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◆4 こんな終わり方ってある!? 私は断じて認めない! 神様! 何してるのよ! 成り上がりの強姦魔と、優しげな顔で国民を誑かす王妃を討ち滅ぼしてください!

【第四話】


 パトリシアが平民街の倉庫で、ミレー男爵令嬢と共に、中年の暴漢ヒース公爵と、その姉、ドルテア王妃に復讐を誓ってから一週間後ーー。


 予定通り、王宮内の舞踏会場において、国王夫妻が臨席する、盛大なパーティーが催されていました。

 パレス王国の唯一の王子、ライン・パレスが、隣国の第三皇女レイナ姫と婚約することを発表するための催しでした。


 婚約者の皇女レイナ姫本人が宴に顔を出していないことは、隣国からパレス王国が下に見られていることを意味すると考え、パーティーに出席しない貴族もいました。

 ですが、高位貴族の大半が出席し、パレス王国の実質的支配者であるドルテア王妃に挨拶と祝辞を述べていました。


 そして、ドルテア王妃が可愛がる弟、ヒース公爵は、王妃が座る席の傍らに立っていました。

 ライン王子と、バッド国王が、王妃の横に並んで座っていましたが、とても影が薄く、二人とも正気のない表情で、置き物のように鎮座しているだけでした。


 貴族からの挨拶を終えた王妃が席を立ち、横にいるライン王子に向けて手を振り向け、婚約の発表をしようとした、そのときのことでした。


「その前に、お知らせしたいことが!」


 と叫ぶ、甲高い声が、舞踏会場に響き渡りました。


「なんだ、貴様らは!」


 近衛騎士団長が怒鳴って、声の主の腕を掴みます。


「ちくしょう。手を離せ!」


 と騒ぐのは、悪い噂が立ちまくっていたミレー男爵令嬢でした。

 その隣には、街中へ出奔したと噂された、パトリシア伯爵令嬢が立っています。

 パトリシアは、ミレーの腕を掴む近衛騎士団長の髭面を見て、声をあげました。


「あ! 貴方は!?」


 かつて、パトリシアがヒース公爵に襲われたとき、王宮に警固をしていた衛兵でした。


「貴方、じつは近衛騎士団の団長だったの!?」


 近衛騎士団といえば、本来、国王陛下を護衛する騎士団のはず。

 その団長ともあろう者が、衛兵のフリをして、生贄となる令嬢を王宮内に誘っていたとは!

 彼が、王妃の命令で、ヒース公爵の性犯罪を手助けし、その結果、高い地位を保てていることが、容易に想像されました。


 髭面の団長は、後ろ暗い思いがあるからか、よけいに苛立ちの声をあげます。


「うるさい!

 貴様らは、この宴には招待されておらぬ。

 王子様の婚約発表を邪魔立てするつもりだな。

 出ていけ!」


 騎士団長の発言を受けて、列席のご婦人方が、扇子で口許を隠してヒソヒソ話します。


「あらあら。王子様の婚約者の地位を狙ってヒース公爵様に取り入ろうとした、はしたない令嬢方ですわよ」


「この期に及んで、まだ王家に取り入ろうとしているのかしら」


「王妃様もご苦労が絶えないわね」


「彼女たちの親はどうしてるの? 男爵の方はご欠席のようですけど……」


 扇子で覆いながらも、彼女たちの言葉は会場内に響き渡ります。

 それらの発言を耳にして、ドルテア王妃は、慈愛に満ちた笑みを浮かべました。


「あら、お可哀想なお二人ですわ。

 弟のヒースに身体を捧げてまで婚約者になりおおせようとしたのに、残念ですこと」


 貴族たちが嘲笑する中、ミレー男爵令嬢が近衛騎士団長によって床に叩き伏せられました。

 グラスソード伯爵夫妻ーーパトリシアの両親は、顔を真っ赤にさせて怒っています。

 ミレー男爵令嬢のご両親は、会場に来てすらいませんでした。


 それでも、パトリシア伯爵令嬢は胸を張り、会場の中央に立ちます。

 そして、天井からの白い光を浴びながら、ヒース公爵を指さしました。


「私は弾劾します!

 王妃殿下の弟にして、公爵になりおおせたヒース!

