記録集積-No.13
第13章【大嵐の向こう】
第540話「海の上で」
◇ウマアジ
〈剣魚の碧海〉で釣れる小型の原生生物。銀色の鱗が特徴的。脂の乗った身は非常に深い味わいで、様々な料理に使用できる。
数も多く、釣りやすい、釣り人のお友達で主婦の味方。
第541話「高速の連撃」
◇バクダンフグ
〈剣魚の碧海〉で釣れる小型の原生生物。丸みを帯びた体型が特徴的。身の危険を感じると体を大きく丸く膨らませ、威嚇する。強いストレスを受けるとそのまま限界まで膨張し、爆発する。その際、表皮が弾けるが体は無事で、爆発の混乱に乗じて逃走を図る。
内臓に毒を持っているため、捌くには高い〈解体〉スキルが必要になる。なお、内臓も昇天するほど美味だという噂がある。
第542話「揺れ船の上で」
◇新鮮な球腹魚の刺身
釣ったばかりの球腹魚の刺身。非常に鮮度が良い。
身はかたく弾力があり、優しい味わい。延々と噛み続けることができる。
一定時間、打撃属性攻撃耐性が上昇する。
第543話「双頭の鮫の襲来」
◇ハガネウツボ
〈剣魚の碧海〉に生息する大型のウツボに似た原生生物。表皮が非常に硬質で、更に体表に特殊な粘液を分泌している。そのため物理的な攻撃が通りづらく、機術攻撃も威力が減衰してしまう。タフで凶暴な厄介者。
第544話「広く深い大洋」
◇潜水時の諸現象について
水中に完全に身を沈め、遊泳した場合、時間経過によって徐々にLPが減少していきます。LPの減少量は〈水泳〉スキルが高いほどに抑制され、水深が深まるほどに増加します。増設バッテリーなどを装備することで、潜水遊泳時の行動をアシストすることが可能です。
水中深部にまで潜るなどで異常な水圧が掛かった場合、機体が破損する可能性があります。
第545話「副団長の案」
◇高速作業船マグパイ-Ⅲ
バンド〈大鷲の騎士団〉が保有する中型船舶。BBジェット駆動方式で高速航行が可能。船尾には大型のウインチ、クレーンアームが備えられ、超大型原生生物や他船の牽引を行える。
最大乗員数は55名。航行には最低3名の操舵手を必要とする。
第546話「潜行開始」
◇“驟雨”
大規模多層式防御陣地“八雲”、第二層構成テント。液体による攻撃に対して高い防御能力を保有する、耐水性テント。建材式可変サイズ方式を採用しており、建材を追加することで大きさを変更することができる。
第547話「深海の底へ」
◇『暴走する蛮声の蹂躙』
戦闘歌唱。喉を引き絞って甲高い声を発する。周囲の原生生物の聴覚を麻痺させ、音波の衝撃で脳を揺らすことで意識を刈る。広範囲の原生生物を一瞬で無力化できる強力なテクニックだが、使用者は一定時間気絶状態になる。
第548話「突然ウサ人魚」
◇『揺レ響ク髑髏』
火砕流、七の技。体内に浸透する衝撃を放ち、対象を内側から破壊する。攻撃対象に密着する必要はあるが、鉄壁の防御も意味を成さない凶悪さを持つ。
対象に近いほど、また物理的に接触しているほど、威力が上昇する。
優しく貴方を抱きしめる。その心に響く想いを乗せて。強く貴方に訴える。この心に宿す想いを向けて。
第549話「不可思議な鮫達」
◇業炎鮫
〈剣魚の碧海〉に生息する鮫に似た原生生物。体表から特殊な体液を分泌する。体液は海水と反応することで高温と光を放ち、外見上では全身が燃え上がっているように見える。光の閉ざされた深海では希望の灯火のように見えるが、近づけば火傷を負ってしまう。
第550話「調査隊の帰還」
◇状態異常“破損”
