第四話:秘密の特訓
誠は放課後に雅に呼び出されて秘密の特訓を行うことになるが・・・
━━放課後
誠は雅の言う通りに、グランド前にいた。
しかしまだ雅の姿は見えなかった。
「まだ雅来てないなぁ‥‥しかし特訓ってなんだろう‥‥まさか殴り合いをし続けるとか‥‥」
誠は身震いした。
「悪いマコっちゃん!こいつの準備に手間とってた。」
そう言って雅はサンドバックを指差した。
「マコっちゃんって‥‥てかサンドバック使って何するの!?」
「ぃや、俺マコっちゃんを初めて見たときから、筋肉の付き方とかがボクサーっぽいなぁって思ったから少し鍛えてやろうかと。」
【そんな理由でー!でも今強くなれば、もうパシリとかやらなくて済むかも‥‥!】
「よーし、じゃぁ強くなるためにやるよ。」
「そぉこなくっちゃ!じゃぁ早速サンドバックにパンチしてみてよ!」
雅は木にサンドバックを結び付けて、誠に指示した。
「よぉし、とりゃぁ!」
パフッ!
「‥‥お前駄目。」
「そんなぁぁぁ、どうしよぉ。」
「まっ、こつさえ掴めば大丈夫だろ。」
「?」
「俺が手本見してやっからよく見とけよ!」
「あ‥うん。」
雅はサンドバックの前に恐い顔で立った。
「うぉりゃぁぁ!」
バコーン!!
サンドバックと木をへし折った。
「‥‥すご。」
「ぃやぁ、今日は不調だなぁ。」
「ぃや、あんた木折ってるよ!」
誠は思わず突っ込んだ。
「まっ、コツとしては、まず軸となる方の足で地面を思い切り蹴る。これがないと、威力が出ない。」
「なるほど‥‥」
「そして‥‥蹴り以外に使うのは‥‥ここだ!」
「こ‥腰?」
雅は微笑み、そして頷いた。