消えた。
これなら早く走れそうだ。
「飛ばすぞ。」
ふむ、軽くで時速7キロは出てるかな?現時点で大人も追いつけないだろう。常人は平均約5キロだとどこかで聞いたことがある。
これが同期か。
さてと、熊さんや食事をしていて背中がお留守ですよ。
街に行くまで俺はまだ、アーサーが『気配遮断』が出来るのなんて知らないのだ。
「フッ!」
「っ!?カヒュッ」
鬼、切りィ!なんつって。
さて亡くなった方には悪いが、熊と一緒に吸収させてもらった。
えっとカードがあり、何か書いてある。グレドグ・バイター、は吸収した奴の名前か?Bランク?魔導師?
「てか、熊さん弱くね?不意打ちが意味をなしていなかった気がする。」
「も、もういいですかぁ?」
あっ……完全にフウのことを忘れていた。
「あ、ああ、聞きたいことがあるんだが。」
「は、はい何でしょうか?」
「このランクとは何だ?」
そう、1番聞きたいのはこのランクと言うやつだ。
想像できるのはギルドか冒険者組合とかなんだけど。
「それはギルドカードですね、ほらこいう物ですって、あれ?でも何でかここに留まってますね。普通は使用者が死亡すればギルドカードは消滅するはずなのですが。」
どうやらフウはDランクらしい。
そ、そうなのか、よし今度から遺体はやたら吸収しないようにする。
吸収した遺体はステータスも自分に上乗せできる、つまり遺体と同じになる為ギルドカードは俺を主だと認識してるから消えない、ということらしい。
「それは作れるのか?誰でも?」
「ええ、ギルドに行けば誰でも。」
よし!行くところは決まった。
「コイツは売れるのか?」
「ハングリーベアーですかね?ですが大きさが違いますし、この黒色の毛は見たことがありません。目は魔物特有の赤銅色です。」
「これは黒色じゃなくて『勝色』って言うんだけどねぇ。名前は分からないのか?」
「ええ、見たことが無いので変種かも知れたません。」
自然発生した同種ではない種を『変種』と聞いたことがある。
人工的に種を変えると変種とは言わずに『品種』と言うんだそうだ。
ほら、品種改良とか言うだろ?そういう事だって。
「それは『黒変種』じゃないのか?」
そう、変種にも2種類あって『白変種』と『黒変種』がある。
白変種は色素、つまりメラニンを作る工程でメラニンが少なくなって白く見える病気である。
黒変種は白変種の逆でメラニンが多すぎて黒く見える病気である。
「そうです。これなら希少なので報酬は上乗せされるかと。」
ただこういうのは担いで持ち歩くよりアイテムボックスに入れた方がいいよな?でも入るのか?
『ええ、大きさには制限がありませんが、防御力に比例して重量が決まります。つまり、アーサー様は防御力が限界まであるので何も制限はありません。』
「了解、じゃあ収納収納♪さてと、他に……え、何?」
他になにか入れるものはないのかと聞こうとしてフウを見たら彼女は口をパクパクさせていた。
お前は魚か!
「おいフウ、他に運ぶものはないのか?」
「い、今アーサーさんの手のひらに出た黒い穴に熊がヒュッて!ヒュッて!」
ん?アイテムボックスを知らんのか?
「これ?アイテムボックスって魔法らしいぞ、さっき教えてもらった。」
「そ、そうなんですか?すいません見たことがなくて驚いてしまいました。」
まぁ、何とかアイテムボックスに熊を入れられたから次は街に行くぞ!
俺達のパーティはこれより街へ進行します。