 貴方は、少なくとも、私と、こちらのミレー様を強姦なさいました。

 他にも数々の暴行を行なったことを、私は知っております。

 悪行を認めて、私たち、被害者に謝罪を!」


 王妃は扇子を広げて笑います。


「あらあら。小娘を金で買うような遊びを、まだなさってたの、ヒース?」


 姉にからかわれて、中年の弟は頭を掻きました。


「すいません、姉上。ちゃんと身分をわきまえるよう、脅しておいたんですがね」


 そう言って、ヒース公爵が、二人の令嬢を睨みつけます。

 パトリシア伯爵令嬢と、床に押し付けられたミレー男爵令嬢は、生唾を飲み込みます。

 暴露したら、このオッサンの子を孕む魔法をかけられているーーという噂があったからです。


(ほんとうに、そんなえげつない魔法があったら、どうしようーー)


 と、緊張していたのです。

 ですが、中年のおっさんは睨みつけるだけで、令嬢二人に、何の変化もありません。

「勝手に孕まされる魔法がある」というのは嘘ーー単なる脅し文句だったようでした。


(ふう……)


 膨らむ気配がない腹を撫で、パトリシアも安堵の溜息を漏らします。


 ですが、安心するのは早かったようです。

 パトリシアの身体に、魔法による変化が起きたのです。

 黒い蔦のような魔法紋が、全身に広がっていきました。


(強姦魔め。また緊縛魔法をかけるつもり!?)


 パトリシアは会場中央でしゃがみ込みます。

 その姿を目にして、ヒース公爵はニチャとした、気持ちの悪い笑みを浮かべました。


 周りから見たら、突然、闖入(ちんにゅう)してきた二人の令嬢が、取り押さえられる、絶体絶命のピンチにみえました。

 ーーでも、パトリシアたち本人にとっては、そうではありません。

 ヒース公爵に、得意の緊縛魔法をかけさせることは、彼女らの意に沿うことでした。

 彼女たちは二人して、「しめた!」と思っていたのです。


 衆人環視の場で、私たち二人の若い娘が緊縛魔法にかけられたら、どうなるでしょう。

 結果として、私たちがヒース公爵にレイプされたという訴えの信憑性が増すに違いありません。

 これを見た貴族たちも、思うことでしょう。

 ひょっとしたら、彼女たちの訴えは本当だったのではないか、と。

 パトリシアたちは「被害を暴露したら妊娠が始まる」などという魔法は、さすがにあり得ない、荒唐無稽な脅しである、と判断していたのです。

 そして、ヒース公爵の切り札は、もっぱら緊縛魔法なのだ、と決めつけていました。

 そのうえで、もとより、大勢の人々の目の前で、ヒース公爵に緊縛魔法をかけさせ、その状態で、「暴行された!」と改めて主張するつもりだったのです。


 ところが、ヒースの魔法は緊縛魔法だけではありませんでした。

 相手の動きを封じるだけでなく、相手の身体に好きに紋様を刻むことができたのです。


 パトリシアが、


「みなさま! 見てください。

 こうして、私たちはヒース公爵によって、身体の自由を奪われーー」


 と声を張り上げている最中に、人々からざわざわとざわめきが起こりました。

 悲鳴をあげるご婦人までいました。


 ヒース公爵が好きに紋様を刻める能力を発揮した結果、パトリシア伯爵令嬢とミレー男爵令嬢の額に、髑髏(ドクロ)のマークが浮かび上がったのです。


 ドルテア王妃が、金切り声をあげました。


「ああ! あの額に浮かぶ髑髏の紋様を、ご覧になって!

 あれこそ、悪魔に魅入られた印。

 悪魔崇拝に従事する者の証です!」


 王妃はわざとらしく身を震わせ、隣の玉座にあるバッド王は顔を(しか)めます。


 そこへ都合よく、神官が二名、現われました。

 ヒース公爵の後ろで控えていたのです。


「教会の名誉に賭けて、この娘二人を異端審問にかけましょうぞ!」


「即座に、この娘どもを牢獄に閉じ込めよ。

 以降、身柄は教会が預かる。

 もし悪魔崇拝者ならば、実家ごと廃絶であると知れ!」


 神官の宣言を耳にして、ミレー男爵令嬢は涙を流し、パトリシアの両親は膝から崩れ落ちました。


 絶対絶命の状況でした。

 今、パトリシアの身体は動きません。

 ですから、瞳だけを動かして周囲を見回します。


 ご婦人方の蔑むような、恐れるような目。

 貴族男性たちの嘲る顔。

 そして、芸術発表会で見かけた令嬢方の、泣きそうな顔ーー。


 パトリシアは会場中央に立ち、天井にある白いステンドグラスに向かって叫びました。


「こんな終わり方ってある!?

 私は断じて認めない!

 神様! 何してるのよ!

 成り上がりの強姦魔と、優しげな顔で国民を(たぶら)かす王妃を討ち滅ぼしてください!」


 パトリシアの叫びが、場内にこだまします。

 すると、パトリシアの祈りが天に通じたのでしょうか。

 天井のステンドグラスが、突然、白く輝来始めたのです。

 そして、白い光が、パトリシアの身体を包み込みます。

 その結果、額に浮かんだ髑髏のマークも、身体に刻まれた魔法紋も、次第に消え去っていきました。


 玉座にあったバッド王は腰を浮かせ、声をあげました。


「おお、き……奇蹟だ!」


 ざわざわと喧騒が広がります。

 パトリシア伯爵令嬢の身体が光に包まれた光景に見惚れると同時に、久しぶりに耳にした王様の声に驚いていたのです。


 パトリシアの身体から紋様が消えていく事態に、ヒース公爵は目を丸くして、


「なぜだ!? こんなことは、初めてだ」


 と歯噛みします。


 ですが、パトリシアにはわかっていました。

 この光の感触は、癒しの力でした。

 魔力を宿したステンドグラスを通した陽光なのです。


(そうか、私の願いが、魔力となって、天井のステンドグラスに感応したんだわ。

 だったら、今こそ、私は願います。

 あの薄汚いおっさんと、その姉に天罰を!)


