【幕間閑話】気まぐれに口づけて
塞がれていた唇が離れては、また近づいて。
あたしはあなたの気まぐれについていくだけで、必死。
「さや……」
触れたままの唇からあたしの名前が零れた。
もう胸のドキドキが止まらなくて、どうにかなっちゃいそう……。
あれは一週間前。
この胸のドキドキは、何の脈絡もなく、突然訪れた。
「お前、俺の事好きだろ?」
話した事などない。
彼のファンで、ただ憧れていた。
「俺が気づかないと思った?」
ニヤリと自信ありげに笑って近づく。
心臓が壊れてしまうんじゃないかと思った。
強気な言葉とは裏腹に、優しく唇が触れる。
それが全ての始まりだった。
「ねぇ、生徒会ってみんなモテるじゃん?」
「あぁ俺なんか特にね」
「でもさぁ、なんであんなに女のコの噂が絶えないのかな?」
「何? 俺じゃ不満?」
「違う違う! ……そんなんじゃないけど」
「俺達さぁ、女のコのエネルギー貰わないと生きていけないの」
「何それぇ?」
「だからぁ、俺はさやがいないと生きていけない訳」
「ホント? あたし司の役に立ってる?」
「ちょーマジ、さや最高だから」
司の言ってる事は、よく分からなかったけど。
抱き締められたら、それがホントでもウソでもどうでもよくなっちゃった。
世界中の人に馬鹿だと言われても構わない。
たった一人、司が最高と言ってくれるなら。
……なんて思っちゃう辺り、相当ヤバいかも、あたし。




