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1.嫌いな後輩が死んだ

大嫌いな会社の後輩が水難事故で死にました


「可哀想……まだお若いのにねぇ…」


「海で泳いでたら波にのまれたって…」


職場は後輩の話題で持ち切りとなっていた。これでは今日は仕事にならないであろう。


ポチポチ

【嫌いな後輩が死んだ笑 夏嫌いだったけど、捨てたもんじゃないなぁ】


SNS炎上覚悟で───なんて…自分にはフォロワーは居ない。フォロワー数0の私は呟いた。

勿論────イイネはつくわけがない

ついたら不謹慎すぎるから。


ピコン─────


「え」


【水人間さんがあなたの投稿にイイネしました】


「水…人間?」


ピコン────


【おめでとうございます。素敵な夏になりそうですね。今日は祝福の雨で乾杯しましょう】


「ぷっ……祝福の雨って───」


何だそれ…と、思わず笑みを零す──すると


ザァーーーーーー…………


窓の外を見ると、先程まで晴れていた筈なのに、土砂降りの雨が降っていたのだ。


「タイミング……凄くない?」


ポチポチ

【水人間さん、コメントありがとうございます。まさかの雨が急に降ってきてビックリ笑 もしかして、本当に降らせた?笑】


「ふふ……まさかね───」


送信ボタンを押したタイミングで、デスクをバンっと叩かれた、お局の齋藤さんに。


「ちょっと、雨宮さん!何笑ってるの!?────林さんが亡くなったって言うのに……不謹慎じゃない!?」


馬面のお局・齋藤さんは怒り心頭。どうやら私がスマホをイジって笑みを零してしまったのが気に食わなかったらしい。

「別に、彼女が死んで嬉しいって意味で笑った訳ではないので」と、嘘とほんの少しの真実を真顔で伝えると


「はっ………どうだか───貴女、林さんの事嫌ってたよね?。もしかして……貴女が溺れさせたんじゃないの?」


(本当に……この人マジでウザイな…。どうしてこういう人間が生きてるのか……。)


あーあ、コイツも死ねばいいのに───

そう思いながらスマホに目をやると


ピコン

【水人間さんがあなたをフォローしました】


(あ…フォローしてくれた)


ピコン

【今夜、齋藤は風呂で溺死します】


「え……」


「人殺しが職場に居ると落ち着かないわぁ~」


ピコン

【22:44───楽しみにしてて下さい】


「ま……まさか……ね」

















その日の夜────齋藤さんが死んだ

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