 パトリシアは懐からステンドグラスのお守りを掲げます。

 そして、天井に向けて、祈りと魔力をぶつけました。

 すると、天井のステンドグラスが聖なる光に満たされ〈真実の窓〉が開いたのです。


「見ろ、あれを!」


「あれはーーあられもない、令嬢の姿……そこに覆い被さるのはーー」


 ざわざわ。


 みな、天井のステンドグラス〈真実の窓〉を見上げます。

 そこには私、パトリシアがヒース公爵に襲われたときの映像が浮かび上がっていました。


 幸い、被害女性からの視点での映像でしたから、大きく映し出されたのは、もっぱら裸のおっさんが襲いかかってくる場面です。

 強姦魔のありのままの姿が、天井のステンドグラスいっぱいに描き出されたのでした。

 

 パトリシアは、周囲に隠れるように潜む〈仲間たち〉に向かって、叫びます。


「今です、令嬢方!

 天井のステンドグラスに向かって、被害を訴えてください!

 必ず聞き届けてくださいます!」


 真っ先に応じたのは、ミレー男爵令嬢でした。

 彼女は、騎士団長が手を離した隙に立ち上がり、天井に向けて絶叫します。


「ヒース公爵は、私の純潔を奪いました!

 私は王子様に捧げるつもりでしたのに!

 神様! アイツのアレを切り落としてください!」


 天井のステンドグラスでは映像が切り替わり、今度は、ミレー男爵令嬢の身体の上に、でぶった中年男が馬乗りになって、首を絞めてる光景が映し出されました。

 さらには、見知らぬ暴漢に、彼女の腕が斬られる場面も。

 そのフードで顔を隠した暴漢どもが、王妃の前でひれ伏す情景も描き出されたのです。


「次は、私が!」


「私も!」


「私には恋人もいたのに、こんなクズな男に……!」


 ハーマン子爵令嬢やベレット公爵令嬢、ダレアス侯爵令嬢らが、泣きながら会場中央に進み出て、天井を見上げます。

 その度に〈真実の窓〉は、彼女らが受けた辛い仕打ちを、映像にして浮かび上がらせました。


 もちろん、すべての被害女性が、進み出たわけではありません。

 今回の宴に出席していない令嬢もいましたし、たとえ大見出しにされなくとも、自分が被害に遭う場面を、衆人に見せたくない令嬢も、当然のごとく、大勢いたのです。

 それでも、パトリシア伯爵令嬢やミレー男爵令嬢をはじめ、十二人もの令嬢が〈真実の窓〉を使って自身の性被害を告発したのです。


 舞踏会場は、かつてないざわめきで覆われました。


「彼女らの訴えは真実だったのだ!」


「私は知っているぞ。あの天井のステンドグラスの名を。

〈真実の窓〉というのだ。真実の姿を描き出す光だ、と」


 列席していた貴族たちの視線が、ヒース公爵、そして隣に座るドルテア王妃に向かいます。

 彼ら姉弟が初めて体験する、厳しい視線でした。



 そこへ、五、六人もの騎士が、場外から押し入ってきました。


「大変です!

 王都にある、すべての建物にあるガラス窓に、ご令嬢と思しき若いご女性が、あられもないお姿で、太った暴漢に襲われる映像が次々とーー」


 騎士がそう報告したとき、列席する貴族の面々の視線の向かう先に目をやります。

 そこには、王都中の窓に映り込んだ「強姦魔」の姿がありました。


 騎士たちは居住まいを正して片膝立ちとなり、国王陛下に向かって進言します。


「あの映像が真実であれば、暴漢を捕らえるべきかと存じます」


「王都全域で、あの映像が見られたのです。

 ここで強姦魔を見過ごしたら、我ら騎士が、街の治安を預かることができません」


 緊張した空気が張り詰めます。

 そこへ金切り声が響き渡りました。


「こんな映像ーー嘘よ!

 これは、あの妄言を吐く女どもの執着を映し出すのみ。

 真実とは限らないわ」


 ドルテア王妃が扇子を閉じつつ、叫んだのです。


 ざわざわと、再び喧騒が湧き起こりました。


「黙れい!」


 いきなり、聞き慣れぬ声がとどろきます。

 バッド国王陛下が、玉座から立ち上がっていました。

 そして、王笏(おうしゃく)を握り締め、命令を発しました。


「古くよりの伝承に伝わる〈真実の窓〉を通じて、これだけの令嬢方が恥をしのんで告発しているのだ。

 無罪放免というわけにはいかん。

 司法省長官!