調査開拓員が受ける状態異常の一つ。強い衝撃や厳しい環境下で、四肢が欠損したり、身体フレームが歪んだりすることで、通常行動不能に陥った状態。
修理するには各都市に存在するアップデートセンターに赴くか、〈換装〉スキルを持った技師に頼る必要がある。
第551話「差し入れ品」
◇〈シーグラス〉
海洋資源採集拠点シード01-ワダツミの商業区にある菓子専門店。自慢のチョコレート菓子や焼き菓子は、どれも宝石のように光り輝いている。
一番の看板商品は店名と同じ“シーグラス”。無数の種類の味のグミが揃っており、中には定期的に入れ替わる味や、数百箱に一箱にしか入っていないレアな味もある。
第552話「幹部会議」
◇レンタルスペース〈海鳥の巣〉
海洋資源採集拠点シード01-ワダツミの商業区画に立つレンタルスペース。自由に滞在可能な部屋を、1時間単位で貸し出している。レンタルできる部屋は3人用から最大300人用まで、カフェスペースや仮眠室、ボードゲーム、メイドロイドなどのカスタムも可能。
第553話「協力者登場」
◇“龍眼の狙撃銃”
地下深くの溶岩湖で眠る、巨大な龍の体を用いた巨大な銃。重量を犠牲に頑丈性を底上げし、大口径高威力の弾丸を精密に射出することを目指した。
扱うには高い技量と強い腕力が必要だが、それに見合うだけの効果を得られる。
龍眼は全てを見晴らす。例え地の底に隠れようとも、必ず見つけ、喰らい付く。その咆哮は雷となり、哀れな獣を焼き焦がす。
第554話「落ちてくる星」
◇“星降らしの大筒”
極端に偏った性能を持つ近距離破壊特化榴弾砲。特殊多層装甲製の頑丈な砲身に、専用の30口径重郎爆裂弾頭のみが装填可能。直上に向かって射出し、その位置エネルギーを破壊力に転化する。
着弾地点の半径50メートルを爆発に巻き込み、200メートル範囲内に影響を与える。非常に扱いにくい銃器ではあるが、威力は高い。
第555話「水平線の彼方へ」
◇“耽溺のホブル”
〈剣魚の碧海〉に生息する、巨大なクラゲに似た原生生物。無数の長い触手を持ち、非常に強力な神経毒を有する。動きは緩慢だが、細い触手と半透明の体を広げて海中を揺蕩い、獲物を絡め取る。
体は非常に脆く、触手も切れやすい。切れた触手にも毒は残っているため、注意が必要。
第556話「飛んで跳ねる」
◇『縛封拳』
〈格闘〉スキルレベル70、〈防御アーツ〉スキルレベル70の複合テクニック。
衝撃を蓄積する特殊な障壁を生成する。障壁は一定時間内の任意タイミングで解放でき、蓄積された衝撃を一気に放つ。封印可能時間はスキルレベルと熟練度によって増加する。
縛り、封じ込める事により、力は更に膨れ上がる。跳ね返り、増幅し、倍加して、満を持して放たれる。それは荒々しい風となり、鋭利な牙となって蹂躙の限りを尽くす。
第557話「大洋の白龍」
◇繊弱のハユラ
〈剣魚の碧海〉のフィールドボス。全身を細い白銀色の体毛で覆った、細長い蛇のような原生生物。西方の海に浮かぶ白い巨岩を巣としている。
不明な力を操作することで、不可視の領域を展開することが可能。その特殊な領域で自身の体を包むことで、あらゆる攻撃を退ける。
大海の中心、白岩に棲む孤高の龍。神秘の力をその身に帯びて、ただ静かに海を見守る。
第558話「障壁打破」
◇護り鮫
〈剣魚の碧海〉に生息する小型の鮫に似た原生生物。白い扁平な体を持ち、高い跳躍力で水面に飛び出して襲いかかってくる。
強い個体と共生関係を結ぶ習性があり、その個体を特殊な力で保護する代わりに、食料などの分け前を貰う。
