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06

真っ直ぐ来た道、中央通り(仮称)を戻ってきた。この辺のルートの不親切さは別の街だとマシだったりするのか?

検問所広場を通り過ぎ、物見櫓の間を潜って街道へ出る。物見櫓の外には数人兵士(NPC)が立っているが、わざわざ話しかけても多分「そんな装備で大丈夫か」くらいの事しか言わんだろう。


街道のフィールドに出て暫く道沿いに歩くと鬱蒼と生い茂っていた森が途切れた。視界の開けた先はなだらかな下り坂の左右に草原が広がっており、新規プレイヤーが早くも狩りをしているのが見て取れる。拙者(おれ)と同じような感じで最初に修練場に行った人間は少ない様で、木刀を振るっているのは見る限り片手で数える程しか居ない。



そんなフィールドを眺めながら他のプレイヤーの邪魔にならなさそうな場所まで下っていく。


「よし、この辺で良いだろう。お、いるいる!」


黒い耳が目立つウサギ型のモンスターが数匹、少し先で平和そうに跳ねている。見た目が余りにも小型ウサギなので少し心は痛むが、ゲームだしな、割り切ろう!


さて、このモンスターはどういうエンカウントなんだろうか。基本こういうゲームに出てくるモンスターは受動(ノンアクティブ)能動(アクティブ)のモンスターが居る。


受動(ノンアクティブ)はこちらが攻撃を行わない限り、戦闘状態に入らないモンスター。

能動(アクティブ)はこちらが接近したら戦闘状態に入るモンスター。

他にリンクといって、同種または周囲で戦闘行動が起きた際に反応して能動(アクティブ)になるモンスターなんてのも居る。


能動(アクティブ)なら接近距離次第だから、近寄らないと分からないんだよな)


能動(アクティブ)と知らずに戦ってしまい、囲まれて数の暴力で詰むパターンは今までのMMOゲームで何度か経験している。流石にそれは勘弁だな。


(流石に初期フィールドで能動(アクティブ)モンスターなんて配置してないと思うけど、念には念を入れて)


その辺に落ちてた適当な小石を拾ってみる。リンクモンスターじゃなければ最悪これを投げつけて一匹釣りだせば良いだろ。当たっても反応するかは不明だが、そこは開発を信じてるぜ!


(よし、狙いは一番近い奴!上手く一匹だけに当たってくれ!)


ブンッ!


ハズレ。

狙ったところから1mも離れた所に飛んで行った。


(あれ、結構ちゃんと狙ったんだけどなぁ……)


別の石を拾ってもう一回投げつけてみる。


ブンッ!


ハズレ。

今度は手前に落ちた。


(くそっ、もう一回!)


ブンッ!


ハズレ。

あれぇ?職場(リアル)では2mくらい先のゴミ箱に資料を紙くずシュートするのも外したこと無いんだけどなぁ。


(んん?あ、もしかして……)


そういえば事前情報の動画で悪漢(バッドマン)の初期スキルに≪投擲≫があったな、動画ではナイフを投げてたから考えてなかったが、こういう小石投げつけるのもスキルの範疇ってことになるのか?


ブンッ!


「キュッ!?」

考えながら投げてたらウサギの身体にようやくヒット!と同時にこちらへのそのそと近づいてくる。

しっかり木刀を握って、


(とりあえず一発!)

ゴツッ!


振りぬくと良い手ごたえ、しかし一撃では流石にまだ倒れてはいない様だ。

体勢を立て直して今度はこちらに跳ねてくる。


(意外と速い!くっ!)


真っ直ぐ向かってくる野生生物って意外と怖い!

足がすくんで咄嗟に避けきれず、肩に思いっきり体当たりを食らってしまった。


「いってぇッ!!!!」

(……けど、耐えられない程じゃない!もう一発!)