 近衛騎士団長!

 ヒース公爵の処断は、いかようになるや!?」


 白髭を蓄えた司法長官は、オドオドした様子で、王妃の顔色を窺い、嗄れ声を出しました。


「証拠としては弱いかと。

 なにぶん、今回のような、ステンドグラスを通じての映像に、どれほどの真実味があるのか、検討もしておらぬので……」


 髭面の近衛騎士団長は、大きな身体を丸めながら、うわずった声をあげました。


「我ら近衛騎士団は、そもそも王家に仕えるもの。

 であるならば、王妃殿下の弟御を糾弾する令嬢方こそ、王家に対する叛逆罪で拘束ーー」


 みなまで言わせず、バッド国王は大声を張り上げました。


「愚か者どもめ!」


 いきなり王笏で、床を強く打ち付けました。


「近衛騎士団は本来、余ーー国王にのみ仕えるものだ。

 王妃とその弟めを捕らえよ!」


「ハッ!」


 溌剌とした声をあげたのは、場外から乗り込んできた騎士団たちでした。

 彼らは総出で駆け寄せて、ヒース公爵を捕らえます。

 ヒース公爵は、近寄ってくる騎士に対して緊縛魔法をかけて抵抗します。

 ですが、緊縛魔法は一人二人にかけるのに精一杯で、一度に五、六人もの騎士を拘束することはできなかったようです。


 さらに、近衛騎士団の面々が動き、王妃と司法長官、そして近衛騎士団長を捕縛しました。

 その間、近衛騎士団長は呆然としていました。

 腕を後ろに曲げて押さえる近衛騎士は、団長の耳元で囁きました。


「我々はこれ以上、王妃と弟御の醜い欲望に付き合わされたくありません」


 さらに、王様は命令します。


「次いでに神官どもも捕らえよ。

 ヤツらは王妃から多額の賄賂を受け取っておる」


 神官二名が悲鳴をあげて逃げようとしますが、騎士が後ろから押し倒し、腕を捻じ曲げられました。

 それを見てから、バッド国王は、煌びやかに装飾された衣服を脱ぎ捨てます。

 列席する貴族たちが呆気に取られる中、王様は叫びました。


「見よ! この身体を」


 バッド国王が上半身、裸になります。

 胸の中央に、髑髏の印が浮かび上がっていました。


「余は、これをヒースに刻まれてしまった。

 あやつは自在に魔法紋を刻むことができるのだ。

 おかげで余は縮こまってしまった。

 悪魔崇拝者というレッテルを貼られたら、我がパレス王国の将来が危うくなる。

 せめてライン王子が跡を継げるまでは耐えねば、と考えたのだ。

 教会によって異端審問にかけられるのを避けるため、隠し続けてしまった。

 その結果、余はヒースと王妃めの言いなりにさせられた。

 だが、もう、許せん。

 これは悪魔の印でもなんでもない。

 このような魔法、かけられる方が異端ではなく、かける者の方が異端なのだ。

 これほど多くの令嬢方が、悔し涙に暮れていると知っては、捨ておけん。

 余も仲間に加わらせてもらう」



 国王による糾弾を受けながらも、ヒースはしぶとかった。

 隙を見て、近衛騎士団の手から逃れていました。

 そして、彼らに自ら触れていって、緊縛魔法をかけていきます。


「ぐ……しまった!」


「う、動けぬ……」


 近衛騎士らの呻き声を尻目に、ヒース公爵は、ドルテア王妃の許に突進しました。

 そして、王妃を取り押さえていた騎士たちを粉砕し、姉に手を差し伸べます。


「姉ちゃん! この場は逃げようぜ。隣国に亡命するんだ!」


 弟の手を掴み、その提案に乗りつつも、姉は苛立ちを隠しきれません。


「ちっ、アンタがいつまでも若い女に執着するから、こんなことになるのよ!

 もう若くないんだから、年相応の女を相手にすれば良いのに。

 尻拭いをさせられるコッチの身にもなってよ!」


 弟は鼻を鳴らしました。

 彼はハナから姉の忠告に耳を貸すつもりはありません。


「仕方ねえだろ。

 若い女が嫌がってるのを、無理やりヤルってのが、一番、興奮するんだから。

 そこらへんは、地位が高けりゃジジイでも構わないっていう姉ちゃんとは違うんだ」


 どこまでも下衆な弟に、姉のドルテアは舌打ちします。


「ったく、せっかく(うま)くいっていたのに。

 私は悪くない。

 この王国を隣国と強く結びつかせて、逆らえなくさせてーー。

 私は立派に務めを果たしてきたのよ。

 息子もいることだし、体勢を立て直して、すぐ戻って来てやる!」



 ぎゃあぎゃあ議論しながら、中年の姉弟が、出口へと走って扉を開けます。

 すると、そこにはザックたち、ステンドグラス工房に勤める者たちが待ち構えていました。

 王妃とその弟を睨み付けて、ザックは両手を前へと突き出しました。


「待ってたぞ、腐れ姉弟ども。

 放て!」


 ゴオオオオ!


