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名前泥棒  作者: 麻生 閃
2/22

暑イ日ワ涼シイ所エ。



きっかけは些細な事から。




その日はとても暑い日だった。

夏休み真っ只中だというのにプールが何故か閉まっており、しかも家のクーラーも壊れている。

あまりのクソ暑さに、天国を求めこの市立図書館に逃げ込んだ。


「つっても、本なんてロクに読まねぇのに来てしまった。」


いや。この際だから何か本を読んでみてもいいかな。

やっていたゲームも攻略したし、友達はここぞとばかりに塾に行っている。

調度、暇だったんだ。そう思い本を探していると、一つのタイトルが目に入った。


「『泥棒のススメ』?」


手にとって見てみると、舞い上がった埃が喉を痛めた。相当長い間読まれてなかったのか。

濃い赤い色の本。

どこか西洋風の雰囲気のする、少し分厚い本だ。

文字が金で装飾されている。

3年前であれば高かっただろうな。

でも、何故だろう。

この本にやけに惹かれる。

気が付けば、俺はこの本を持って椅子に座っていた。


「……『泥棒のススメ。泥棒はいつも孤独でなければいけない。泥棒はいつもクールでなければならない。そしてスマートでなければ……』なんだこりゃ。」


やけに惹かれた割には、なんつー内容だ。

こんな内容なら、埃まみれになるまで放置されても仕方ないよな。


「ふぁ……眠い。」


時刻はまだ昼過ぎなのに、欠伸がでてきた。

慣れないことをしたから、拒絶反応でも出たか。

そして俺は机に身を沈めた。



本のページが風もないのにめくれたのも気付かずに。








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