かつて騎士として名を馳せた。その記憶も広大な海に解け、今や小さな残滓を残すのみ。理を捨て、本能のまま、強き者に付き従う。
第559話「威反す大鏡」
◇鏡威流
〈格闘〉スキルと〈防御アーツ〉スキルを要件とする、機術複合格闘流派。攻撃は最大の防御であることを体現し、敵の攻撃すらも自身の攻撃に転化する。
第560話「開祖と門下生」
◇『射し鏡』
〈鏡威流〉一の面。
対象の攻撃を反射する、特殊な防御障壁鏡を展開する。反射した攻撃の角度は、障壁鏡に受けた攻撃に入射角によって決まるため、使いこなすには技術が必要になる。
熟練度が上昇することによって、障壁鏡の耐久力、持続時間が増加する。
姿を映す大鏡。怨嗟は我が身に跳ね返り、自刃によって敵は斃れる。
第561話「唸る装と滾る炎」
◇『燃え滾る炎血の聖装』
拡張機装。機装『咬み啜る血の装』に八尺瓊勾玉を直接接続し、LPを供給することによって発動する、強力な形態。
刀身に灼熱の炎を纏った全長3メートルの特大剣。非常に重く、頑丈。
重量を活かした物理ダメージと共に、炎属性の機術ダメージを対象に与える。破壊率+100%。対象に裂傷と火傷の状態異常を付与。対象に与えたダメージの5%をLPとして還元。機装展開中、毎秒3%LPが減少する。
専用機装技を使用可能。
第562話「虹輝なる饗宴」
◇“虹輝鮫の稲荷寿司”
万色に光を放つ虹輝鮫の身を酢飯に混ぜ込み、薄い油揚げで包み込んだ稲荷寿司。不思議な作用で167,777,216色の強い光を放っているが、機械人形には無害。旨味が強く、味わい深い。
一定時間、全身が16,777,216色に光り輝く状態異常“虹輝”が付与される。集中力が上昇し、疲労を感じづらくなる。
第563話「嵐の中輝く」
◇大銛烏賊
〈剣魚の碧海〉外縁部に生息する大型のイカに似た原生生物。伸縮性に富んだ極太の触腕を持ち、それを銛のように勢いよく突き出すことで、獲物を貫く。
強い光に引き寄せられる習性を持つ。
白き騎士とかつて称えられた。栄光はすでに遠き過去に沈み、今はただ光を探し求めて彷徨うのみ。
第564話「イカ釣り」
◇機械鮫
水中での活動に特化した、鮫型の機械獣。強力な推進器兼姿勢安定装置である鰭を備え、最高時速80kmの速度で水中を駆け巡る。背中に騎乗することができるほか、ワイヤーによって重量物を牽引することも可能。
第565話「深海の救援」
◇鹿角鮫
〈剣魚の碧海〉深部に生息する希少な鮫型の原生生物。頭部から二本の枝角が生えており、長い年月を掛けて伸びていく。大きく立派な角は生きた年月と強さの証であり、多くの鮫を従えるほどの権威を示す。
第566話「勇気ある撤退」
◇緊急停止アンプル
機械人形の全機能を停止させるキラープログラムの封入されたナノマシンアンプル。摂取後、解毒薬などの対処を為さなければ10秒後に機体の全機能が停止する。
危機回避用に作成された最終手段。このアンプルを使った場合は通常の機体回収では復活ができない。
味はよい。
第567話「寿司屋での会談」
◇唐揚げ卵焼き軍艦
海鮮〈葦舟〉のオリジナルメニュー。唐揚げと卵焼きを乗せたビッグな軍艦巻き。甘辛いソースを掛けたわんぱく仕様。
一定時間、LP回復速度が僅かに上昇し、LP最大値が僅かに上昇する。
第568話「胡瓜の浅漬け」
◇胡瓜の浅漬け
新鮮な胡瓜を短時間、調味液で漬けた漬物。さっぱりとしていてパリンとした食感が楽しい一品。ほどよい塩味と水分が、疲れた身体を癒やしてくれる。
一定時間、耐水圧+30、水中での移動速度が僅かに上昇する。