 雄叫びとともに、炎が巻き起こりました。

 ザックの両手から火炎魔法が放たれたのです。

 ほかの職人たちも、ガラスを炙る装置から火を放ちました。


「いやあああ! 熱い、熱いーー!」


「ギャアアアア!」


 姉弟が揃って叫び声をあげます。


「積年の恨み、覚悟!」


 ザックは剣を手にして、のたうち回るドルテア王妃の胸を突き刺しました。

 次いで、ヒースに顔を向け、剣を振り上げます。


 そのとき、彼の耳に、パトリシアの声が響いてきました。


「ザック! そのクソオヤジは殺さないで。

 今までの罪を白状させるんだから!」


 お嬢様の声を受けて、ザックの動きが一瞬、鈍りました。

 悪漢ヒースは、そのわずかな隙を逃しません。

 ザックに向けて、瞬時に緊縛魔法をかけたのです。


「ぐ……か、身体がーー!?」


 ザックも工房のみんなも、身動きが取れなくなってしまいました。

 ヒースは、太った腹をパシンと叩いて哄笑します。


「はあっはははは!

 巧くいったぜ。

 一度に五人以上を魔法で縛ったのは初めてだ。

 火事場の馬鹿力と言うやつだろうな。あばよ!」


 ヒース公爵は、ザックらの横をすり抜けて、王宮から逃げ去ろうとします。

 ところが、このとき、またもや新たな人物が、ヒースの行手を遮ったのです。


 ヒース公爵の甥っ子である、ライン王子でした。

 王子は両手を大きく広げて、叔父の進行方向を全身で塞ぎました。


「ヒース叔父さん。私を忘れてもらっては困るな。

 私は、貴方を決して逃さない。

 抜け目のない叔父さんなら、きっと会場から逃げおおせると思ってたんだ」


 ライン王子は、会場が混乱するのに乗じて、ヒースの行手に先回りしていたのです。

 普段から、影が薄いおかげで、気づかれずに行動できたのでした。


 ヒース公爵は歯噛みします。


「どけよ、この置き物ふぜいが!」


 王子は両手を広げたまま、首を横に振りました。


「ほんとうに、いつもいつも迷惑してたんだよ、叔父さんには。

 私を(ないがし)ろにするだけなら許せますが、私を慕ってくれた令嬢方に、あんな酷いことをしていただなんて。

 腹が立って仕方ない。

 ほんとうに、活動的な馬鹿ほど、始末が悪い……」


「へっ! ほざけ!」


 ヒースはキッと睨み付け、王子に緊縛魔法をかけました。

 すると、拍子抜けするほど、あっさりと、王子は身動きできなくなってしまいました。

 ヒースは肩を揺らせます。


「はっはっはっ。これで正真正銘のき置物になったな!」


 それから、ゆっくりとした足取りで迫り、王子の綺麗な頬を撫でました。


「ほんと、おまえは男のくせに、妙に可愛いツラをしてるなって思ってたんだ。

 ふん、おまえは生かしといてやるから、俺が戻ってくるまで待ってろよ。

 幸い、おまえの母親である姉ちゃんも、いなくなってるんだ。

 今度は、おまえを襲ってやるよ」


 逃走中だというのに、ヒースの性欲は、男女の見境もなく発露されるようです。


 ライン王子は憮然とした表情で、目の前の叔父さんに囁きました。


「叔父さんのその瞳ーーじつに汚なく濁ってますね。

 そんな濁った瞳で見詰めてくると、それだけで周りに迷惑がかかりますよ。

 ほんと、パトリシア嬢とは大違いですね」


 カッと、ライン王子の顔が、真っ白に輝きました。

 王子の全身が、いきなり、燦然と光り輝いたのです。

 そして、王子の目前で、両目を見開いていたヒース公爵に向かって、まばゆい光を叩きつけたのでした。


「うわああああ! まぶしいーー目が、俺の目がああ!?」


 ヒース公爵は、のけぞって、両手で目頭を押さえます。

 そんな叔父の醜態を眺めつつ、甥っ子は冷静でした。

 

「僕の魔法は、光り輝くことなんですよ。

 置き物のように動けなくとも、僕にはヒース叔父さんの瞳を潰すことぐらいはできる」


「ああああああ!

 見えない、なにも!