ガッ!キュゥ……。


お、やったな!ウサギ型のモンスターは二発か。やっぱり初期マップのモンスターだから弱めに設定されてるのか。

とにかく、初戦闘は無事勝利!無傷とは行かなかったけど、勝ちは勝ちと。


一旦残りのウサギには手を出さずに休憩することにした。一応能動(アクティブ)モンスターである懸念は消えてないので、周りを警戒しながら一度ステータスウィンドウを出す。



――――

名前:梵天丸

Suit(スート)Spade(スペード)


ベースレベル:2

スキルレベル:1


ベースポイント:5

攻撃力:5 (+1)

肉体 :3

精神 :2

器用さ:5

幸運 :2


職業 :無職(ノービス)


スキルポイント:0

スキル:


装備 : 木刀 ▽

――――



一発食らった分のダメージはどれくらいなのか、ステータスにはHPの欄が無かったから全然分からんし。

それにまだレベルはたったの2だし、どれぐらい食らったらデスするのかも不明。無理は禁物だな。安全マージンを取らないと結構簡単にデスするかも。


落ち着いてきたので先程の戦闘を最初から思い返してみる。

そうだ、スキルの補正値がこんなに重要なものとは思わなかった。小石を拾って投げるくらいは大丈夫なんじゃないかと勝手に思い込んでたな。アレくらいの事も許されないのか。


(ん?しかし逆に言うとあの投石はスキルの補正が掛かる攻撃行動として認められているという証左でもあるな)


次にあのウサギはリンクモンスターではない、という事だ。大方の予想通りではあるが、流石に初期フィールドからリンクモンスターは配置しないか。

ウサギが違うだけなので、他のモンスターもそうだという保証は無いけど。



とにかく投石でモンスターを釣る、という行動は可能という事だ。

職業にも依るんだろうけど、流石に遠距離攻撃一個くらい欲しい気がしてきた。最初の職業悪漢(バッドマン)にしようかな。でも他の職業も魅力的ではあるんだよなぁ。

割とソロプレイ前提だから狩りがしやすくなりそうな索敵師(サーチャー)とか、バランスが良さそうな剣士(ソードマン)とか、うーむ、悩む。


いずれにしても≪投擲≫はそのうち確実に取らなきゃいけないスキルだ。これは絶対だ。

何故ならば、やはり忍者というからには苦無(クナイ)投げと手裏剣は必須と言って過言では無いだろ。むしろ手裏剣を投げない忍者ってアメコミくらいでしか見たことないしな。


よし、決めた、最初の職業は悪漢(バッドマン)にしよう!


そうと決まれば、まずはレベル上げだな。見えてる範囲にはまだまだウサギが3匹程平和そうに跳ねている。

とりあえずこいつらから倒しちゃうかー。



2体目を全然当たらない投石で釣り出して、今度は1発当てて突っ込んできた所を落ち着いて叩き落とせた。突っ込んでくるのが分かってるなら何とかなるな。

そしてウサギが消えるのと同時にファンファーレが聞こえる。


――パパラーパー!(ファァン!)


なんかファンファーレが二重に聞こえたんだけど。

なんだろう、と思ってステータスウィンドウを開く。



――――

名前:梵天丸

Suit(スート)Spade(スペード)


ベースレベル:3

スキルレベル:2


ベースポイント:10

攻撃力:5 (+1)

肉体 :3

精神 :2

器用さ:5

幸運 :2


職業 :無職(ノービス)


スキルポイント:0

スキル:

≪休息≫


装備 : 木刀 ▽

――――



おっ、ベースレベル上がったな。それから、スキルレベルも2になってスキル≪休息≫が増えてる。


(へぇ、無職(ノービス)ってスキルレベル上がるんだ……いやいや、無職のスキルってなんだよ!)


スキル≪休息≫をタップしてみると説明文が出てきた。こういう所は親切だな、チュートリアルまでの説明フローはすげぇ雑なのに。



――――

≪休息≫

パッシブスキル(常時発動)

無職(ノービス)が獲得できるスキル

移動、戦闘行動、生産行動を行っていない間の各種自動回復が早まる。

――――



あー、なるほど。こういうのは重要だな。

スキルについては動画で既にある程度情報が公開されていたが、これは公開するまでも無いくらいのヤツかね。

ちなみにスキルは転職しても消えない。取得したスキルはそのまま転職しても引き継がれるらしい。こんなんなんぼあっても良いですからね。

無職のスキルがいくつあるのかは分からんが転職可能レベルまでにいくつか取れると良いなぁ。

次回こそ転職したい。

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