第569話「再び深海へ」
◇貝殻のビキニアーマー
三つの貝殻型部品で身体を隠す、水中活動特化型ビキニアーマー。斥力フィールドの展開によって、一定の水圧を相殺し、自由に水中で活動することができる。
神秘の海に佇む可憐な人魚をイメージしており、そのデザインにはセンスが光る。
耐水圧+50、水棲原生生物特攻+30、水中行動補正+30。
第570話「人魚軍団」
◇ウニとイクラの海鮮丼
新鮮なウニとイクラが豪勢に盛られた海鮮丼。濃厚な甘みのウニと、プチプチと弾けるイクラが存分に楽しむ、究極の贅沢を。
一定時間、耐水圧+25、水中行動補正+20、LP最大量増加。
第571話「鮫の洞の中」
◇着色弾
どのような種類の銃器でも装填可能な、シンプルな形状の弾丸。非常に軽量で持ち運びも容易。
弾丸としての威力には期待できないが、内部に粘性のある塗料が封入されており、着弾と同時に拡散する。原生生物に使用することで、特定の対象を他の個体と識別するために使われる。
第572話「効率的な戦法」
◇『血裂刃』
〈剣術〉スキルレベル70のテクニック。
対象の血管を断ち、深い傷を負わせることで継続的なダメージを与える。効果中、武器の切れ味が僅かに上昇する。攻撃対象に“裂傷”の状態異常を付与する。
肉を断ち、血を流す。じわりじわりと敵を蝕む、流血殺法。卑怯下劣と言うなかれ。これも立派な技の極み。
第573話「気まぐれな子鹿」
◇大容量バッテリー
機械類を動かすために必要なエネルギーが充填されたバッテリー。通常のバッテリーの三倍の容量を持つ。
9,000万回の充放電を行っても、劣化率は0.001%以下。半永久的に使用することができる。
耐水耐衝撃高耐久衝撃緩衝ケースに収められているが、内部のバッテリーパックは僅かでも衝撃を受けた場合、内部のエネルギーが不安定になり爆発する危険性がある。そのため、絶対にケースから外した状態で扱ってはいけない。非常に危険である。
第574話「深き海の門番」
◇荊花蜘蛛
特殊複合植物戎衣。機装拡張纏衣式テント展開時のみに纏装可能な植物戎衣。荊荒縛葛、蝕毒靫葛、刃葉鎧南瓜、爆裂石榴などを合成し、超濃縮栄養液と共に瓶の中に封入した。
気温や天候など周囲の環境に左右されず、安定した展開ができるように調整が重ねられており、あらゆる状況下での運用が可能になっている。
第575話「蜘蛛と騎士」
◇“扉守のコシュア=シャルアリア”
〈ワダツミ海底洞窟〉のボス。入り組んだ水中洞窟の最奥に存在する扉を守る、二頭一対の鮫頭人身の白神獣。高度な武装を施し、無数の眷属と共に侵入者を排除する。
忘れられた深淵の家を守る者。長き時間の中、己の使命を忘れることなく立ち続ける者。三つ叉の矛と円盾は、彼に託された信頼の証。硬く引き締まった肉体は、彼の強い意志の証明。
第576話「海底神殿」
◇“祭祀のコシュア=ユラ”
〈白き深淵の神殿〉を守る、老齢の鹿角鮫。悠久の時間が黒き衣を織り、幾千の皺を刻んでも、使命を忘れることなく佇み続けた。その双角は輝く。いつか訪れる新たな光を導くため。その双眸は光る。いつか訪れる新たな時代を見届けるため。
第577話「平穏の一時」
◇〈ホノサワケ群島〉
第二開拓領域。〈オノコロ島〉西方に存在する、大小様々な無数の島が集まった地域。温かく穏やかな海の中に広がり、独特の生態系が構築されている。
第一開拓領域〈オノコロ島〉との間には、非常に不安定な海域が広がっており、行き来するためには大嵐を抜ける必要がある。