 真っ暗だあああ!」


 ヒースが絶望の声をあげます。

 すると、魔力が抜けたのか、ザックらにかかっていた緊縛魔法が解けたのでした。


 ザックらが動けるようになったのを見計らって、王子は叔父ヒースの胸ぐらを掴むと、ドンと前へと突き放ちました。

 ヒース公爵が、もんどり打って倒れたところで、王子は凛とした声をあげました。


「みなの者、この犯罪者を捉えよ。

 将来、国を担う者として、この場から、こやつを逃すわけにはいかない!」


 会場から駆けつけてきた近衛騎士らとともに、ザックはヒースに馬乗りになってます。

 そして、ヒースの両腕を捻じ曲げて、抑えました。


「痛い、痛い!」


 喚くヒースを、ザックはガツッ! と殴りつけます。


「よくも、お嬢様を……ちくしょう!」


 それから、思い切り首筋を打って、ヒースを昏倒させました。

 やがて立ち上がり、王妃の骸を足蹴にして剣を抜き取ります。


 ザックにとって、ようやく復讐が果たされたのでした。



 そのさまを黙って見ているライン王子に気づき、ザックは弁明します。


「貴方の母親は、どうしても許せなかった。許して欲しい」


 頭を下げようとするザックの機先を制して、王子様の方が逆に頭を下げました。


「今まで王家の者が、色々と迷惑をかけた。

 父と共に、これからの統治で償おうと思う」


 会場から駆けつけてきたパトリシアは、


「ついに、やったのね!」


 と明るい声をあげます。


 足元に転がっている王妃の焼死体と、昏倒したヒース公爵、さらには、ザックとライン王子が互いに向かい合っているのを見て、何が起きたのか、だいたいを察したのでした。


 そして会場に向かって、大声を張り上げたのです。


「強姦魔ヒースを捕縛し、王妃ドルテアを討ち果たしました!」


 パトリシア伯爵令嬢による、勝利宣言でした。


 おおおお!


 会場では、割れんばかりの歓声が湧き起こります。


 すぐさま近衛騎士らが、ヒース公爵とドルテア王妃の身体を引きずりながら、会場へと引き戻っていきます。


 かくして、騒動の元凶どもの処分は終えました。

 ですが、まだまだ、一連の事件を収束させるには、やるべきことが残っています。


 バッド国王陛下は、パトリシアとザックの働きを目にして、改めて命じました。


「あと、ほかに糾弾すべき者はおるか!」


 王様の問いに、パトリシアは応じました。


「はい。

 王妃に媚び続けて、性犯罪に加担した近衛騎士団長と司法長官。

 あと、お茶会で、軽々しく性犯罪の被害者に対する誹謗中傷の噂を広めた、ベレス公爵夫人、ドント伯爵夫人。

 それから、自分の娘がヒースに襲われたというのに、噂に乗せられて娘を断罪したミリア子爵、ジャーマン男爵、ダックス侯爵ーーそして、私の両親グラスソード伯爵夫妻ーーハッキリわかっているだけでも、これだけおります!」


 王様は満足げにうなずき、王笏を振りかざしました。


「良くぞ申した。さっそく、捕縛にかかれ!」


 近衛騎士団のほか、王宮の外から駆けつけた騎士団も、いっせいに動き出します。

 パトリシアが指し示した貴族の面々から優先的に、捕縛されていきました。


 結果、この日だけで、総勢五十六名の高位貴族と、その夫人が投獄されたのでした。

 中には、無実なのに、浮き足立ったせいで、王妃一派と疑われて捕縛された者もいましたが、後に釈放されたそうです。


【エピローグ】


 国王陛下の厳命により、王妃一派が、一気に王宮から掃討されました。


 そして、その翌日ーー。


 すぐに、隣国からの使者が、王宮に抗議しにやって来きました。

 しかし、バッド王は憤懣を抑えられず、その使者を追い払い、隣国との国交を断絶しました。

 そして、王妃一派の悪影響が除去されるまでは国交を開かないと、王様は宣言したのです。


 さらに、教会からも、使者がやって来ました。

 しかし、こちらは隣国とは違い、謝罪するための使者でした。

 そして、悪魔紋を人為的に魔法で刻めることが判明した以上、世界中で、「悪魔崇拝の嫌疑による異端審問」を正式に取りやめにし、今までの異端審問の再調査に乗り出すことになりました。



 次いで一ヶ月も過ぎた頃には、ヒース公爵の性犯罪にまつわる事実が明らかにされました。


 審問官から、「正直に白状したら、減刑もあり得る」と言われると、ヒースが、性的暴行について、詳細に話し始めたのです。

 彼が語るには、性的被害を与えた女性は二八六名。

 あまりの多さに驚きながらも、バッド国王は、できるだけ保障すると宣言しました。

 ですが、妊娠させられた場合の中絶費用や、心的外傷(PTSD)への対処法として魔法による記憶消去など、金銭的・医療的補償を王家に申し出たのは、わずか二一名でした。

 名誉を重んじる貴族家では、たいがい内々に処理していたからです。

 そのため、王家でも深く追求せず、ヒースが得意げに語った情報を元に作った被害者名簿も、どこまで本当かわからないこともあり、各貴族家の令嬢の名誉を重んじて、破棄を決定しました。


