第二話:HR委員
新しいクラスという事で、HR委員を決めようとするが・・・・・
「今日はHR委員を決めたいと思う、誰か立候補する人?」
担任の水野が言うが誰も先生の話を聞かず、ケータイやゲーム、タバコを吸うものもいる。
「おぃ、誰かやりたいやつはいないのか?」
「うるせぇなハゲ、黙れ!」
「そーだそーだ!」
一人の生徒に続きみんなからのブーイングだ。
正直誠は中学までのキャラを変えるためにHR委員になろうと思っていたが、このムードの中ではとてもじゃないけど手を挙げる勇気は出なかった。
「俺の‥‥いくじなし‥‥。」
「おぃ水野、俺がやるぜ!」
突如後ろの方から聞こえてきた声。
誠が振り返ると、そこには手を挙げる雅の姿があった。
「おい、結城、担任を呼び捨てで‥‥」
「んで、俺でいいの?HR委員は。」
「う〜ん、まぁ他に立候補するヤツはいないからな‥‥」
「俺がやる!」
またしても後ろの方から声が聞こえた。
手を挙げたのは、なんと昨日雅に気絶させられた大男、その名も小杉だ。
こんなとこで結城にいい気させてられっかよ!
HR委員になって、このクラスの政権握ってやる!
「昨日気絶したやつだぜ‥‥」
あちこちからこの言葉が飛び交う。
「ふっ今は笑うがいい、だが最後に笑うのはこの俺だ!」
「まぁ二人立候補者いるし、多数決するか。」
「ちょっと待て水野!」
「小杉、お前も呼び捨てに‥‥」
「HR委員を決めるのに俺が最も相応しい方法を考えた。その方法は殴り合いだ!」
これを聞いたクラスメートは、一斉に盛り上がった。
「よしっ、やれやれ〜!」
ヤジが飛ぶ。
「待て、殴り合いなんてやっていいと思ってるのか!」
「水野、大丈夫だよ、俺がすぐケリつけてやるからよ。」
「結城、そういう問題じゃ‥‥」
しかし水野の抵抗も空しく、HR委員争奪戦は開始するのであった。