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《猫ユウシャよ……聞こえるかニャ……?》
朝、眠っていた俺は脳内に響く誰かの声で目が覚める。
《汝は猫ユウシャに選ばれたのニャ……》
寝起きで頭がぼうっとしている俺は、ただ聞き流している状態だ。
猫ユウシャ……? 何の事だ……?
《汝はこれより、猫ユウシャとして猫セカイを救わねばならん……》
《迎えの者を送るので、彼に着いて行くがよいニャ……》
そこでスッと声が消えた。
猫ユウシャ? 猫セカイ? 何の事やらさっぱりわからない。
もしや神様のお声!? いや、そんなわけない。
俺は至って普通の高校二年生。神西ソウスケ。容姿も並、成績は中の上。地味でも目立つわけでもない、クラスの大半を占めるようなそんな奴。
神様の声なんて……馬鹿馬鹿しい。そんなものあるわけない。
きっと夢だろう。いいや、夢だ。
俺の頭がそんな猫ユウシャとか聞こえてしまうメルヘンチックな頭になっていると知られたら……ああ、もう学校には行けない。メルヘン神西とか、小学生がつけるようなあだ名に悩まされる事は必至だ。
「ソウスケ! 早く起きなさい!」
母親の声が階段の方から聞こえる。
猫ユウシャとか考えてる場合ではない。まずは学校。支度しなければ。