 それでも、一連の事件の捜査については進展していきました。

 その過程で、王妃一派が、意図的に被害者の悪評を流していた事実が判明しました。

 結果、悪い噂を流すことに加担した者どもを、王家は厳しく処罰しました。

 こうして、被害に遭った令嬢たちの名誉が回復されたのでした(もちろん、たとえでっち上げだろうと、噂を完全に消滅させることはできませんが)。


 そして、すでに死亡していたドルテア王妃とともに、ヒースの首も切り落とされ、中央広場で晒されることになりました。

 ヒース公爵は、断頭台に立たされるまで、ひたすら泣き喚き、


「騙しやがったな!

 正直に言ったのに、どうして死罪になってるんだ!

 ちくしょう。

 暗い、暗い、真っ暗で、なんにも見えねえ!

 怖い、怖いーー。

 誰でも良い、救けてくれ!

 俺は誰も殺しちゃいない。

 ちょっと若い女を、可愛がっただけじゃねえか。

 女どもは生きてるってのに、俺や姉ちゃんの首を刎ねるってのは、おかしいだろ!?

 嫌だ。死にたくない……!」


 と失禁しながら、叫び続けたそうです。


 さらには、投獄された貴族のうち、特に王妃と金銭的に癒着していた者たちは、不名誉となるのを恐れて、大半が自害して、一連の事件は落着したのでした。



 ところが、根性悪く、グラスソード伯爵夫妻は、娘であるパトリシアに命乞いをしました。


 父親のグラスソード伯爵の陳述を要約すれば、こうでした。


「ザックを雇っている件で、王妃に脅され、仕方なかった。

 隣国に留学した兄の行く末を思えば、王妃に与するしかなかったーー」


 母親の伯爵夫人は、


「お父様が可哀想だと思わないの?

 貴女はそれでも娘ですか。

 育て方を間違ったーー」


 と言うばかりでした。


 それでも、隣国に、〈魔法を込めた剣〉を密かに売却したという国法違反を犯しています。

 それに何よりも、彼らは馬車を爆破し、娘のパトリシアとザックを殺そうとしたのです。

 彼らをこのまま放置したら、パトリシアも、ザックも、安心して眠れません。

 パトリシアが王様と直談判した結果、馬車の爆破を命じた父親、グラスソード伯爵は自害を勧められ、母親は禁錮二十年となりました。


 さらに、事件を知って、パトリシアの兄アランが、急遽、留学から戻ってきました。

 彼は剣の密売に関与した罪で領地をかなり削られましたが、無事にグラスソード伯爵家を継承できました。

 パトリシアは、てっきり、両親への処罰が厳し過ぎると(なじ)られるかと思いましたが、兄のアランは、


「実家と爵位を保全してくれて、ありがとう」


 と、パトリシアに感謝しました。

 しかも、パトリシアが王妃とその弟に嵌められて暴行されたと知って、妹以上に憤慨し、わざわざドルテア王妃とヒース公爵の処刑首を見に行って、唾を吐いてくれました。

 ザックと仲が良かった、アランらしい振る舞いで、パトリシアは嬉しく思いました。


◇◇◇


 ところで、私、パトリシアはというと、いまだに兄のアランが新当主となったグラスソード伯爵邸で間借りして、ステンドグラスを作り続けています。


 ヒース公爵を断罪した、あの時のような奇蹟は、それから起きたことはありません。

 ですが、私は、ステンドグラス作品を、定期的に王家に納めています。


 ちなみに、私が製作したステンドグラスに興味を持ち、実際に婚約者候補にしようと、ライン王子が画策していたことは事実だったようです。

 王子は、私の作品を購入し続け、かつまた、〈真実の窓〉をはじめとした、王宮のあちこちに存在する古式ステンドグラスの研究を一緒にしようと、私に持ちかけてきます。

 ステンドグラスの探求は興味深いので、婚約者になること以外は、すべて王子様の要求には、応じようかと私は思っています。


 そして、ザックは私の付き人から独立し、本来の父親が持っていた爵位である侯爵に復帰して、ザック・グリーンヒル侯爵となりました。

 今や侯爵閣下となったザックは、改めて私に、


「これからも、私をお嬢様と共に過ごさせてください」


 と、プロポーズをしてきます。


 ほんとうに嬉しいお誘いですど、今は新たなステンドグラスの製作や、魔道具の製作にまで手を広げようとしていて、仕事の方が忙しく、家庭に収まれる気がしません。

 空いた時間をみては、ミレー男爵令嬢ら、芸術仲間と共に楽しくお茶会を開きながら、日々を過ごしています。


 私、パトリシア・グラスソード伯爵令嬢は、思わぬ苦難に遭遇して苦しみましたが、今はとっても幸せです。

 最後まで読んでくださって、ありがとうございます。

 気に入っていただけましたなら、ブクマや、いいね!、☆☆☆☆☆の評価をお願いいたします。

 今後の創作活動の励みになります。


●なお、以下の作品を、連載投稿しておりますので、こちらもどうぞよろしくお願いいたします!


