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闇に恋して  作者: 冴島月ノ助
誘惑の闇
37/126

明ける

「はぅあ~~~~」


 結局、真由は昨日一睡も出来なかった。ずっと頭の中を支配していたモヤモヤが、あの一瞬で真っ白になった。


(もう小澤くんの笑顔が頭から離れない!)


(ダメダメ真由!! これ以上近づいたら、あたしの中の何かが崩れてしまう)


 真由は自分の考えをを掻き消すように頭を振った。


「おはー……って、うわ! ヒドイ顔してるよ? 大丈夫?」

「み、美月ちゃんッ!?」

「ま、こっちの人はもっとヒドイ顔してるんですけど。プププ……」

「みーづーきー」

「え!? 篠宮くん! どうしたのその顔ッ!?」

「おはよう、野々村さん……」


 力無く笑う篠宮の鼻には、大きな絆創膏。その大きな絆創膏からはみ出た痣が何とも痛々しい。

 そんな篠宮を見て、美月はお腹を抱えて笑っている。


「あのな。これ、お前のせいだからな?」

「だからそれは謝ったじゃん」


(絶対それ謝る態度じゃないよ、美月ちゃん)


 誰から見ても上から目線の態度で謝ったと言う美月に真由は突っ込みたかったが、それよりも事の真相の方が気になって仕方なかった。


「どういう事?」

「いや、それがさぁ!」


 よくぞ聞いてくれましたという顔で、話し始めた美月。


(美月ちゃん、話したくて仕方なかったんだね……)


「昨日あまりにしのみやがウザイから殴ったの」

「うん。……あ、え?」


 当たり前のように言うからうっかり頷きそうになってしまった。


(ウザイから殴ったの、って……美月ちゃんすぐ手が出るんだから)


 真由は昨日の情景が頭に浮かぶ。


(……てゆーか。あの後、殴ったのか?)


 その様子が容易に想像出来てしまう。真由が考えていたような事は何一つ起こっていなかったようだ。

 美月は嬉々として話を続ける。


「そしたらさぁ、しのみやの鼻血止まんなくなっちゃってさぁ」

「えー! それ大丈夫だったの!?」

「そんなんで、昨日は無断で練習休んじゃって、ごめん」

「いや、それは全然! ってか多分篠宮くんが謝る事じゃないよ」


 元凶の美月を見たら、『あんなに鼻血出てる人初めて見た』と篠宮の鼻をまじまじ見つめている。


(全然反省してないこの人)


 昨日心配していた事とは別の意味で、心配な事が二人の間で起きていたようです。


(良かったような……良くないような)


 しかし一つモヤモヤが消えて、少し軽くなった真由の心はもう新たな心配事が支配していたのだった。

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