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05

「よぉし!良いぞ!」


本気で天井から釣られた砂袋を殴る事数分、ようやっと師範代トオルがヤメの合図を出してきた。最初は数回殴れば良いんだろ、とか思って軽くぽこぽこ殴ってみたんだが、師範代は腕組みしてこちらを見るばかりで全然進まなかったので、仕方なく本気で木刀を振るっていたら段々本気になってしまった。

VRゲームとはいえスタミナ的なものが結構消費された感じがするな。


――パパラーパー!


と、唐突にファンファーレの様な音が鳴り響く。


「ははは!よし、レベルアップしたようだな、ステータスウィンドウを出してみろ」


師範代が豪快に笑いながら次なる指示を出してくる。



――――

名前:梵天丸

Suit(スート)Spade(スペード)


ベースレベル:2

スキルレベル:1


ベースポイント:10

攻撃力:3 (+1)

肉体 :3

精神 :2

器用さ:2

幸運 :2


職業 :無職(ノービス)


スキルポイント:0

スキル:


装備 : 木刀 ▽

――――



「お、ベースポイントが増えてる」

「ベースポイントが増えているだろう!それではベースポイントをステータスに割り振るのだ!攻撃力を選択してみろ!」


やはり独白を無視して指示を飛ばしてくる師範代の言葉に従い、ARウィンドウに指を当ててみると。



――――

ベースポイント:9

攻撃力:4 (+1)

肉体 :3

精神 :2

器用さ:2

幸運 :2

――――



となり、枠が右隣に新しくポップアップする



――――

ベースポイントを割り振りますか?この変更は取り消せないので注意してください。

・はい

・いいえ

――――



なるほどな、この辺は非常にゲームらしいデザインで分かりやすい。

しかしこれゲーム始める前とかにチュートリアル組み込めなかったのか?スポーン直後に森に飛び込んでった奴らこれ知らずに暫くゲームするのか?結構クレームの原因になりそうだけど。拙者(おれ)には関係ないけど、ついつい気になっちゃうな。


とりあえず半分割り振ってみるか。



――――

ベースポイント:5

攻撃力:5 (+1)

肉体 :3

精神 :2

器用さ:5

幸運 :2


職業 :無職(ノービス)


スキルポイント:0

スキル:


装備 : 木刀 ▽

――――


――――

ベースポイントを割り振りますか?この変更は取り消せないので注意してください。

・はい

――――



「割り振れたようだな!それでは今度は数発で良いから砂袋を改めて殴ってみろ!」


言われた通りに木刀を軽く振るうと先程より少しだけ砂袋を殴った後の余裕があるように感じる。

本気でもう一発!今度は確実に余裕がある。心なしか奥の角刈り眉毛師範も目を見張った気がする。いや良く見たらこっち見てなかった。


「ステータスの割り振り方が理解できたようだな!ここで教えられる事はもうない!あとは実地で経験を積むが良かろう!」

「押忍、有難う御座いますー」

「その木刀はくれてやろう!何、遠慮することは無い、持っていけ!分からない部分が合ったらいつでもまた来たまえ!修練場はいつでも門戸を開いているぞ!」


師範代が笑顔で一気にそう言い切ると


――――

チュートリアルを終了します。

――――


チュートリアル終了のアナウンスが響き、師範代はいつの間にか入口の方に戻っていた。

戦闘練習をしていたプレイヤー達も数人が入れ替わっている様だ、流石にサービス開始直後だし、フィールドや転職に向かったんだろうな。


さて、拙者(おれ)も転職に向かうか、そろそろ職業:無職(ノービス)は卒業したいし。それに何故かチュートリアル終了直後から角刈り眉毛師範がこちらを睨み付けてるし。もう今にでも「ちょっとこっちで打ち合いしないか?」とでも声を掛けて来そうな雰囲気を纏っている。




ささっと逃げるように修練場を後にした拙者(おれ)は、最初の四つ辻へ向かう道を歩いていた。進行方向側からは次々にプレイヤーと思われる初期装備キャラクターが我先にと修練場方向へ向かっていく。

ニ、三人のグループで話しながら先を急ぐ奴や、先頭のヤツに続いて走る高校生くらいのグループなど、全員が同じ格好をしている為、恰好が学生服とかだったら遊園地で修学旅行生の団体に遭遇したみたいな感じだ。


こう見ているとチュートリアルに関しては初動のスタートダッシュが効いたみたいだなぁ。門前広場を早めに抜けて本当に良かった、こういうゲームではキャラクターメイク直後はチュートリアルの場所が混み合うことはよくあるからな。そう思うと既に少し先行しているとはいえ、転職場所に向かうにも少々浮足立ってくる。

あの修練場も広かったが、これだけの人数だとすぐに満員になってしまうだろう。っていうか師範代が一人一人対応してたら日が暮れるんじゃあないか?とか思ってたら、最初の兵士のところまで戻ってきた。他のプレイヤーが兵士と話しているのが聞こえてくる。うわあのプレイヤーちっこいな、中学生くらいか?


「――さては旅人か、ではまずは修練場に行くのが宜しかろう。この道を左手に行け」


まだアレ言わされてるのか。

確か転職は――、


「もし職に就きたいのであればこの道をこのまま進むのが良かろう、金剛神宮の宮司様が転職の儀を行っていただける」

「有難う御座いますー!」「右手に行けば装備などを扱っている店が並んでいるぞ――」


だったな。よし、左に向かうか。

わざわざどうもー、とかしっかり返事していて、拙者(おれ)の様なスレたおじさんの失った若さと正直さを感じる。いや天然なのか?あぁいうプレイヤーがちょっと不親切なこのゲームを飽きて辞めちゃわない事をおじさんは願うよ。




四つ辻を左に折れ、暫く進む。どうやら兵士の言う通り修練場を目指すプレイヤー以外に、最初に転職を目指すプレイヤーもそれなりの数居る様で、修練場に向かっている時はほとんど見なかったプレイヤーキャラクターが大分増えているように感じる。

左右には様々な家屋や店が並んでいる。アイテムを売る商店や、奥から金槌の音を響かせる鍛冶屋、なんだかよく分からない店、今にも潰れそうな傾いた家、瓦屋根から高い煙突が突き出た銭湯らしき建物、時代劇のセットの様な光景が連なっている。途中によく分かんないヤツもあったけど。


そんな大通りを真っ直ぐ進み、横に走る通りを二、三本跨ぐと正面に巨大な石鳥居が見えてくる。

石鳥居の横に白い着物に赤袴を着た女性が立っていた。


(アレは……伝説の巫女さんではないか!?アニメではよく出てくるけど現実だと見ることなど滅多にない、ウチの近所の神社なんて年末年始にも居たことない!っていうか女性は社務所でお守り売ってるおばちゃんくらいしか見たことないぞ!)


などと阿呆な事を脳内で迸らせていると、こちらが凝視していることに気付いたのか目が合ってしまった。

折角なので入る前に宮司さんの場所を聞いてみたところ、衝撃の事実が待ち受けていた。


「転職をご希望の方ですか?申し訳ありませんがベースレベルは足りておりますでしょうか。ベースレベルが5に達していない方は転職が出来ないのですが……」

「なん……だと……!?」

次回、初モンスター戦闘

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