【文芸 ヒューマンドラマ 連載版】


『私、ミレーユ伯爵令嬢は、王家の毒見役の家に生まれ、修行に明け暮れましたが、ボンクラ弟に家督を奪われました。なので、両親に謀叛の嫌疑をかけて、毒見役を放棄!結果、王家で死者が続出しましたが、それが何か?』

https://ncode.syosetu.com/n5293jz/


【文芸 ホラー 連載版】


『滅国の悪役令嬢チチェローネーー突然、王太子から婚約破棄を宣言され、断罪イベントを喰らいましたけど、納得できません。こうなったら大悪魔を召喚して、すべてをひっくり返し、国ごと滅ぼしてやります!』

https://ncode.syosetu.com/n8638js/


●また、すでに以下の短編作品(主にざまぁ系)も、それぞれのジャンルで投稿しております。

 楽しんでいただけたら幸いです。


【文芸 コメディー】


『太ったからって、いきなり婚約破棄されるなんて、あんまりです!でも、構いません。だって、パティシエが作るお菓子が美味しすぎるんですもの。こうなったら彼と一緒にお菓子を作って、幸せを掴んでみせます!』

https://ncode.syosetu.com/n3691jx/


【文芸 ヒューマンドラマ】


『私の婚約者フレッド伯爵子息は、明るくて仲間思いなんですけど、私にセクハラする騎士団長に文句の一つも言えません。だったら、ダサいですけど、私を守ってくれる男性に乗り換えます!私にとっての王子様に!』

https://ncode.syosetu.com/n7735jw/


『同じ境遇で育ったのに、あの女は貴族に引き取られ、私はまさかの下女堕ち!?しかも、老人介護を押し付けられた挙句、恋人まで奪われ、私を裸に剥いて乱交パーティーに放り込むなんて許せない!地獄に堕ちろ!』

https://ncode.syosetu.com/n0125jw/


『私、ローズは、毒親の実母に虐げられた挙句、借金を背負わされ、奴隷市場で競りにかけられてしまいました!長年仕えてきたのに、あまりに酷い仕打ち。私はどうなってしまうの!?』

https://ncode.syosetu.com/n0121jw/


『生まれつき口が利けず、下女にされたお姫様、じつは世界を浄化するために龍神様が遣わしたハープの名手でした!ーーなのに、演奏の成果を妹に横取りされ、実母の女王に指を切断されました。許せない!天罰を!』

https://ncode.syosetu.com/n3509jv/


【文芸 ホラー】


『伯爵令嬢シルビアは、英雄の兄と毒親に復讐します!ーー戦傷者の兄の介護要員とされた私は、若い騎士から求婚されると、家族によって奴隷にまで堕されました! 許せません。名誉も財産もすべて奪ってやる!』

https://ncode.syosetu.com/n7992jq/


『公爵令嬢フラワーは弟嫁を許さないーー弟嫁の陰謀によって、私は虐待を受け、濡れ衣を着せられて王子様との結婚を乗っ取られ、ついには弟嫁の実家の養女にまで身分堕ち! 酷すぎます。家族諸共、許せません!』

https://ncode.syosetu.com/n4926jp/


『死んだと思った? 残念ですね。私、公爵令嬢ミリアは、婚約者だった王太子と裏切り者の侍女の結婚式に参列いたします。ーー私を馬車から突き落とし、宝石欲しさに指ごと奪い、森に置き去りにした者どもに復讐を!』

https://ncode.syosetu.com/n7773jo/


『元伯爵夫人タリアの激烈なる復讐ーー優しい領主様に請われて結婚したのに、義母の陰謀によって暴漢に襲われ、娼館にまで売られてしまうだなんて、あんまりです! お義母様もろとも、伯爵家など滅び去るが良いわ!』

https://ncode.syosetu.com/n6820jo/


『美しい姉妹と〈三つ眼の聖女〉ーー妹に王子を取られ、私は簀巻きにされて穴に捨てられました。いくら、病気になったからって酷くありません? 聖なる力を思い知れ!』

https://ncode.syosetu.com/n2323jn/


『イケメン王子の許嫁(候補)が、ことごとく悪役令嬢と噂されるようになってしまう件』

https://ncode.syosetu.com/n1348ji/


『噂の《勇者を生み出した魔道具店》が潰れそうなんだってよ。そしたら勇者がやって来て……』

https://ncode.syosetu.com/n1407ji/

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