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憂鬱
初めまして!友人に勧められ今回作品をつくらせて頂きました。駄文ではありますが、楽しんで頂ければ嬉しいです!
重苦しいローター音が対空砲の弾丸を防ぐ厚い鉄板を通して腹に響く。
強い風が吹いているのだろう機内はやや揺れる。
ああ、そうか。夢を見ていたのか。
…嫌な夢だ。
かなり懐かしい思い出が夢に出てきてしまった。
すぐに忘れようと景色を見るためにゆっくりと後ろを振り向く。
背中にある小さな窓からは砂漠とそれとよく似たベージュ色の半壊した建物達が見える。
誰だってこれを見れば、「ここは戦場だ」と容易に想像できる。
数秒のみ見つめてから向き直し、正面を見る。
そこには一面に同じ姿をした人型の機械がずらりと座席に並んでいた。
背中にはプラグが差し込まれている。
…斯く言う自分もその中に含まれているのだが…。
自分が起動したということは、他ももうすぐ起きるということだ。
「今日も始まるのか…。」
憂鬱な気持ちの中、プラグを引き抜き再び外の景色を見て、少しでも気が楽になるように努めた。